乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

2020年12月の乙女高原自然観察交流会

2020年12月05日 | 乙女高原観察交流会

※参加された鈴木さんがレポートを書いてくださいました。

 12月5日、今年最後の自然観察会交流会が行われました。参加者は4名。コロナ第3波に見舞われる中なので、牧丘の道の駅に集合した後は各自の車で高原へ向かうこととしました。
 最初にヤマアカガエルの産卵調査を行っている通称カエル池に立ち寄りました。例年であればそろそろ氷が張り始める時期ですが、今年は水が全くありません。そういえば夏にこの場所でボーリング調査をしていたようです。その影響なのでしょうか?

 周りを見回すと本来この辺りには生息しないヨシの仲間や水辺を好むトチノキが生えていること・水脈の痕などがあることから以前は豊富に水があった場所であったことが伺われます。水がなくなった原因はわかりませんが、いずれにしてもヤマアカガエルの産卵にどのような影響を及ぼすかが心配です。

 次に、杣口林道のサワラ林付近で途中下車です。ここは昨年カメバヒキオコシの氷華が見られた場所です。今頃の季節、ほとんどの草花は枯れてしまいますが根はまだ働いていて水分を茎の上まで吸い上げています。気温が氷点下になると吸い上げられた水分が凍って茎を破り氷の華のように見えます。この現象を氷華と呼んでいます。キク科やシソ科の植物によく見られるようです。今年は暖かい日が続いているせいか白い氷の華を見ることはできませんでしたが、代わりにイタヤカエデやウリハダカエデの赤い冬芽がきれいでした。

 続いて焼山峠から小楢山林道に入った途中で車を止めました。昨年はこの辺りでも何種類かの氷華がありましたが、今年は見ることはできませんでした。

ここでは天然のドライフラワーと化したノコンギク・ゴマナ・シシウド・コウゾリナ・アケボノソウなどを観察しました。夏の様子を思い出しながら葉の形や出方などいろいろ見るのですが、同定できない種も少なくありません。

 

また、この時期定番なのは冬芽の観察です。アブラチャンは尖った水滴形の葉芽の両脇にまん丸い花芽がついています。ヤマハンノキやツノハシバミは、雄花ははっきりわかるのですが雌花はまだ小さくてよくわかりません。暖かくなって冬芽が膨らむのが今から待ち遠しい気分です。

 いろいろ寄り道をしていると、いつものことながら乙女高原到着はお昼過ぎになっていました。昼食の時に枯れ草姿の図鑑がないことが話題になり、ドライフラワーの乙女高原フィールドガイドがあるといいなという話になりました。ぜひとも作ってみたいですね。
 昼食を食べてからは高原内の散策です。いつもは森のコースを通るのですが、草刈りが終わり歩道のロープも取り外されているため斜面を自由に登っていくことができます。オケラやハンゴンソウ・ハバヤマボクチ・フシグロセンノウ・シラヤマギク・マルバダケブキなどたくさんのドライフラワーを楽しみました。

ロープがないので遊歩道から少し離れたところにクモキリソウの群生を見つけることができました。夏には見えない場所での発見です。草刈りのおかげで幼木の冬芽も良く目立ちます。オオカメノキ・ハリギリ・ヤマウルシ・ホオノキの冬芽はどれも個性的です。シラカバ林の中では数羽のコゲラとゴジュウカラが群れていました。そういえばこの日はあまり鳥を見ていないことに気づきました。近年鳥の数が減ってきているように感じます。<br>
 その後も枯れ草のオブジェを楽しみながら進んでいくと、ツツジのコースでわずかに残ったツルウメモドキの実が高原に彩りを添えていました。少し地味な季節ですが、自然のいろいろな姿を見ることができて楽しい1日を過ごすことができました。

 新型コロナの影響で様々なイベントが中止や縮小になっていますが、今後も変わることなく観察を続けながら乙女高原の保護に取り組んでいきたいものです。

コメント
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