ゲーテ 魔王
Goethe ”Der Erlkonig”
ゲーテの詩に、まだ18歳のシューベルトが曲をつけた
歌曲の中で名曲として残されているものです。
確か中学で皆、習うはずです。
(絵はモーリツ・フォン・シュヴィント作の「魔王」)
(曲はコチラ )
病に苦しむわが子を抱え、森の中を
父親が馬を走らせ、家路を急いでいるというシチュエーション
登場人物は、父親と息子と魔王
ちょっとわかりにくいかもしれないので、
父親のパートは■
息子のパートは●
魔王のパートは◆
と印をつけてみました。
こんな夜更(ふ)けに風吹くなかを
馬をとばして行くのは誰(だれ)だ
馬には父が子供をしっかり
大事(だいじ)にかかえて乗っているのだ
■「どうして怯(おび)えて顔をかくすのだ」
●「父(とう)さん 魔王が見えないの
あの冠(かんむり)とあの長い裾(すそ)」
■「なんでもないよ 霧のながれだ」
◆「いい子じゃ おいで わしといっしょに
たのしい遊戯(ゆうぎ)をして進ぜよう
きれいな花は岸辺にあふれ
家(うち)には金の着物がどっさり」
●「父(とう)さん 父さん 聞こえないかい
魔王が小声でぼくに言うのが」
■「落ち着くんだよ なんでもないよ
枯れ葉にざわつく風の音だよ」
◆「いい子じゃ 行こう わしといっしょに
うちの娘によく世話(せわ)させる
娘ら夜ごと音頭(おんど)をとって
歌や踊りで寝かせてくれる」
●「父さん 父さん 見えないのかい
あそこのかげに魔王の娘が」
■「見えるよ おまえ よく見えるとも
古い柳がひかってるんだよ」
◆「かわいい子供じゃ きれいな子供じゃ
いやというなら 無理に連れて行く」
●「父さん 父さん 魔王がぼくに
つかみかかって乱暴するんだ」
父はふるえて馬を駆(か)りたて
うめく子供をしっかり抱(かか)え
やっとのことで家にもどった
腕のわが子はもう死んでいた
人間、臨終に、業相(ごうそう)と言って、その人にしか
見えないものが見えると言われます。
魚ばかり殺してきた人が
「魚がおれを食いにやってきた!」
鳥を殺してきた人が
「たくさんの鳥がおれを襲いにきた!」
と叫んだり
ヴォルテールは
「ソレ、そこに悪魔がいる。
オレを連れにやってきた。
アレ、奈落が見えてきた。
恐ろしい恐ろしい。誰か助けてくれ!
と臨終に叫んだといわれます。
哲学者のベルグソン
「臨終には悪いことばかりが走馬灯のように駆け巡る」
と言っています。
周りの人には見えない、その人自身が生み出した業の世界。
考えると恐ろしいものです。
※ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(Johann Wolfgang von Goethe).
ドイツの詩人・作家・自然科学研究家,
ヴァイマール公国枢密顧問官・政務長官(1749-1832).
フランクフルト・アム・マインに生まれる.
1774年に『若きヴェルテルの悩み』で文壇の脚光を浴び,
疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドランク)期の旗頭となる.
その一方で,宮廷に仕え,
政務を担当する廷臣となる.
また,同時に解剖や地質,とりわけ光学などの研究も行い,
顎間骨の発見や色彩論などは著名.
シラーとともに,ドイツ古典主義時代を築いたとされる.
世界の三大文学者の一人
ちなみに椎名林檎が飼っている愛猫の名前も
【藝帝】(ゲーテ)
椎名林檎の所属する事務所である黒猫堂の象徴でもあるそうです。
●この投稿に何かを感じたら こことここを
ポチ・ポチッと押して下さい!
あなたの一ポチが世界を変えるかもしれません!
(このホームページのblogランキングへの
投票になります!)
二つ目のポチは、週刊!ブログランキングの投票。
(芸術・人文部門です)
★今日のランキングも分かります。★