乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

マルハナバチ調べ隊~盛夏編

2020年08月01日 | マルハナバチ調べ隊

特に何にも告知はしていませんが、当日は10人がマルハナバチ調べ隊のために来てくださいました。スタッフで話し合い、本日の調査はコロナ感染拡大防止のため、午前中のラインセンサス調査のみにし、短時間で終了させることにしました。もちろん、説明時には人と人の距離を取り、スタッフは必ずマスクをすることにしました。

全体の司会進行は鈴木さん。それに三枝さん、芳賀さん、井上さんがサポートしてくださいました。紙芝居は、芳賀さんのお孫さんグループが一手に引き受けてくれました。この子たち、紙芝居上演はもう何回目になるでしょうか。

トイレや持ち物など少し準備の時間をとった上で、ラインセンサス調査のために草原内に入っていきました。曇りがちで気温も低く、マルハナバチがどれくらいいるか心配でしたが、その心配はすぐになくなりました。次から次へとマルハナバチが見つかるのです。しかも、気温が低いせいか、動きが鈍く、いつもだとハチの動きが忙しすぎるので見にくい花粉団子の様子もばっちり観察できます。「ミヤママルハナバチ、働きバチ、花粉団子は無し、蜜を吸っている、来ている花はノハラアザミ」といった具合に、調査票に記入していきました。

結果、1時間のラインセンサスで113頭のマルハナバチが観察できました。内容は以下の通りです。

・トラマルハナバチ・・・計03頭 ノハラアザミ2 ノアザミ1
・オオマルハナバチ・・・計77頭 ノハラアザミ36 クガイソウ20 
タチフウロ16 キリンソウ4 ヒメトラノオ1
・ミヤママルハナバチ・・・計33頭。  ノハラアザミ26 タチフウロ6クガイソウ1

 

113頭というのは17年間のマルハナバチ調べ隊の中でも3本の指に入る大記録です。「たくさんいて、うれしいな」と思っていましたが、調査をしていくうちに、だんだんその思いがしぼんできました。
 なぜかという出会うマルハナバチのほとんどの動きが緩慢なのです。さっきも書きましたが、最初は気温のせいかと思っていましたが、たぶん違います。ハチたちの毛並みが悪いのです。つまり、年寄りのマルハナバチなのです。年寄りだから、動きが鈍いのではないかと思われました。
 もう一つは、花粉団子を付けていないハチの多さです。花粉団子を付けていたのは113頭のうち3頭だけでした。この時期、マルハナバチの巣の中ではたくさんの幼虫が、働きバチが届ける花粉団子を待っているはずです。なのに、花粉団子を付けていないとは、どういうことでしょうか? 幼虫の成長に何か問題があったのでしょうか?
 考えているうちに、一つの仮説が思い浮かびました。今年は梅雨の雨が多く、しかも長引きました。それは、地面の下に巣を作るマルハナバチにとって、とても迷惑なことで、例年だとそんなことはないのですが、浸水被害 (?)が生じてしまい、次世代の幼虫たちが育っていないのかれしれません。あるいは、長雨で、十分な餌を確保できず、子育てに支障があったのかもしれません。その結果、「新しく・若々しい」働きバチが少なく、「年寄りの毛並みの悪い」働きバチが多くなり、また、巣には幼虫がおらず、そのため花粉を集める必要がなくなってしまったのではないでしょうか。
 もし、9月の調査で、マルハナバチが減っていれば、この仮説が正しい可能性が大きくなります。9月の調査が楽しみですが、怖くもあります。

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