乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

案内人の夏の活動

2021年07月31日 | 乙女高原案内人

角田さんが活動レポートを書いてくださいました。

7月31日は、10時から15時20分まで家内、渡辺さん、井上さんと私で案内人
をやりました。

団体20名様が乙女高原を訪れて下さいました。
11時30分頃から13時頃まで2班に分かれて頂き、1班(10名)は渡辺さんが案内、
2班(10名)は井上さんが案内して、森のコースから草原のコース、つつじのコース
と案内して頂きました。(出発前に雨具を用意して下さいとお願いしてからの出発)。

後少しで案内が終了時、雨にみなさん降られてしまい大人数だったので、1班は東家で昼食。2班はロッジを開放して中で食べて頂きました。昼食が終わる頃には雨が上がり晴れ間が見えて来ました。お見えになったみなさんが大変案内が良く喜んで下さり、引率の方からもお褒めの言葉を頂きました。

私、家内は案内の席で待機しておりました。待機中は4組の方が来ましたが、2組
は昼食のみで後、2組は家族で来て、高原内を散策して帰りました。

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入笠山の花畑と湿原

2021年07月25日 | 参加報告

 乙女高原を訪れた方から、よく「入笠山も(花がたくさんで)よかったですよ」といった話を聞いていたので、一度は行ってみたかったのですが、コロナ禍でなかなか機会が作れません。ところが、このところ山梨も長野の感染状況が落ち着いているようなので、今年こそは夏の花の時期に行ってみることにしました。
 7月25日に決行しました。入笠山は、冬季、富士見パノラマスキー場となり、ゴンドラが設置されていますので、頂上近くまでゴンドラで行くこともできるのですが、登山の道すがらでも自然観察したかったので、ふもとの登山道入り口駐車場に車を止めて、歩いて登ることにしました。自宅から沢入登山口まで、中央道経由で1時間半くらいでした。ここから上はマイカー規制区間になっていました。

 山道を登るにつれ、アカマツ林からカラマツ林へと替わっていきました。両者ともよく手入れされ、林床は基本的にミヤコザサ。最近は乙女高原のミヤコザサはシカに食べられてしまい、みすぼらしい感じなので、久しぶりに立派なミヤコザサを見た感じです。乙女のササはひざ以下、ここのササは腰以上です。

ササにモミジイチゴなどが混ざっていました。足元から上へと視線を上げていくと、ミヤコザサからいきなりアカマツやカラマツになります。中間の亜高木層を欠いているので、とてもすけすけしている感じがします。だから、森の中にも関わらず、さっきからホオジロの声が響いているのだと思います。ホオジロは疎林が好きな鳥です。ウグイスもよく鳴いていますが、うっそうとした笹原のおかげだと思います。道にテンの糞を3つ、見つけました。中に小さな種がたくさん入っていました。木いちごの種だと思います。

【入笠湿原】1時間ほど歩くと、シカ柵が見えてきました。漁網のようなシカ柵です。ゲートは乙女のような「開き戸」ではなく「引き戸」になっていました。

ドアを開いて入ると、自動的にドアが閉まるようになっていました。中は入笠湿原でした。たくさんの花が咲き乱れています。

シシウド、カラマツソウ、ヨツバヒヨドリ、クガイソウ、ヤナギラン、ノアザミなど、乙女高原でもおなじみの花から、カワラマツバ、コバギボウシ、ノハナショウブなど、乙女ではお目にかかれない花もありました。この湿原は広さが2ヘクタール弱だそうです。斜面を登るとだんだん狭くなる三角形をしていて、不自然だなあと感じました。近くの山小屋・山彦荘の方に話を聞くと「以前はスキー場だった」とのこと。だから、森の木が直線的に伐られていたのです。「斜面の下はキャンプ場だったんですよ」とも。時代の流れを感じます。

 

【入笠花畑】ここから、入笠山山頂を目指します。「入笠花畑」経由です。入笠湿原と同じく、花畑もシカ柵の中でした。

ここもあふれるばかりの花々。草原の斜面を、ジグザグに登っていきます。乙女のシモツケソウは花の色がバラエティに富んでいて、ほとんど白から赤に近いピンクまでありますが、ここのシモツケソウは見事なまでにまっかっかでした。

入笠湿原で見られた草花はもちろん、アサマフウロやチダケサシ、オトギリソウ、カワラナデシコなども咲いていました。ヤナギランの葉にスズメガの仲間が止まって…これは、あきからに卵を産んでいる行動だったので、彼女が去った後、そっと葉をひっくり返して、卵を確認しました。

シロバナノヘビイチゴの赤い実がおいしそうだったので、一つ失敬。おっとこれは秘密です。
 シカ柵ゲートを出て、山頂を目指しました。岩場コースと迂回コースがあったので、迷わず岩場コースを選択。でも、とってもショボイ岩場でした。山頂は裸地で、岩がごろごろしていました。四方の眺めは最高です。

諏訪湖も伊那の街並みも見えました。夏空にいくつかパラグライダーが気持ちよさそうです。あいにく八ヶ岳や富士山、南アルプスはほとんど雲に隠れていました。たくさんのアキアカネが飛んでいました。ここで少し休憩し、来た時とは別の道を下り、次の目的地・大阿原湿原を目指しました。ここでもカラマツとミヤコザサの中を道は伸びていました。クリンソウやサワギクの姿が現れ、湿原が近いことを教えてくれました。

【大阿原湿原】何も表示はありませんでしたが、湿原に着きました。教室一つ分のウッドデッキがあり、そこから木道が湿原の中を通っていました。

湿原の中に木が生えています。双眼鏡で確かめましたが、シラカバやズミ、カラマツ、ヤナギ類といったところです。さっそく歩き始めました。
 おっ、足元に小さな小さな白い花…と思ったら、モウセンゴケの花でした。

さっそくパピリオ双眼鏡で拡大して観察です。葉が平たいはんぺんのように膨らみ、細長いとげがたくさん生えています。とげの先には透明な水玉が一つずつ。とてもきれいに輝いていました。虫でも捕まっていないかなと探しましたが、見つけることはできませんでした。試しに水玉に指を近づけてみたら、くっついて離れなくなりました(撮った写真を後で確かめたら、虫が捕まっている写真が偶然撮れていました)。

 12ヘクタールの湿原の縁に沿うように遊歩道が敷かれてあり、それを一周しました。途中で会った男の子が「まるでアフリカのサバンナみたいだね」と話をしているのが聞こえました。確かに「草原の中にポツンポツンと木が生えている」景観はサバンナみたいです。おまけに木々は日光を独り占めできる状況にも関わらず、根本近くには枝がなく、地上2メートルくらいのところから枝が出て葉が茂っていました。その様子がますますサバンナぽかったです。

 あ、報告が遅れましたが、入笠湿原にも大阿原湿原にも谷地坊主はありませんでした。「入笠山に谷地坊主はあるか?」これが今回の登山の大きな目的の一つでした。
 遊歩道に沿って杭が打たれ、ロープが張ってあるのは乙女と同じでした。杭とロープの結節も、「穴にロープを通す」なんてことではなく、とっくり結びでした。これも乙女と同じです。ただロープが上と下の2本張られているのが違いました。また、とっくり結びと言いましたが、時々、ただぐるっと杭を一回転してあるだけだったり、とっくり結びではない(いい加減な)結び方がしてあったりしたので、笑ってしまいました。ロープ等に自然や植物を解説ひるような看板は一つもありませんでした。

 湿原を一周して、最初のウッドデッキに到着。そこからちょっと森に入ったところで昼ご飯にしました。靴をぬいで、少しくつろぎました。近くのウラジロモミの幹に立派なシカの角研ぎ跡がありました。

食後は帰りに向かいましたが、できるだけ午前とは違う道を選びました。カラマツにたくさんの長いサルオガセがついていました。


 乙女のサワギクはとてもか弱い感じですが、ここのサワギクは大きくて、とても元気です。午前には通らなかった八ヶ岳がよく見える展望台と、再度入笠花畑を通って、マナスル山荘に到着。屋根に天体望遠鏡の入ったドームが付いている山小屋です。ここでソフトクリームを食べました。


 再度、入笠湿原を歩いて、ゴンドラの山頂駅まで行きました。ここで入笠山のガイドブックが売ってたら買いたいなと思ったのですが、そんなものを売っている気配はありませんでした。ゴンドラからマウンテンバイクを持った人がたくさん降りてきて、びっくりしました。ちっちゃな子も一人前にヘルメットやひざ当て・ひじ当てをしています。ここから専用のコースを下るのだそうです。駅前にも山野草園があり、ここには植物解説板もあったので、一周して見学しました。

※ギンボシヒョウモン?に求愛しているツマグロヒョウモン。誤解してる?

そこからまた入笠湿原に戻り、3度目の湿原観察を楽しみました。エゾリンドウの株がたくさんありました。開花期はさぞきれいだろうと思います。


 登山道を無事に降りました。車でゴンドラの麓駅にも寄ったのですが、ここにもガイドブックはなし。仕方がないので、帰路に着きました。

 今回、初めてヤマケイの登山スケジュール作りアプリを使って、スケジュールを立てて見ました。それでおおよそのコースタイムが予測できたので、時間をうまく調節しながら、見たいところを全部、余裕を持って、歩くことができました。このアプリは結構便利です。おかげさまで充実した山の自然観察行となりました。

 結論。乙女高原には乙女高原の、入笠山には入笠山の、ステキでかけがえのない自然があり、甲乙つけようとするのはナンセンス!!

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遊歩道の草刈り

2021年07月24日 | 遊歩道作り

 7月24日、乙女高原ファンクラブ世話人を中心に7名が集まって、遊歩道の草刈りを行いました。三枝さん、角田敏さん、角田晴さん、芳賀さん、渡辺さん、小林秀さん、植原の7名です。
 夏草の成長って、ものすごいですよね。こんなにどんどん伸びるのだから、アフリカのサバンナでは「(森ではなく)草っ原に大きな草食獣がたくさんいる」という状況が生れているのですが(食べられても食べられても草は生長するので)、乙女高原の夏は遊歩道を歩けないくらい草が茂るので大変です。今までは、草の様子に気づいた方が自主的に遊歩道の草を刈ってくださっていましたが、今年度(から)は「ファンクラブの活動の一つとして夏の遊歩道の草刈りを行う」と、世話人会で決まりましたので、計画しました。


 草刈り機を使った作業は危険を伴うので、普通のボランティア活動保険が利きません。それで、草刈り機作業でも入れる保険に加入しました。熱中症が心配なので、ペットボトルのお茶と、塩分補給用のタブレット(食べてみたら、「大きなラムネ菓子」といった感じでした)を買っておきました。念のため当日の救急医を調べようとネット検索しましたが、4連休の3日目である24日の分だけ載っていません!…考えてみたら、この日は土曜日。医療機関は基本的に「やっている」日でした。

 当日朝、集合時刻より1時間ほど早く到着し、倉庫から軍手、かま、ヘルメット、ゴーグル、ペットボトルホルダー、救急セットなどを出し、参加者がいつ来てもいいようにしました。


 びっくりしたのは倉庫の中です。すごくスカスカしているので「?」だったのですが、上を見上げて「!」になりました。熊手が30本ばかりしまってあるのですが、それらが全部、前後に差し渡された角材(まるで梁のようでした)に挟まれ、きれいに整頓されていたのです。「こんなことができるのは、そして、やってくれるのは、あの人しかいない!」と思い、三枝さんに確かめたら、やっぱりそうでした。雨宮さんが整頓しやすいようにと、事前に物置をリホームしてくださったのでした。雨宮さん、ありがとうございました。

 さて、参加者が来ては受け付けをしていただき、お茶等を配って、資料で草刈場所を確認していただき、それぞれ作業を始めていただきました。草刈り機は合計4台になりました。
 2週間前にファンクラブ備品として購入した充電式草刈り機の試運転で、2日・計2時間ほど草刈りをしておいたので、それ以外の箇所を草刈りしていただきました。林道の両脇や駐車場の草も刈っておきました。とても歩きやすくなりましたよ。でも、所々、遊歩道の中なのに刈ってない草があります。刈り損ねた…のでなく、作業された方の「ああ、この草、残しておきたいなあ」という思いが伝わってきます。草原を歩くときには、そんな思いにも触れてください。

 午前中に作業が終了したので、お昼をゆっくり食べて解散しました。角田さんが「ウチで採れたから」とたくさん持ってきてくださったモモやスモモがとてもおいしかったです。

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谷地坊主の身体検査

2021年07月11日 | 観察会

7月3日に予定していた「谷地坊主の観察会」が雨天中止になってしまったので、毎年行っている「谷地坊主の身体検査」を7月11日に行いました。

天然記念物に指定されているところとは違う湿地で、調査用の谷地坊主5つを選び、タグをつけています。2016年から、この5つの谷地坊主の大きさを年に一度、計測して記録しています。本来ならば「谷地坊主の観察会」の一環としておこけなう予定だったのですが、雨のために中止となってしまいましたので、今日、一人で行うことにしました。


 使うのは園芸用のポール4本と2mまで測れる折り尺、それに記録用紙です。
 番号の書かれたタグの付いた谷地坊主を見つけ、まずは写真に撮り、スケッチします。


 そしたら、葉が一番広がっているのはどこかを見極め、葉が自然な状態で広がっている一番外にポールを刺し、その反対側の一番外にもポールを刺します。2本のポールを結んだ線と直角になるような線をイメージし、その両側の一番外側にもポールを刺します。この2つの線の長さを測れば、この谷地坊主の「なわばりのたてとよこの幅」がわかります。
 次に葉が一番高くなっているところの高さを測ります。


 今度は谷地坊主本体(頭に当たる部分)の幅と高さを同じようにして測ります。
 最後に、どんな植物が生えているか、どんな生き物がいるかを調べて記録します。
 これで、一つの谷地坊主の「身体検査」が終了です。次の谷地坊主を同じようにして「検査」していきます。


 7年目の調査になりますが、毎年の「変動」が大きく、「谷地坊主がこのように成長している」と確実に言えないのが現状です。とはいえ、おもしろいことも経験しました。流れの中に「半島」のようにあった№5の谷地坊主が途中崩れてしまい、行方不明になってしまったのです(正確にいうと、№5のタグが行方不明になってしまい、どれが№5谷地坊主か分からなくなってしまった。もしかすると、流されてしまったかもしれない。流れの中に残っているのがそれらしいので、一応、それを№5?として継続記録している)。

 調査の途中、カラマツ林の地面でミヤマカラマツやイチヤクソウのかわいい花を見ることができました。

この谷、少し下ると、傾斜が急になり、谷地坊主は見られなくなります。

 

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