乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

コケいろいろ

2018年12月24日 | モニタリング調査

今日はコケ観察を中心に行いました。名前が判らないコケばかりでしたが・・・しかも、全部を観察しつくすなんてこともできませんでした。

 

■№1コケ 草原

 

■№2 草原 オオカサゴケ 湿地でも見つかった。湿りけが好きなのかもしれない。地下茎でつながっていました。 草原で見つかったコケは以上2つだけです。

 

■№3コケ  森 木の幹

 

■№4コケ 森 倒木の表面にマット状になっています。

 

■№5 森   コスギゴケ

 

■№6コケ 森   木の幹 コケの枝先がクルリとカールしているところがかわいい。

 

■№7 森 地面の上・落ち葉の中 シッポゴケ   落ち葉の腐葉土の上を生えていました。

 

■№8 森 倒木の上 ホンシノブゴケ。つるを引っ張れば、「芋づる式」に取れると思ったら、途中で切れてしまいました。

 

■№9 森 ミズナラの生木の幹表面   ミノゴケ

 

■湿地1コケ   イタヤカエデ生木の幹

 

■湿地2コケ   岩の表面

 

■湿地3コケ

 

■湿地4  フロウソウ。  湿地1・2に比べマットの部分が厚い。それだけ地下茎が発達している・・・というか、地下茎の古い部分が枯れて、積み重なっている感じ。

 

■湿地5 ミズゴケsp. 他のコケ等に比べ、青白いので、とても目立つ。秋山弘之「苔の話」中公新書,2004には、「特に変わっているのは、体を構成する細胞に2種類あって、葉緑体を含む小さな緑色細胞と中身のない空っぽの大きな透明細胞があることです。空っぽの透明細胞には大量の水をため込むことができます」とあります。透明細胞の水分が凍ったため、このような色になっているのではないかと思いました。その証拠に、ピンセットではさむとポロポロと細かく砕けてしまいました。きっと中の水分が凍っていて、その氷が割れたのだと思います。湿地の西側のへり近くで見つけることができました。冬以外の季節ではここはぬかるんでいて歩けません。今は地面の中まで凍っているので、歩けます。だから、今まで見つけることができませんでした。遊歩道からだとまったく見えない場所です。 中には草丈が12㎝もの個体もありました。ミズゴケが地面を覆っているという感じはまったくなく、ところどころにあるだけでした。群生という感じはない。色といい、たたずまいといい、いい感じ。

 

帰りに焼山の湿地で見つけたミズゴケ群落です。

 

■湿地6コケ    ヒノキやスギの葉に似ている感じがします。ツンツンと「細長いタケノコ」のように地面から出てきているのが芽だと思います。

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12月の乙女高原連絡会議・乙女高原FC世話人会 議事録

2018年12月20日 | 世話人会

日 時:2018年12月20日(木) 午後7:30~9:00


 

■草刈りボランティア   (反省・連絡会議)

・団体受付名簿は、参加者の多い団体のみ作るようにする。

・トランシーバー係をしっかり決める。

・藁撒き係は、参加者の車でブロックされ、車が発進できなかった。田丸さんのパッカー車に同乗させてもらい、移動した。後半は田丸さんの厚意もあり、係なしで草を降ろしてもらった。

・森のコースへの草の敷き入れが少ないので、事前に行ってもらう人を決めてしまうといい。

・斜面上部の遊歩道には草が入れにくい(刈り払いは下から作業していくので、運ぶ草がない!という状況が長く続く)。斜面途中から上に刈っていただく人を決めるとよい。

・くまで(太い竹製)がもっとあると、作業がはかどる。

・ツツジコース上部の笹刈りが必要→遊歩道づくりの際に行ったらどうか?

・ロープのテープの色・・・青→草原  緑→ツツジ  赤→森

 

■第18回フォーラム   (検討・連絡会議)

・11月25日(日)に行った会場下見の報告。湯飲み茶碗が足りないかも→紙コップで対応

・会場両脇の展示スペース→乙女高原のコケ・サンプル、県の事業の紹介、市の観光パンフレット

・藤井さんの本、「乙女高原大百科」→受付にて

・係分担の決定・・・いくつか埋められなかった項目もあるので、順次、入れていきたい。

・プロジェクターは観光課で準備

・当日は、下の会議室、ホールともイベントがあるので、来場者が多い。駐車場は旧市役所跡地に

・お湯を確保したい→ポット・魔法瓶の用意

 

■来年度の活動計画素案   (検討・連絡会議)

・今年の活動計画を踏襲して作る。

・コケ観察会は5月のスミレ観察会と抱き合わせで行ったらどうか。

※マルハナバチ調べ隊第2回  誤6月29日(日)→正6月30日(日)

 

乙女高原ファンクラブ世話人会

 

■観察交流会(報告・世話人会)

・12/3  参加者4人  コケ観察を中心に行った(報告、山本さん)

 

■2018年度総会(検討・世話人会)

・座談会の話題提供者として、県内の自然保全活動団体の話を聞きたい(シオジの森、甘利山など)

・会計監査を竹居さん・駒田さんにお願いしたい。

 

○乙女高原フェロー   (検討・連絡会議)

 

そ の 他

・2019年2月2日(土)午後1時 、韮崎のニコリ 甘利山倶楽部総会にて植原が「小さな草原の大きな挑戦~乙女高原の生物多様性保全戦略」と題して話をする。

 

次回連絡会/世話人会 1019年2月7日(木)19:30~  牧丘総合会館

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2018年12月の自然観察交流会

2018年12月01日 | 乙女高原観察交流会

 

山本さんが文章と写真を提供してくださいました。

牧丘道の駅に集合したのは井上さん、岡崎さん、鈴木さんと私の4人、午後3時には戻ってきたいという合意のもとで、私の車1台で出かけることにしました。

 

 【ヤドリギ】

 

杣口林道の途中で車を止めて、まずはヤドリギの観察から。ここでは黄色い実と赤い実の両方を同時に見ることができます。赤い実はまだオレンジ色で、これから熟していくともう少し赤みが増してくるかと思います。鳥のレンジャク仲間が実をついばみに来るのを見てみたいとは思いますが、このあたりに渡って来る時期がわかりません。今年はじめに山中湖畔に見に行った時には1月下旬から2月上旬にかけてヒレンジャクが渡って来ていました。そこでは毎年大勢の鳥写真家たちが撮影待ちしていますので、見逃すことはないでしょう。

 

草刈り後の乙女高原は散髪終えた後のさっぱり感を感じました。昨年はネズミの巣探しをしましたが、来年の乙女高原フォーラムでの講演が藤井久子さんのコケの話でもあり、今年塚田さんが調査してくれたコケの名札を頼りにコケを観察しようと森のコースを歩くことにしました。

 

 【ハイゴケ】

 

さっそく草地にもコケがありました。花の時期だと誰にも気づかれずにいたと思いますが、草刈り後だと地面に青々としていて良く目立ちます。コケの名札がありました。ハイゴケです。ルーペを使って細部を観察します。そして井上さんが持ってきた図鑑を調べてくれます。日当たりの良い至るところで見られるポピュラーなコケで、葉先が鎌状に曲がっていて、乾くと枝が内向きにカールするのが特徴とあります。

 

 【シッポゴケ】

 

少し進んでミズナラの広場のあたりに行くといろいろコケが出てきます。地上のあちこちに見られるのはシッポゴケです。図鑑によるとこれもポピュラーなコケで、近縁種のオオシッポゴケやカモジゴケとの区別が初心者には難しいとあります。茎の長さがシッポゴケとカモジゴケは10㎝ほどと長く、オオシッポゴケが名前とは裏腹に5㎝ほどと短く、シッポゴケの仮根は白色で、オオシッポゴケとカモジゴケの仮根は褐色とあります。またシッポゴケとカモジゴケの葉は針状に細いが オオシッポゴケは葉先まで一定の幅があり、乾くとシッポゴケの葉は茎に直角に向きはバラバラで、オオシッポゴケやカモジゴケは同じ方向に鎌状に曲がると書かれていました。近縁種が出てきた時に見分けられるでしょうか。

 

   【ミノゴケ】

 

   【ヒムロゴケ】

 

    【コツボゴケ】

 

ミズナラの樹幹にも名札が付いています。ミノゴケとヒムロゴケでした。ミノゴケは茎が岩や樹幹を這い、1㎝ほどの枝をたくさん立ち上げ葉を密集させていて、葉は乾くと褐色がかり丸まって粒状になるとあります。またヒムロゴケは岩や樹幹を這う一次茎とそこから立ち上がった二次茎があり、一次茎には小さな葉が鱗状に付き、二次茎には樹状に枝や葉を伸ばしていて、乾くと二次茎がカールするので羽毛のように見えると図鑑に書かれていました。幹の地際近くにもう1種、コツボゴケもありました。胞子体の朔が提灯タイプで、直立茎と匍匐茎を併せ持ち長く伸びて先端に子株を作って群落を形成するツルチョウチンゴケの仲間で、葉の上半部に鋸歯があり葉先が鋭頭なのが特徴です。近縁種のツボゴケと専門家でも見分けが困難とありますが、ツボゴケは雌雄同株でコツボゴケは雌雄異株なので、造卵器と造精器が作られる時期に観察すれば判別できるかもしれません。同定するには時期を変えて何度も足を運ぶ必要があり、観察交流会の度ごとに観察を繰り返すことになりそうです。

 

樹幹や足元のあちこちにコケがあって、これは何々、あれは何々と、同じものか違うものか観察していると先になかなか進みません。

 

     【ヒノキゴケ】

 

   【ナミガタタチゴケ】

 

   【ハミズゴケ】

 

少し上がった木陰の林床にはさらにコケも多く見られ、新しい名札が何種類かありました。まずはヒノキゴケですが、ヒロハヒノキゴケという近縁種もあるようで、見分けるには朔柄が茎の途中から出ていればヒノキゴケで、茎の基部からだとヒロハヒノキゴケとのこと、コケの同定には胞子体を観察することも必要になります。続いてナミガタタチゴケです。スギゴケ科の1種で、葉は波打つような横ジワがあり乾くと縮れ、朔は細長く、他のスギゴケ科の仲間にある朔帽の毛がこのコケにはないのが特徴です。そしてコケのようには見えないハミズゴケがありました。これもスギゴケの仲間ですがまったく似ていません。配偶体としての葉が退化してほとんど見えない、だから“葉見ず苔”で、長い朔柄をもった胞子体でコケとわかります。胞子体の下で藻類のような青黒としたマット状のものは原糸体で、発達しない配偶体の代わりに光合成をしていると図鑑に書かれていました。

 

  【トヤマシノブゴケ】

 

   【カモジゴケ】

 

  【コセイタカスギゴケ】

 

   【コスギゴケ】

 

シダ植物を小さくしたようなといったトヤマシノブゴケ、それにシッポゴケと見分けが難しいと書かれていたカモジゴケがありました。カモジゴケの特徴を見分けるために細部を観察します。見分けられるようになるには何度も何度も観察する必要がありそうです。スギゴケ仲間のコセイタカスギゴケとコスギゴケもありました。コセイタカスギゴケの葉は鋸歯があり幅があるのが特徴で、コスギゴケの葉にも鋸歯があり乾燥すると不規則に縮むのが特徴とありました。

 

 

 

 

地面にかがみこんで観察していると体が冷え、手がかじかんできます。林床だけでなく樹幹上にもコケや地衣類が付いています。花の観察と違って同定作業に時間がかかります。今日は皆さんコケに夢中で、刈り残されたマルバダケブキの果実が今日は振り向いてもらえません。

 

  【オオカサゴケ】

 

いつもだと立ち寄る富士山展望地には寄らず、草原コースを下ります。遊歩道脇にあったはずのオオカサゴケの名札がありません。刈り払われて無くなってしまったかと思いましたが、ありました。塚田さんが新しく付けてくれていました。

すでに12時を過ぎてしまっています。雲がかかると風も強く寒いです。ロッジ入口で風をよけながら昼食をとりました。

 

  【フロウソウ】

 

 

 

  【クリンソウ】

 

昼食をとり終えた後は車で下の草原脇の駐車場まで移動し、湿地帯のコケ観察もしてみました。水辺にあったのはフロウソウでしょうか。何々ゴケとは呼ばれないコケの1種です。他にも岩に張り付いたコケたちがありました。クリンソウも果実から黒いタネをこぼれ出していましたが、観察対象からは外れて関心を持たれず、いつもは主役のヤチボウズも今日は寂しげでした。

 

焼山峠まで下っていくと、まだ少し時間があるので琴川ダム展望台の方へと回ってみようということになりました。展望台からは金峰山が良く見えていました。いつもとは反対側から見下ろす琴川ダムも新鮮でした。

 

  【イケマ】

 

  【ツルウメモドキ】

 

焼山峠へと戻る途中で、このあたりにクロウメモドキの黒い実があったはずという場所で車を降りて探してみました。数個の実が枝に残っていました。また近くにはイケマの果実がたくさん付いていて、裂けて飛び出たタネの羽が日の光を浴びて輝いていました。ツルウメモドキの実も残っていました。オニツルウメモドキかもしれません。ツルウメモドキの葉は両面とも毛が無く、オニツルウメモドキの葉裏の葉脈上には毛があるということですが、残念ながらすでに葉は落ちてしまっていてわかりません。来年の課題にしておきましょう。

 

  【カンボク】

 

焼山峠の近くまで戻ったところで同乗者から「あの赤い実は何?」と声がかかり、カンボクの実ではないだろうか、そうであれば見てみたいと車をとめて降りてみました。ルビーのようなカンボクの赤い実がまとまって日に輝いていてきれいでした。

花のない時期でしたが、塚田さんが付けてくれた名札のお陰でコケ観察をして乙女高原を楽しむことができたことに感謝です。来年度のイベントの一つとしてコケ観察会を加えてもらってもいいのではないでしょうか。

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