乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

「花と昆虫のリンク」調査2022-1

2022年05月28日 | モニタリング調査

「花と昆虫のリンク」調査の今年度第1回を5月28日(土) に行いました。指導してくださる高槻さんを含め6名が集まり、レンゲツツジがちょっぴり咲き始めた乙女高原で「花を訪れている昆虫を数える」調査を行いました。暑かったけれど、とても充実した楽しい調査でした。

 まず、高槻さんから調査の方法を説明していただきました。写真は、巻き尺を延ばして調査すること、折り尺を伸ばして2mの感覚をつかむことを説明しています。

 その後、担当する遊歩道を決め、それぞれ調査を始めました。花に昆虫が来ていたら、それを1単位(1リンク)として記録していくという、ある意味、単純な調査です。でも・・・全部記録するのはとっても大変。

午後からは、10mおきに1m四方のコドラートを作って、その様子を写真に撮りました。

 「自分たちにとって大切な自然を、自分たちで調査して、その特性を理解し、保全の方法を考える」というのは環境保全・自然保護にとって、とても大事な態度だと思います。そして、こんなにかけがえのない体験を、ぜひ高校生や大学生といった若い人たちにしてもらいたいなと思いました。遊歩道作りにも数人の高校生が参加してくれましたので、ニーズはあると思っているのですが、いかんせん、若い人たちとのつながりがありませんし、若者たちが自分たちで来るには乙女高原は遠すぎます。若い人たちに参加してもらう手立て、こういった情報を若い人に届ける手段はないでしょうか。


 【今後の調査予定日】
 第2回 6月18(土)、予備日 19(日)
 第3回 7月3(日)、予備日9(土)

 【調査時間】
 いずれも9:40ころから15:00ころまで。弁当・水筒・時計・できたらカメラ持参。

※昨年度の調査結果 (2-5ページをお読みください)
  http://fruits.jp/~otomefc/newsletter2103.pdf

 

なお、指導にあたった高槻さんが調査の様子、調査の結果をたいへんわかりやすくブログにまとめてくださっています。必見です。

高槻さんがご自分のブログにアップ

 

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スミレ観察会2022その2

2022年05月22日 | 観察会

5月22日(日)、今年度2回目となるスミレ観察会が行われました。参加された渡辺さんがレポートを書いてくださいました。以下に掲載します。

また、角田さんが当日の様子をユーチューブにアップくださっています。

 → https://www.youtube.com/watch?v=5JWXHdJNHiQ

 本日はスミレ観察会の2回目です。集合時間の10時にグリーンロッジの駐車場に集まったのは14名でした。先週に実施した1回目から1週間しか経過していないので、見られるスミレの種類に大きな変化は見られないでしょう。そこで今回は種ごとの生育環境などを少し深掘りして観察することにしました。

 

 始めにリーダーの井上さんからスミレの種類や構造、集まる虫たち、生存戦略についてレクチャーを聞きました。話だけではなかなかピンとこないと思いますが、そこは観察会で実際に見たり聞いたりすることで理解を深めてもらうことにしました。

 森のコースから富士山の展望地に向けて進みます。草原の当たりの良い場所ではサクラスミレがたくさん咲いていました。しかし花のピークは過ぎたようで先週よりも花の色が薄くなっていました。そんな色の変化を楽しむことができるのも観察会の良いところです。

 展望地の手前まで登るとエゾノタチツボスミレを見かけるようになりました。タチツボスミレのような淡紫色の花もあるのですが、ここで多く見られるのは清楚な白花のほうです。スミレの季節の後半に茎を高く伸ばして葉をつけて花を咲かせるタイプのスミレですが、これは周囲の伸びた草に埋もれてしまわないようにするための生存戦略だと思われます。

 展望地ではスミレ(マンジュリカ)が咲いていました。このスミレを見て「よくばり」と表現している方がいました。最初は意味が分からなかったのですが、葉柄に翼があるので「翼張り」と聞いて納得しました。なるほど特徴を良く捉えていますね。

 展望地から草原のコースを下りツツジのコースへ向かいました。先週にはたくさん咲いていたサクラスミレの多くが終わりを迎えていましたが、かわりにフデリンドウをたくさん咲いていました。

 谷地坊主の説明板周辺ではニョイスミレが咲いていました。沢沿いなど湿り気のある場所でよく見かけるスミレです。スミレの種類と生育環境との関係を調べると面白いかもしれません。

 

 昼食後、スミレの観察会ではあまり歩いたことがない大窪山まで行ってみることにしました。谷地坊主前の駐車場から入山し、ベンチのあるピークへ向かいます。登山道沿いにはアケボノスミレ、そして背の低いミヤコザサが茂る明るい林縁には大株のサクラスミレを見ることができました。南斜面の日当たりが確保できるこの場所は、サクラスミレが大きく育つのに適した環境なのでしょう。

 ピークを越えて下った先の鞍部は薄暗く湿り気があり、コケが好む環境が広がっていました。コケの上にはマイヅルソウやミヤマスミレの葉の群生が見られました。ミヤマスミレは盛んに地下茎を延ばして増えるタイプなので、しばしば群落を形成します。残念ながら今回は時期が遅く開花株をほとんど見かけることはありませんでしたが、かわりにワチガイソウが咲いていて癒されました。

 

 大窪山の山頂部周辺ではアズマシャクナゲが咲いていました。見ごろは過ぎていましたが咲いていることが確認できただけで十分です。

 下山後にグリーンロッジ前で簡単に終わりの挨拶を行い解散しました。

 乙女高原周辺には、草原、湿地、暗い林、明るい林などの多様な環境が存在します。そんな豊かな環境が生物の多様性を生んでいることを改めて知ることができました。

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スミレ観察会2022その1

2022年05月16日 | 観察会

 井上さん、角田さんがレポートを書いてくださいました。

 また、角田さんはユーチューブに動画を掲載しています。

 (3)第7期スミレ観察会その1

 

 【井上さんレポート】
 今年も乙女高原にスミレの季節がやってきました。5月15日、午前中の遊歩道づくりが終わった午後、今年の第1回目のスミレ観察会が行われました。曇り空でじっとしていると寒いくらいの天気なので、早めにスタートしました。小学生の男の子も含めて14名での観察会です。スミレのパンフレットや観察記録用紙も配られて、どんな所にどんなスミレがあるのかもチェックできるようになっています。また、スミレにきている虫などにも注目していくことなども確認し、出発です。

 草原に入り、森のコースへ。早速、サクラスミレが目につき始めました。サクラスミレはスミレの女王と言われるだけあって、花も大きく、枯れた草原の中で紫色が目立ちます。森の中に入るとエイザンスミレが咲き残っていました。エゾアオイスミレはもう咲き終わって葉のみ。さわると毛深くてビロードのようです。林を抜けた斜面にはエゾノタチツボスミレがもう咲き始めていました。
 展望台では、曇っていて富士山は見えませんでしたが、いろいろなスミレが見られました。タチツボスミレ、アケボノスミレ、アカネスミレ、スミレ(マンジュリカ)が咲いていました。特に今年はアカネスミレがたくさん見られました。ほぼ咲き終わりのヒゴスミレもありました。小学生の男の子が教えてもらったスミレの名前をすっかり覚えていたのには驚きました。


 展望台から草原のコースを下り、ツツジのコースへ。遊歩道沿いや草原の中に、サクラスミレが咲いています。今年は例年になく、たくさんのサクラスミレが咲いていました。ブーケのような大株もあり、雪が積もって地面が湿ったためではないかとか、草刈りをていねいに行ったからだとか、それぞれ言っていましたが、何にせよ、嬉しいことです。

 ロッジ前にもどって、とりあえず中締め。参加者に感想を書いてもらい、おみやげのスミレのポストカードを選んでもらいました。乙女高原に咲くいろいろなスミレのポストカードに、目移りしながらも気に入ったものを選びました。

 この後、四季の森へ移動。すでに終盤ではあるもののミヤマスミレが見られました。タチツボスミレは葉に赤い筋が入ったアカフタチツボスミレもありました。ヒメイチゲも咲いていました。森の入口近くでは小さなニョイスミレもたくさん咲いていました。かわいいスミレです。
 美しいスミレやかわいいスミレをじっくり見たり、写真を撮ったりで、記録はあまりできませんでしたが、どんな場所にどんなスミレが多いのかは何となくわかってきたように思います。この日は曇り空のためか、スミレに来ている虫を見ることはできませんでした。いろいろなスミレ、特に美しいサクラスミレがたくさん見られて、とても楽しい観察会となりました。

【角田さんレポート】
 遊歩道づくりが午前中早めに終わりました。早めに昼食をして、スミレ観察会を行いました。
 観察会のお知らせでは13時から開始ですが、急に寒くなって来たので植原さんに13時から来る人を受付で待って頂き、私達は13時前に観察会に出発しました。講師は井上さん。出発前に植原さんからスミレのレクチャーが有りました。今回は森のコースからツツジのコース回ることにしました。

 

 草原のあちこちに、サクラスミレが例年より多く見られました。キジムシロの黄色い花、シロバナエンレイソウ、エイザンスミレ、マイズルソウ等が森のコースには咲いていました。サクラスミレも遊歩道沿いからたくさん見る事ができました。。草原にこんなにたくさんのサクラスミレがあったのかと驚いています。


 皆さんの話によると昨年は丁寧に草刈りをやったからと言ってます。特に三枝さんが丁寧に草刈り......実施。エイザンスミレの花はもう終わりであまり咲いていませんでした。大きな夏葉がたくさん有りました。来年が楽しみです。
 森を抜けた所に、シロバナエゾノタチツボスミレが咲き始めていました。渡辺さんが皆さんに解説して下さいました。


 富士山がよく見える展望台でアケボノスミレ、アカネスミレ、ヒゴスミレ(1株)、スミレ(マンジュリカ)の観察をしましたが、今年はスミレの数も数える事になり草原内に皆さん立ち入っての観察となりました。立ち入ることは考慮すべきか、観察方法を変えるべきか検討を.....。今度はツツジのコースを下って、スミレの観察をしながらロッジまで戻りました。なんとレンゲツツジの中にサクラスミレの群落をたくさん見る事が出来ました。これも事前準備の時に白樺、ダテカンバの小枝を切って遊歩道から中が見やすくなったからかな。

 フデリンドウが可憐な花を付け最後に、また訪れてよと言っているようでした。
 ロッジに戻りスミレの絵はがきを頂き、観察会の締めをして解散しました。
 解散後、有志で四季の森に移動、森の入口近くの斜面にサクラスミレが咲いていました。ミヤマスミレも少し見られました。タチツボスミレ、ヒメイチゲも咲いていました。次回のスミレ観察会(22日)が楽しみな場所です。

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久しぶりに「参加者公募」の遊歩道づくり2022

2022年05月15日 | 遊歩道作り

 5月15日(日)、ほぼほぼ天気の心配はなかったので、そんなに早く出かける必要はなかったのですが、やっぱり気になって、早く行ってしまいました。そして、裏の物置やロッジの玄関から、かけや、ロープ、杭、作業用手袋、ペットボトル茶、救急セット、ゴミ袋などを出して、庭のベンチに並べました。


 そのうち、スタッフの皆さんが続々集まってきました。今回は乙女高原ファンクラブ会員でスタッフ立候補者は14名。県の職員4名、市の職員4名も加わりました。9時からスタッフの打ち合わせをし、今日一日の流れや受け付けの仕方などを確認しました。


 参加者の皆さんも続々と集まり始めました。今回は3年ぶりの「参加者を一般公募」しての遊歩道づくり。いったい何人が参加してくださるだろうと不安でしたが、ふたを開けてみると、スタッフも含めて74名もの参加者があり、本当にありがたかったです。いつも大所帯で参加してくださる山梨ロータリークラブの皆さん、株式会社田丸・田丸グリーン基金の皆さん。田丸グリーン基金からは、今年も多額の協力参加費をいただきました。ありがたいことです。数人の高校生の参加者もありました。県のご配慮で、高校にちらしを配っていただいた効果です。高校生の中には、このような環境ボランティア活動に興味がある人がたくさんいるんだなということが分かりました。頼もしい気持ちになりました。

 


 遊歩道づくりについては、事前に山梨日々新聞で大きく取り上げてくださいました。環境保全活動にとって、マスコミは重要なパートナーです。ボランティア・ボードも告知に活用しました。県内の全高校以外では、山梨市と甲州市の全小中学校にちらし配布をお願いしました。このような事前の取り組みがあって、当日を迎えたわけです。このほかにも効果的なPR方法がありましたら、ぜひ教えてください。

 さて、9時半から「始めの会」が始まりました。進行は市観光課長の土屋さんです。ご挨拶は共催3者を代表して峡東林務環境事務所長の伴野さん。市長の高木さんのメッセージを土屋さんが代読し、ウエハラが今日一日の流れと留意事項をお話しました。


 班ごとに分かれ、班長さんからの諸注意を聞き、必要な資材と道具を持って、森のコース、草原のコース、ツツジのコースへと進み、作業が開始されました。


 ロープはコースごとに違う色のビニールテープが付けられていたので、各コースに必要な長さは揃えられていたはずなのですが、計算通りにいかないのが世の常。途中、足りなくなって、「ロープ、取りに行きます」と志願くださった方が本部のロッジ前まで予備のロープを取りに来て、また自分の班に戻っていきました。みんなが待っていると思うと、自然と足早になっていきます。きっと疲れただろうなと思います。また、待っている方たちは、ロープが来るまでは仕事が足止めされてしまうわけですから、イライラしたかもしれないなと思いました。どの班も少しでいいので予備ロープを持って行った方がいいかもしれません。

 

 結局11時ころには全部終わってしまいました。皆さん、ご苦労様でした。終わりの会では、ファンクラブ代表世話人の角田さんがお礼のあいさつをし、三枝さんが諸連絡をしました。


 皆さんが張って下さったロープは、乙女高原の展示スペースでもあります。「現在地はここです」が分かる遊歩道マップや「虫や花を採らないでください。なぜなら…」「ロープの中に入らないでください。なぜかというと…」といった注意看板、その時期に咲いているお花を紹介するカードなどを結束バンドを使って吊るしています。乙女高原に来られたときは、これらを自然観察のお供にしてくださいね。

 

 なお、遊歩道づくりの角田さんの動画はこちら。

 乙女高原遊歩道作り 2022 - YouTube

 

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遊歩道づくりの下見と準備

2022年05月10日 | 遊歩道作り

本日5/10、山梨市・山梨県・ファンクラブ協働の、遊歩道づくり下見・下準備を行いました。全部で12人も集まったんですよ。ロッジやトイレの掃除、遊歩道を歩いて交換する杭を特定するなどの作業を行い、最終打ち合わせをしました。

遊歩道づくり下見・下準備の午後は、ファンクラブのメンバーで、草原内に生えていた木々のうち、高木になってしまうもの(つまり、草原の森林化を進めてしまうもの)の若木を剪定ばさみなどでチョキチョキ伐りながら、自然観察を楽しみました。

右端に見えているのはヤマナシの花です。花を見ながら若木を伐りました。

伐っている木はおもにシラカバとダケカンバ、ドロノキ、ヤマナラシ。

親の木はこんな感じです。

左の芽吹きが進んでいる木がシラカバ、右のまだ枯れ木状態なのがダケカンバです。ダケカンバのほうが、より高標高に適応しているので、芽吹きも遅いのでしょうね。

若木も同様に、芽吹いているのがシラカバ、芽吹いてないのがダケカンバです。

草原の中はサクラスミレだらけでした。ほかにもいくつかスミレの花が咲いていました。5/15の午後にはスミレ観察会も予定されているので楽しみです。

 

サクラスミレ ↓

 

アケボノスミレ ↓

 

アカネスミレ ↓

遊歩道入り口に、なにやら見覚えのない芽生えがありました。気になります。

 

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