乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

マルハナバチ調べ隊その1

2022年06月26日 | マルハナバチ調べ隊

 マルハナバチ調べ隊も早20年。毎年3回ずつ調べているので、毎年、同じようなパターンを繰り返すのかな、そういった「乙女高原の平均パターン」がわかってくると、それから外れたデータのときに「乙女高原の黄色信号かも」と疑えばいいのかな・・・そんな考えで始めましたが、毎年毎年パターンが違っていて、「何が何だかよくわからない」状態です。自然の調査とは、そんなものなのかもしれません。


 今回の調べ隊には16人の参加者でした。半数が小学生。楽しい観察になりました。
 はじめの会では、今日のスタッフである三枝さん、芳賀さん、植原の紹介をしました。奥平くん(小学校4年生)を新たに乙女高原フェローとして認定。記念のマグボトルをお渡ししました。

ちなみに、乙女高原フェローとは「乙女高原ファンクラブの活動に参加してくれた人に渡すスタンプカードのスタンプが10個たまったら、記念品がもらえる」という制度です。
 紙芝居によるマルハナバチの生態の紹介では、紙芝居をいぶきさん、よしのぶさん、いろはさんの小学生3人・いとこトリオが読んでくれました。3人ともマルハナバチ調べ隊の常連で、マルハナバチの見分け方もばっちり身についています。

 調査用紙を持って、草原内の遊歩道を歩き始めました。ラインセンサス調査の始まりです。レンゲツツジはもう終わりで、替わって、アヤメがきれいでした。なかなかマルハナバチの姿を見ることはできませんでしたが、ようやくアヤメの花にもぐりこむトラマルハナバチの姿を見ることができました。

しかも遊歩道のすぐ近くの花だったので、多くの方が間近に見ることができました。しかもしかも、アヤメの花は基本的に3つの花が合体してできている構造なので、今の花から2番目の花、3番目の花、そして、隣の1番目の花、2番目の花…と訪れるので、結構長い間、訪花の様子を見ることができました。後脚の花粉団子は白っぽいペパーミント色でした。アヤメの花粉です。
 遊歩道から遠いアヤメの花を訪れる様子も観察できました。こんなときは、パピリオ双眼鏡が威力を発揮してくれます。

 結局、午前中のリランセンサス調査では、7頭のマルハナバチが観察できました。いずれもトラマルハナバチで、6頭はアヤメで蜜を吸っている様子が、もう1頭は飛んでいる姿を見るだけでした。子どもたちが飛んでいる姿だけ見て「トラだ!」と見分けしている(正解!)のには感心しました。

 早めのお昼を食べ、午後からは、マルハナバチ待ち伏せ調査を変更し、ブナじいさんまでの観察ハイクにしました。午前中の調査結果から、待ち伏せ調査をしたとしてもマルハナバチが来ないことが予想されたし(「来なかった」というデータも大切なんですけどね)、午後から雨が降り出しそうな空模様だったからです。
 森の中にたくさんのギンリョウソウが咲いているのを見ました。ギンリョウソウもマルハナバチ媒花なんだそうです。私は今までに1度だけマルハナバチ(トラマルハナバチでした)がギンリョウソウを訪れているのを見たことがあります。マルハナバチがギンリョウソウを訪れている様子をぜひ写真に残したいと思っています。
 ブナの森では、道にたくさんの落とし文が落ちていました。葉っぱを上手に巻いていて、ロールキャベツのようです。一人の子が、葉を巻き戻してみたら、中から細長いラグビーボールといった感じの、オレンジ色のきれいな卵が2つ出てきました。双子でした(こういうのを双子って言うのかなあ・・・)。

 ロッジ前まで戻ってきて、終了しました。天気のこともあって、早めに終わったので、ロープの植物カードを新しいものに替えたり、アヤメの花数を数えたりしました。
 アヤメの花数ですが、
・シカ柵内の全遊歩道を歩きながら、遊歩道から見える範囲全部について、アヤメの花数を数える。
・つぼみや咲き終わったものは含まない。
・遠くに咲いている花については、双眼鏡で確認する。
という方法でカウントしたところ、2,175でした。
 じつは、草原のアヤメの花数については、シカ柵が作られる直前の2015年初夏に三枝さんが同じ方法で数えています。18だったそうです。2016年にはだいたいですが100、2017年には1000以上になっていました。そして、2018年には今回と同じ方法でしっかり数え、3,686でした。三枝さんが数えてくれていたから、アヤメの花の回復傾向をちゃんと数字で表すことができました。さて、4年前・2018年の3,686と今回の2,175を「どう読むか」??

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