乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

マルハナバチ調べ隊~初夏編

2019年06月30日 | マルハナバチ調べ隊

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

  本年度、第1回目のマルハナバチ調べが6月30日に行われました。当日の天気予報は雨ときどき曇り。雨が降ればマルハナバチは飛ばないので、誰も来ないかもしれないけれど、何か見られるだろうと思い、出かけました。

 草原に着くと、植原さんが草原の中を歩いて下見をしていました。雨はやんでいました。しばらくすると、子どもも含めてなんと11人が集合。草もぬれていて、マルハナバチも飛んでいないし、いつ雨が降り出すかわからないので、いつもの調査はやめて、カッパを着たり、傘をもって、とりあえず草原を歩いてみることになりました。

  植原さんを先頭に3人の子どもたち、そしておとなが続いて、観察しながら歩きました。草原にはアヤメがたくさん咲いていて、きれいです。キンポウゲやオオヤマフスマも遊歩道沿いに咲いていました。レンゲツツジはほぼ終盤でしたが、きれいに咲いているものもあります。そして思いがけず、いろいろな虫が見られました。子どもたちがいろいろ発見して、にぎやかに歩いています。

 そして、マルハナバチも見ることができたようです。コマルハナバチ、トラマルハナバチ、ミヤママルハナバチの3種類です。私は後ろからくっついて行ったので、残念ながらコマルハナバチを見ることはできませんでしたが、駐車場近くのアヤメがたくさん咲いている所でマルハナバチが飛んでいて、トラとミヤマの2頭を見ることができました。この観察会では、合わせて9頭見ることができたようです。マルハナバチを見ることはできないだろうと思っていたので、少しでも出て来てくれてよかったです。

 また、クジャクチョウもいました。葉の上に止まってじっとしています。まだ新鮮な美しい姿です。温度が低いので動けなかったのかもしれませんが、私たちはじっくり観察したり、写真を撮ったりできました。

 草原を一周して、ロッジ前に戻ってきたら、雨が強く降り出しました。観察中はなんとか天気がもってくれてよかったです。ロッジに入って昼食にしました。今年初の桃やスモモをいただきました。おいしかったです。

 私は近くに座った人たちと、今日見た虫を、図鑑を見ながら確認しました。上記の虫以外に、ヒメシロコブゾウムシ、ウバタマコメツキ、ヤマキマダラヒカゲ、ジョウカイボン、エゾアオカメムシ、ブチヒカゲカメムシ、ヤマトシリアゲ、クビナガムシ、ヒメツチハンミョウが確認できました。この他にも名前のわからない虫がたくさんいました。この時期はほんとうに虫が多いと思います。今年は通称ゾンビバッタと呼んでいる草に止まった状態で死んでいるバッタも何匹か見つけました。何かの菌の影響という話も聞きますが、不思議です。

 キビタキ、ウグイス、カッコウ、ホトトギスなどの鳴き声もします。鳥たちも虫がたくさんいるこの時期に子育てをしています。改めて乙女高原は多様な生き物を育んでいるのだと感じました。

 昼食後、この日の観察会は終了解散となりました。ここで帰る人たちもいましたが、数名は午後も観察をしました。雨はやんで、森のコース入口のニシキウツギにマルハナバチが来ていました。この木の花は受粉が終わると白い色からピンク色になるそうです。マルハナバチに活躍してもらっている花のようです。登っていくうちに晴れ間も見えてきました。森のコースには ギンリョウソウがたくさん咲いています。草原のコースとの出会い近くには群生している所もあり、思わず「すごい。」と声がでるほどでした。またエゾノタチツボスミレの花にハエの仲間が止まって花粉をなめているのを見かけました。スミレの受粉に一役かっているのでしょうか。展望台近くには立派なササバギンランも咲いていました。ツツジのコースに出会う手前の森の中には、イチヤクソウがたくさん花芽を付けています。咲くのが楽しみです。

 歩いているうちに雨がまた降って来たので、早めにきりあげて帰途につきました。いつものマルハナバチ調べはできませんでしたが、たくさんのアヤメやいろいろな虫を見ることができて、楽しい観察会でした。

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街の駅展18「乙女高原のチョウ」

2019年06月09日 | 街の駅・乙女高原展

乙女高原を含む奥秩父エリアが「甲武信エコパーク」として登録するよう勧告がなされたという報道がありました。

それによると、推薦理由の一つとして「日本国内で観測される320種類のチョウのうち、24種の絶滅危惧種を含む126種類のチョウが観測されている」ことがあるそうです。

そこで、わが乙女高原に、どんなチョウがいるのか、改めて過去の写真をほじくり返して、写真パネルを作ってみました。

お近くに来たおりには、ぜひお立ち寄りください。

さて、チョウの棲息については、疑問もあります。

「126/320」という数字をどう評価すればいいのか? すごい数字なのか? そうでもないのか? たとえば、すでにエコパークに登録している南アルプスは、320分のいくつなのか?

また、「126」というのがいつの時点でのデータなのか?(もしかして、一昔前のデータを使ってないか? 現在もモニタリング調査しているのか? 今はもっと減っているのではないか?

 

なお、パネル裏面は、観察会の案内と、マルハナバチのミニ展示です。

 

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黄色いスミレ・ハイキング

2019年06月01日 | 観察会

※井上さんがレポートを書いてくださいました。

 6月の観察交流会は1日(土)、乙女高原を離れて、黄色いスミレ(キバナノコマノツメ)の観察会でした。集合場所の牧丘の道に駅に集まったのは12名。4台の車に分乗して、この日にゲートが開いたばかりの大弛峠へ向かう林道を鶏冠山林道入口まで行き、そこから鶏冠山西林道を歩いて観察です。
 林道入口では、晴れてはいるものの空気はひんやりして爽やかです。道端にはタチツボスミレが咲いていました。ウグイスやカッコウ、カラ類などのさえずりが聞こえてくる道を、ゆっくり観察しながら歩きました。カラマツの新緑と青空がとてもきれいで、気持ちがよかったです。歩き始めてすぐ、ミヤマハンショウヅルの大きな株がありました。まだ咲いていませんでしたが、えんじ色の丸いボール状のつぼみがいくつもあって可愛かったです。しばらく歩いていくと、昨年まで気づかなかった所にツバメオモトが咲いていました。いくつもの株がありました。白いかわいい花です。さらにしばらく歩くと、白いクリンソウも道端に咲き始めていました。

 


 ヒロハツリバナ、エゾノコリンゴ、ハウチワカエデ、オオカメノキなど木の花も咲いていましたが、昨年に比べるとまだ咲いてないものが多かったです。さらに登っていくと道端にミヤマスミレ、コミヤマカタバミ、ミヤマハコベなども見られるようになりました。 苔むしてシダのしげる針葉樹林の亜高山帯に入ると、メボソムシクイなどのさえずりもよく聞こえ、針葉樹のよい香りもしてきます。昨年咲いていたオサバグサはまだつぼみでした。バイカオウレンやコセリバオウレンは咲き終わって種になっていましたが、かろうじて花が残ったものも見ることができました。

 


 今回は植物に詳しい方が参加されていて、タカネザクラの特徴を教えてもらいました。この道にある桜の木はタカネザクラが多いようです。もう咲き終わっていましたが、かろうじて花の残ったものもあり、花や葉の特徴を見ることができました。また、ネコノメソウの特徴についても盛り上がりました。
 この道では、イワネコノメ、ツルネコノメがありました。コケもいろいろな種類がありそうです。タマゴケの丸い目玉のような蒴(サク)がかわいらしいです。また小さな流れがある場所にきれいな黄緑色の丸い蒴のついたコケがありました。サワゴケでしょうか。美しかったです。サクラスミレ、フデリンドウも道端にひっそりさいていました。

 

 そして、正午過ぎに目的の黄色いスミレ、キバナノコマノツメが咲く小さな沢にやってきました。たくさんのキバナノコマノツメが咲いています。時期としてはちょうどよかったようで、きれいに咲いていました。ここで、花をながめながら、昼食にしました。この場所は標高、2000m弱(渡邊さんが調べてくれました)、南側が開けていて、富士山も遠く雲の上に見えます。近くの木々は新緑が美しくダケカンバも芽吹き始めていましたが、少し先に見える山の斜面のダケカンバは芽吹き前らしく白い幹が目立ちます。黒っぽい針葉樹と白いダケカンバの山でした。話題になったタカネザクラもここではまだ咲いていました。赤い葉や濃い花の色が目立ち、きれいでした。

 


 昼食後はそれぞれ写真を撮ったり、花を観察したりして、帰路につきました。行きもゆっくりでしたが、帰りもまたあちこちで止まりながら、下っていきました。途中、モミの木の枝にまるでヤドリギのようなものがついているのを発見。よく見ると枝から新しい芽がたくさん出ています。同じ木だと思うのですが、新芽の形が少し違っていて、何だろうとみんなで観察しました。また行きにはあまり目につかなかったミツバツチグリの黄色い花がたくさん咲いていたり、少し高いところにあるコヨウラクツツジなどにも気づきました。同じ道の往復ですが、登りと下りでは目線が違うので、違った気づきがあります。

 ほぼ予定の3時過ぎに駐車場所に戻り、参加者に感想を書いていただき、解散となりました。でも、皆、シロバナサクラスミレが気になるようで乙女高原へ向かいました。焼山峠手前の林道沿いに、ミヤマザクラとウワミズザクラが並んで咲いていたので、また観察をしました。乙女高原では、シロバナサクラスミレは1株でしたが、3輪の花が、豪華に咲いています。つぼみのものも1株ありました。サクラスミレもきれいなものがたくさん咲いていました。
 黄色いスミレの観察会は今年で4回目ですが、毎年同じではなく、年によって少しずつ違うものも見られ、おもしろいです。参加者のいろいろな知識や多くの目での発見もあり、今回もとても楽しい観察会でした。

 

○参加者の感想
・はじめてスミレ観察会に参加しました。天気もよく、すがすがしい風が吹き、楽しい一日を過ごしました。また参加したいです。
・キバナノコマノツメがたくさん咲いているのがすばらしい。花も咲き始めで、色が濃くて生き生きしていた。他の花も季節によっていろいろありそうで、何回でも歩きたい道です。久しぶりにツバメオモトのかわいらしい花が見られてよかった。
・スミレ4種(タチツボスミレ、ミヤマスミレ、サクラスミレ、キバナノコマノツメ)をたくさん見られ、ぜいたくな一日でした。その他、モミジの仲間も沢山あり、秋の紅葉もすばらしいでしょう。ネコノメソウの仲間、2種類(ツルネコノメ、イワネコノメ)もはじめて教えていただき、ありがとうございました。
 季節を変えてまた企画して下さい。
・キバナノコマノツメの群生地が素晴らしかったです。ミヤマハンショウヅルやシロバナクリンソウ等、沢に咲く花も。
ツバメオモトの白い花、フデリンドウ、コミヤマカタバミが帰り道に花が開いていて、とてもきれいに写真が撮れました。

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