乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

夏のボランティアガイド  7月20日~8月4日

2024年08月04日 | 乙女高原案内人
 今年も子どもたちの夏休み前半の週末、7月20日(土)、21日(日)、27日(土)、28日(日)、8月3日(土)、4日(日)と六日間、乙女高原案内人による「夏のボランティアガイド」活動が行われました。
 この中には、案内人養成講座、マルハバチ調べ隊などの活動日も含まれますが、そういう日であっても、案内人活動の看板を出して、セルフで取っていけるチラシ・パンフレットコーナーをロッジ玄関前に出しました。




 また、草原内の外来種(メマツヨイグサ、ヒメジョオン)駆除にも取り組みました。








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※7/21に案内活動をしてくださった鈴木さんからレポートをいただきました。

■実施日:7月21日(日)10:00~13:00
■ボランティア参加者:1名(鈴木のみ)前日が草刈だったためか、寂しくひとりだけ・・・
■活動内容
10時前に到着すると10人ほどの団体がベンチに腰掛けておしゃべりをしていました。準備をしながら様子を見ていましたが30分近く動く気配がなかったので、声をかけてみると“野鳥の会 甲府支部”の方々でした。探鳥会に来たけど鳥がほとんどいないので涼んでいたとのこと。何名かの方は植原さんのことをよくご存知でしたよ。見ごろの花や鳥のことなど10分ほどお話ししながら、 フィールドガイドをお渡ししました。また時々来られるそうです。
 その後しばらくロッジ前で待機していましたが人影なし。乙女高原も久しぶりだったので、作戦を変えて散策しながら訪問者を探すことにしました。花を見に来ている様子のカップルに出逢ったので、フィールドガイドで見ごろの花をご案内。せっかくなのでマルハナバチの話もしながら無理やりフィールドガイドを渡したら、意外に関心を示していました。
 その後他に訪問者はなく、午後予定があったため13時ごろには切り上げました。あまり活動らしい活動はできませんでしたが、久々に花盛りの乙女高原を満喫できて良かったです! 以上ほんとに簡単ですが、ご報告まで。

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※7/27の活動について、角田さんがレポートを書いてくださいました。

 毎年恒例の夏の案内人に7月27日に出かけて来ました。朝10時の気温は22℃でとても涼しい乙女高原グリーンロッジ前でした。11時40分頃までにバイクが5台通過したのみで一人も乙女高原を訪れる方はいませんでした。持参した雑誌を読みながら下界の暑さは今日も30℃超えで暑いだろうな思いながら過ごしていると、世話人の井上さんが車で手を振って車から降りて来て下さいました。明日の乙女高原案内人養成講座の下見ですと言って訪れて来ました。
 しばらく2人でお茶しながら雑談し、今日は夏休みなのに何故乙女高原には人が来ないだろう。原因はオリンピックの開会式の再放送を観ているんでは。
 そうこうしている内に12時近くになり、またも世話人の芳賀さんが様子を見に来て下さいました。すると、案内人養成講座を受講中の宇津さんも顔を出して下さいました。早朝から蝶を観に来られたようです。しばらく井上さんと乙女高原グリーンロッジ前を優雅に舞っている蝶の話。その後、井上さんは明日の準備で草原内に。戻って遅い昼食を食べてまた、宇津さん、井上さんは調査に、芳賀さんも帰り、私は夏の案内人活動と明日の案内人養成講座に使うロッジ内を清掃。この日は15時までに3組来たのみ、その内の一組(甲州市)の方がファンクラブに入会して下さいました。
 例年とまた違った1日でした。8月も涼しい乙女高原で案内人の活動を行います、会員の皆さんもお花が一番綺麗な時期ですので遊びに来て下さい。

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※8/4の活動について、古屋さんがレポートを書いてくださいました。

 第5期乙女高原案内人養成講座を無事終了した翌週の8月4日(日)、早速「夏のボランティアガイド」に参加しました。「養成講座を終了した」と言っても、乙女高原については「ほぼ初心者」状態の私ですので、今はボランティア活動の入り口にやっと立たせていただいたという感覚です。ベテランの角田さん、井上さんのご指導の元、案内人のワッペンや調査・作業中の腕章をつけるところから始まり、案内テーブルやイス、案内チラシ、植物昆虫図鑑等の書籍の置き場所からディスプレイ等、基本的な流れを教えていただきました。
 準備する間にも、角田さんと井上さんは、「このカミキリムシの名前は何だっけ?」とか、「ネジバナが咲いているよ」とか、今朝出会った自然への好奇心が止まらない様子です。次から次にお二人の間で交わされる「乙女高原の8月4日10時の自然観察とその新鮮な心の動き」に、私は感動していました。ちなみにカミキリムシは「シラフヒゲナガカミリキ」でした。
 とはいいつつ、私もお2人の観察力に自然に引き込まれ、図鑑のページを括ってカミキリムシの名前を調べたりネジバナの螺旋の茎に可愛く咲いている小さい桃色の花に見入ったりしていました。
 今日の活動のミッションは、「高原に生えている外来植物の駆除」でした。ロッジ方面から高原を見ると、紫色のヤナギランの奥に黄色が一面に広がっています。角田さんから「メマツヨイグサ」と教えていただき、初めて高原のロープの中に入りました。このメマツヨイグサとヒメジョンを根から抜きながら進み、45リットルのゴミ袋が一杯になった時点で休憩。2人とも抱えきれないくらい沢山の茎を抜いたのですが、ロッジから見るとまだ黄色い面積が広く残っており、メマツヨイグサの旺盛な繁殖力を感じました。
 昼食が終わる頃、段々に北側の空模様が怪しくなり、ついにぽつぽつと雨が降ってきたため、案内テーブルをロッジの入り口に移動して、案内を続けました。今日はパリオリンピック会期真っ最中であったせいか、日曜日にも拘わらず来訪者は3組でした。その内、南アルプス市の女性お2人と甲府市からの女性お1人がファンクラブに加入してくださいました。
 甲府市の女性は寄付もしてくださいました。乙女高原には何度も訪れていて植物の観察がお好きとのこと。会話が弾み、珍しい植物の観察に角田さんの案内で再度高原に入って行かれたため、私も勉強のため同行させていただきました。
 歩きながらのお2人の会話は、植物名は私にはまだ良く分からず、「ふーん」「へー」の連続でしたが、話の波長がぴったり合っていて、とても心地良さを感じました。初めて出会った方とでも「乙女高原」「植物」という共通の知識や経験値があると、昔からの友人のような軽やかな関係になれるんだなぁ、と感じました。
 後で角田さんから「これがインタープリンター(の活動)だよ」と教わりました。私はまだ見て、体験して、覚えて、の時期なので、しっかり体験していこうと思いました。
 午後の活動で再度ミマツヨイグサの駆除に取り掛かろうとしたとたんに、雨が大降りになってきたため、本日の活動は14時までとして終了しました。
 休憩中にも、ロッジ内や裏側を見せていただきましたが、その間もルリボシカミキリの交尾の様子や、キベリタテハが舞いながら屋根や床や壁に止まり、綺麗な縁どりのある羽を公開してくれる様子が観察できました。
 短い時間でしたが、沢山の情報が一度に入ってきて普段使わない部分の脳が活性化されたようで、ボランティア活動の良さを多方面で実感した一日でした。ありがとうございました。
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マルハナバチ調べ隊・盛夏編

2024年08月03日 | マルハナバチ調べ隊
 8月3日(土)、いい天気でした。参加者はなんと30人。夏はたくさんのマルハナバチに出会えますが、それにふさわしい大人数でした。


 はじめのあいさつ後、いつものマルハナバチ紙芝居です。その中の「マルハナバチの一年」の部分は、裏にセリフが書いてあって、「初参加ではないお子さんに読んでもらう」慣習になっていました。今回は、6月の調査にも親子で参加してくれたしゅういちくんに読んでもらうことにしました。案内人の松澤さんにサポートされながら、上手に紙芝居を読んでくれました。

 午前中は、「決められた遊歩道を、決められた時間(1時間)で歩いて、出会ったマルハナバチを記録する」というラインセンサス調査です。遊歩道に入ったとたんに、たくさんのマルハナバチが出迎えてくれました。オオバギボウシの花を次から次へと訪れるトラちゃん(トラマルハナバチ)、小さなヤマハギの花が得意なミーちゃん(ミヤママルハナバチ)などです。あっという間に調査票が埋まっていきました。
 珍しい場面としては、ヨツバヒヨドリにオーちゃんやトラちゃんが来ていました。ヨツバヒヨドリは小さな花が上向きに集まって咲いているのですが、よく見ると、マルハナバチは花の中に舌を差し込むことなく、ただ花々の上をせわしく動き回っているだけです。これは、マルハナバチが花粉を集める行動です。まるで掃除機で部屋のほこりを集めているみたいです。
 もう一つはワレモコウにミヤママルハナバチが来ていたことです。おそらくワレモコウにマルハナバチが訪れているのは初の観察記録だと思います。

 結局、ラインセンサス調査で84頭のマルハナバチを記録しました。内訳はトラマルハナバチ56、ミヤママルハナバチ25、オオマルハナバチ3 です。訪れていた花は12種類。ベスト3は、オオバギボウシ23頭、クガイソウ18、ノハラアザミ11でした。
 6月の調査ではトラマルハナバチのみ10頭でした。9月の調べ隊では、どんな結果が得られるか楽しみです。

 午後は、ラインセンサス調査の速報値を報告してから、待ち伏せ調査を行いました。調査員それぞれが選んだ花の前で15分、マルハナバチが来るのを待ち、記録するというものです。15分を2回、やっていただきました。複数の調査員でやっていますから、多くの調査員が同じ花を選ぶこともあります。そこで、待ち伏せ時間を60分換算にして比較しました。すると、第1位はシモツケ40頭、2位ヤナギラン32、3位クガイソウ22でした。
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乙女高原案内人養成講座・最終日

2024年07月28日 | 乙女高原案内人
 いよいよ7/28に養成講座最終日(3日目)が行われました。メインは小松澤さんによる「乙女高原の植物~樹木」と井上さんによる「乙女高原の植物~草花」という二つの野外実習です。
 お二人とも紙芝居のようなものを準備して、受講者の理解を助けていました。
 小松澤さんは、樹木に関する様々な専門用語をカードにして示してくださいました。「ケーセーソー」「コーゴーセー」など、専門用語ってカタカナでしか耳から頭に入ってこないことが多いですが(これって、自分だけですか?)、漢字は意味を伴っているので「形成層」「光合成」というカードを見ると、がぜん理解度が上がります。そんな工夫をしながら、樹木・森林についての理解を促してくださいました。





 一方の井上さんは、植物名を漢字で書いたカードを用意してくださいました。植物名はカタカナで書くというルールがありますが、それぞれの植物名には由来があります。カタカナだとそれがわかりにくいので、たとえば、私はクサレダマという植物名をずっと「腐れ玉」だと勘違いしていました。正しくは「草・連玉」です。あ、この植物、乙女高原にはありません。
 井上さんのカードには、「剃刀菜・顔剃菜」とか「大葉擬宝珠」とか書いてありました。それぞれコウゾリナ、オオバギボウシです。




 このような楽しい実習だったので、時間が過ぎるのがあっという間でした。
 この日は、午前中の実習が終わったあと、ワークショップ。少人数に分かれ、乙女高原での活動についてお一人お一人の意見を発表しあったりしました。そして、午後の実習が終了後は、修了証やワッペン、名札をお一人お一人にお渡しし、閉講式を行いました。
 案内人の皆さん、今までは「活動のために学ぶ」期間でしたが、これからは「活動しながら学ぶ」期間となります。皆さんのご活躍を期待しています。乙女高原の自然を次世代に譲り渡すために、いっしょに活動していきましょう。
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※受講生の槙田さんから感想をいただきました。

・今回の講座3日目は、6/9の前回に比べて乙女高原には色とりどりの花が咲いていて、一層楽しく実習できました。講師、スタッフの皆様ありがとうございました。
・講師の方は事前に下見をして、紙芝居風に説明資料を準備されていたので、実物と比較しながら ポイントが理解できました。写真より手書きの図解の方が説明ポイントを伝えやすいですね。私も見倣って自然観察会で使ってみたいと思います。
・樹木の説明では、普段見る機会が少ない樹木の花や実・種子の実物(標本)があれば最高でした。松や杉と同じように、白樺や唐松の種は意外と小さいのではないかと想像しています。
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※講師の井上さんからメッセージをいただきました。

講義はなるべくしゃべらないで、受講者に気づいてもらうようにしようと思っていたのですが、ついしゃべってしまい、反省です。花の戦略と昆虫との関わりはほんとうにおもしろいですね。そのおもしろさがちょっとでも伝わったらいいいいなと思います。今回の講義に向けて、いろいろ調べる中でなるほどと思うことやなんで?と思うこともあり、講義はプレッシャーではありましたが、よい機会をもらえたなとも思いました。
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遊歩道の草刈り   7月20日(土)

2024年07月20日 | ボランティア作業
 信じられますか? 草刈り作業の準備のために8:20ころ乙女高原に着いたのですが、しばらく外にいると、寒いくらいでした。さすが乙女高原と思いました。草原からは草刈り機のエンジン音が聞こえます。「涼しいうちに作業を始めてもいい」ということになっていたので、早く来られた方が、すでに作業を始められていたのです。

 今回の草刈りには13人が集まりました。刈払い機が十分集まりましたので、手刈りの方には草原内に侵入してきた外来種の駆除をしていただきました。

 現在、乙女高原の草原で気になる外来種といえば、ヒメジョオンとメマツヨイグサ。いずれも草原環境が大好きです。長野の霧が峰ではヒメジョオンの駆除をしていると聞いたことがあります。ヒメジョオンは北アメリカ原産で、ヤナギバヒメギク(柳葉姫菊)などの名で観賞用に江戸時代末(1865年ごろ)に渡来し,明治初年には雑草化したそうです。外来生物法の要注意外来生物、日本の侵略的外来種ワースト100 指定種に指定されています。

メマツヨイグサも北アメリカ原産で、観賞用として1920年代に導入されたそうです。外来生物法で要注意外来生物に指定されています。


今回は、真夏の草原の中、この2種を駆除していただき、駆除の総重量は20.8kgになりました。

 そのほかにも、気になる外来種として、いずれも外来の牧草であるチモシーとオーチャードグラス、背の低いオオバコ、シロツメクサ、セイヨウタンポポがあります。オオバコは最近になって多く見かけるようになりました。あっという間に増えている気がします。オオバコは人が歩くようなところに多く生えています。オオバコは背が低い反面、踏みつけに強いので、人が歩いてくれるような場所のほうがかえって都合がいいのです。遊歩道なんて、大大好きな環境だと思います(オオバコの生きざまについて語り始めたら、1時間でも終わらないと思います・・・笑)。

 さて、刈り払い隊の作業が終わったようです。遊歩道地図で確認したところ、刈り残した遊歩道はないので、残りの時間は林道沿いの草刈りをお願いしました。





 涼しい乙女高原とはいえ日差しは強いので11時半すぎには全作業を終え、お昼にしました。
 午後は、バイオトイレのホーローの洗面台のひび割れをパテで直したり、来週末の案内人養成講座に備えて、トイレやロッジのそうじといった作業を行いました。
 ロッジ内に風を通そうと、窓を開けたら、ものすごい数のアブが入ってきて、そのまま出られなくなってしまいました。角田さんが昨日7/24にロッジを開け、床に落ちたたくさんのアブの死体を掃除してくださいました。
 山梨市で設置してくださったシカ柵のおかげでたくさんの花が戻ってきましたが、その結果、チョウやハチだけでなく、アブもものすごく増えたようです。中には不快昆虫の仲間であるアブもいますので、気になる方は虫よけスプレーなどの対策をしてください。ここ2、3年、ちょうちょが減っているような気がして心配していましたが、今年はたくさんのチョウを見かけます。これもシカ柵設置の「遅れた効果」なのでしょうか。

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訪花昆虫調査・7 月

2024年07月13日 | モニタリング調査

 7月13日(土)、いつものように塩山駅で高槻先生をピックアップし、乙女高原へ。なんと12名もの参加者がありました。いつものように、高槻先生から調査の意義と方法を説明していただき、植原から班分けと担当遊歩道を発表。

各班でパートナー同士あいさつをし、持ち物を確認して遊歩道に出発しました。

 遊歩道に沿って巻き尺を伸ばし、終点から遊歩道の片側2m範囲の「花を訪れる昆虫」を距離・時刻とともに片っ端から記録していきます。そうやって巻き尺の始点に到着したら、今度は遊歩道の反対側2mを見ながら同じように記録していき、巻き尺の終点に着いたら1セクションが終了です。これを担当セクションの数だけこなします。花に来ている昆虫の観察には、パピリオ双眼鏡が大活躍です。




 今回は調査員の人数が比較的多かったし、盛夏の花がわんさか咲く時期の手前だったせいか、午前中でなんとか全部の調査を終えることができました。
 調査後は、いつものように、楽しく話をしながらお弁当を食べました。

 私たち調査員が書いた調査票は高槻先生が一手に引き受けて、パソコンのエクセル表に入力し、それをもとに、花と昆虫の関係や、年による違い、季節(月)による違いなどを考察されていきます。
 この調査は、そんな高槻先生の後ろ姿から、自然を対象にした調査・研究の在り方を学ぶ、またとない機会になっています。年寄りを排除する意思はまったくありませんが(こんな書き方で申し訳ありません)、中高生・大学生で、特に自然を相手にしたことをやりたいなあ(仕事、プライベート、ボランティア含めて)と思っている人にぜひ参加してほしいなと思います。

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