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乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

街の駅乙女高原展48 乙女高原のスミレ

2025年04月07日 | 街の駅・乙女高原展

「街の駅やまなし」の「乙女高原コーナー」の展示替えをしました。
今回のパネル展のテーマは「乙女高原のスミレ」です。シーズン48となります。
コーナーには、
・遊歩道づくり ちらし
・乙女高原案内人養成講座 ちらし
・ニュースレターの最新号
・入会パンフレット
が置いてあります。これらは、自由にお取りください。
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ヤマアカガエル産卵調査 4月5日(土)

2025年04月05日 | モニタリング調査
参加された井上さんがリポートを書いてくださいました。

 4月5日、4月の観察交流会です。牧丘の道の駅に行くと、角田さん、植原さん、毛利さんの3人がいました。が、角田さんと植原さんは都合があって行けないとの事、毛利さんと二人で乙女高原に行くことになりました。この日はヤマアカガエルの調査日でもあります。調査票を植原さんから預かり、角田さんからはいちごの差し入れをいただいて、出発しました。前日、前々日は冷たい雨が降ったので、乙女高原は積雪があると思って、長靴を持参しましたが、雪はほとんどないとのこと。林道も雪はほぼありませんでした。
 最初の観察ポイントは山の神入り口、ここは例年ヒナスミレがたくさん咲いているのですが、今年は寒い日が続いていたこともあり、スミレは見当たりません。ないなあと思いつつ、歩いてみると林の入り口に小さなかわいらしいヒナスミレが見つかりました。2株ありました。奥の岩のところには咲き始めの小さな小さなハナネコノメ、イワネコノメもありました。そして、伸び始めて花も数輪咲いたハシリドコロも。春は確実にやってきていました。
 次にカエル池と呼んでいる水たまりの所で停車。少し水がたまっていて、ヤマアカガエルの卵塊が5腹ありました。ここも例年スミレが見られるのですが、全くありません。葉が出たばかり。キブシのクリーム色の小さな花はいくつも枝にぶらさがって咲いています。小鳥のさえずりも聞こえました。
 次はカツラの大木があるところです。カツラは赤い芽が出始めたばかり、数日後には赤く美しい新緑が見られることでしょう。

道路からカツラの木の立っている沢に降りてみました。沢沿いの岩の上には赤い葯が美しいハナネコノメと黄色い葯のツルネコノメが咲き始めていました。

ここも例年ならスミレなど春の花が見られるのですが、芽や葉が見られただけでした。
 乙女湖が見えるところで、車を停車。乙女湖の氷はすっかり解けてエメラルドグリーンの水が美しい。日陰の斜面に雪が少し残って、ひび割れていました。こんなところでも春の訪れが感じられます。でも遠く見える金峰山は雪で真白。昨日の雨は山では雪だったのですね。
 焼山峠の湿地も見てみました。例年ここもヤマアカガエルの卵が観察できるところですが薄氷がはっていたり、奥の湿地は雪も積もっていたりで、ヤマアカガエルの卵は見られませんでした。フィッフィッと甲高い鳴き声。ゴジュウカラが姿を見せてくれました。シジュウカラもいました。

 木道湿地でヤマアカガエルの産卵調査です。湿地の外回りで観察、湿地の中に入ってもみましたが、卵は見当たりません。寒いので、まだ産卵はしていないようです。流れの中に金粉のようなものを毛利さんが見つけました。金ではないでしょうが、何でしょうか。

 乙女高原に到着。まず産卵調査をしました。谷内坊主の湿地を探しましたが、卵はなし。でもメタリックブルーの美しいヒメツチハンミョウが姿を見せてくれました。冬には段状に高く発達していた霜柱もなくなっていました。これも春のきざしです。奥の湿地には雪が積もっていました。卵はたぶんないだろうと思いながら、近づくとヤマアカガエルの鳴き声がします。これは産卵の期待が持てます。しばらく鳴き声をじっとして聞いていましたが、湿地に入っていくと、鳴き声はピタッとやんでしまいました。卵を探しましたがありません。残念。でも鳴き声が聞こえていたので、人がいなくなったら産卵するのではないでしょうか。
 ロッジ前に行くと、もう12時。ベンチの所で昼食にしました。看板の所の温度計は7℃。空気は冷たいですが、日差しは温かいです。テーブルの端に黒と茶色の毛虫がいました。暖かくなって出てきたのかな。2人でおしゃべりしながら食べていると、荒川林道方面から車がきました。4月末に林道を開けるための調査に甲府から来たという二人連れでした。林道を開けるための準備が始まっているのですね。

 昼食後、草原に入って観察。鹿柵の扉も冬は霜で持ち上がって開けにくかったのが、そんなこともなくなりました。草原は日陰に雪が少し残っているだけでの枯れ野原。キジムシロの葉が出始めているくらいです。枯れたモミの大木の下にはいろいろな樹木が伸びてきています。これから生存競争でしょう。万歳をした形のオオカメノキの冬芽もだいぶ伸びてきていました。

 展望台まで登ってみると、真白な富士山が春霞のようなぼんやりした空に浮かんでいました。ヨモギ頭まで登るとダケカンバが林立しているのがよく見えます。樹間に真白な金峰山が見えましたが、南アルプスや八ヶ岳は雲に隠れてしまいました。午後になって、空に雲が広がり始めました。
 草原のコース上部ではコガラやシシュウカラのペアがレンゲツツジの枝などに止まったりして姿をよく見せてくれました。暖かくなってきて、野鳥たちも恋の季節ですね。草原のコースからツツジのコースをまわりました。ツツジのコースの林沿いはまだ雪が10cmくらい積もっていました。出口近くまで来るとモグラ塚がたくさんあります。2月に見たときよりも数が増えているようです。枯草の中に黒い土の小山があちこちにできていました。草原での観察を終了。

 帰りの林道でマンサクの花を観察。中心部が赤く、黄色く細長い花びらが伸びています。赤いのが目立ちますが、萼でしょうか。

ダンコウバイやキブシも咲いていました。
 下界は桜や菜の花が満開、桃の花も咲いてきて春爛漫ですが、高原はまだ春浅しという感じです。春のきざしがいろいろ観察できて、楽しい観察会でした。
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自然観察交流会  2025年3月1日(土)

2025年03月01日 | 乙女高原観察交流会
※参加された毛利崇行さんがリポートを書いてくださいました。

1   3月1日当日はとても暖かく、標高1700mの乙女高原でも気温10℃もありました。

2 乙女湖は全体的には結氷しておりましたが、暖かさのためか、2月の観察会よりも氷の厚さが薄くなっているようでした。ダムサイトの部分等は氷が溶け、水面が見られました。


3 クリスタルラインの道路は所々アイスバーンや雪面が見られました。2月よりもそのような箇所が多いように感じました。特に水ヶ森林道は全体的に雪に覆われていました。

4 青空の下、富士山、鳳凰三山、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳連峰、中央アルプス等の展望が良好でした。

5 オヤマボクチとハバヤマボクチの見分け方がわかりました。オヤマボクチはウニのようなトゲが特徴です。

6 谷地の小川沿いには、高さ1メートルにもなる霜柱が観察されました。積雪による保温がないことと、小川の水分補給が成長を助長しているとのことでした。土の上かと思いきや、一歩踏み出すとスカスカの霜柱の上なので、落とし穴が待っています。


7 アシナガバチの巣を見つけ、どちらが下向きなのかと、参加者の話題になりました。


8 シカ柵のマス目が大きくなっている所が見られ、そこにシカが首を入れ、柵の外側から柵内の結構な距離までミヤコザサが食べられていることに驚きました。


9 フデリンドウの若芽を見つけました。寒さに負けず、春に花を咲かせようと着々と準備しているようでした。


10 谷地坊主の群落には高く成長した霜柱があるため、近づけませんでした。霜柱が成長している場所は、局地的に気温が低いことを体感できました。


11 青空には巻層雲が見られ、気象に詳しい鈴木さんが巻層雲の成り立ちについて解説してくれました。


12 グリーンロッジ敷地内の排水マスに水が落ちるときの音が、さながら水琴窟のようで、そのきれいな音色に聞き惚れてしまいました。

12 道の駅まきおかで解散後、玉宮のザゼンソウを見に行きました。まだちらほらと咲いているだけで、見頃はもう少し先になりそうです。

13 前回の観察会でも、発見が盛り沢山でしたが、今回の観察会も新たな発見がたくさんあり、乙女高原の自然の引き出しの多さに驚きました。好奇心旺盛な方、是非自然観察会に奮ってご参加ください。


※伊佐治庸子さんもリポートを書いてくださいました。

 下界20℃、乙女高原10℃という季節外れの暖かさでの観察会。さて、どんな一日になるかなと期待に胸膨らませて道の駅を出発した。
 先ずはカエルの池で卵チェック。岩の奥の方にちょっと水が溜まっているだけで卵は無し。「チィチィチィ(高く)、カッカッカッカッ(低く速く)」姿は見えないがルリビタキの地鳴き。
 乙女湖は、雪は被っていないがまだ結氷。しかし端の方は氷が解け始めている。

金峰山を眺めると五丈岩に雪は無し。「チッ、チチチチチチ」ホオジロが鳴く。双眼鏡でキャッチ。頬、白いか?白いのは眉?「フィーフィーフィーフィー」と大きな声のゴジュウカラ。姿は見えない。シジュウカラ、コガラ、ヒガラは前回の観察会で勉強した。親類筋なので外見も似ている。でもゴジュウカラは系統が違うと鈴木さん。シジュウカラとゴジュウカラはどこが違うの?「40代と50代」と植原さん。あ〜あ。
 柳平のゲート前で加藤さんを待つ間、現在は閉校中の笛川小学校柳平分校を見学。ここで発見したのはジャングルジムの植木鉢!ジャングルジムの内側で松やシラカバ計5本がすくすく成長していた。皆で興奮。除草から護られた、まさに箱入り娘たち!

その隣に子供たちが遊んだであろう登り棒があったが、鈴木さんと「なんだか低いなぁ」。私たち、大きくなったんですね。そばで毛利さんが整地用のローラーを年甲斐もなく押そうと頑張っている。

 空を見ると飛行機が何機も行き交っていて、真下から見上げると白いお腹がきれい。尾翼が赤い飛行機が来た。どこの航空会社だろう? ここに角田さんがいたらきっとすぐに調べて教えてくれるはずだ。同じ方角から2機仲良く並んでやって来た。一機は飛行機雲を作りもう一機は飛行機雲無し。この違いは如何に? 並んでいるように見えるが高度に違いがあって湿度・気温の条件が異なっているのだろうと鈴木さんと考察。
 無事加藤さんと合流して乙女高原に到着。毛利さんが嬉しそうに地図を取り出した。「これ、持って行きましょうか♫」金峰山・甲武信の地図だ。ちょうど山の位置と名前を一致させたかったので、毛利さん、ナイス!
 トンビが一羽上空を舞っている。「あっ、この前と同じトンビだ。」と植原さん。尾が白っぽいトンビだそう。どれどれ双眼鏡を覗くと、確かに頭も尾もロマンスグレーだ。これは個体差というよりシニアのトンビでは?と共感を込めて勝手に決めつけた。

 植原さん(隊長)はサクサク飄飄と歩いて行くが突然止まる。これは何かを見つけたサイン。ベージュ色の3,4センチ程の木片を見せてくれた。雪の上のあちこちに落ちている。キツツキが木をつついた削り屑らしい。でもどの木なのかはわからなかった。
 さあ展望台。ここでちょっとした事件が起きる。小学校校庭の重いローラーを動かした力自慢の毛利さんが、地面が盛り上がって開閉しづらくなった鹿柵のゲートを張り切って開けてくれた。「エイヤッ」と見事に扉を外してしまった。(笑)
 お決まりの富士山拝見。すっきりくっきりの富士山だが、なんと例年なら4月から5月にかけて見られる農作業サインの農鳥がもう出現している。ハトサブレーというより鶴に近い細身の農鳥。今年は雪が少ないんだなぁ。でも富士吉田市の公式発表はまだなので、これは農鳥と認めてないのかも。富士山から左方面に目を移すと電波塔が目印の三つ峠もよく見えた。
 前回は会えなかったブナ爺さんに挨拶をしに。5月頃にはアケボノスミレやフデリンドウが顔を出す場所を途中教えてもらう。楽しみだなぁ。ブナ爺さんは子供たちに掛けてもらった落ち葉の掛け布団で静かに冬を過ごしていた。
 水ヶ森林道に出てロッヂへ戻る道すがら見晴らしの良い場所で山観察。さあ、毛利さん、地図の出番よ!「あ、置いてきちゃいました。」地図は、暖かいからと車に置いてきた上着のポケットの中。はぁ~?マイナス1000点!地蔵ヶ岳のオベリスクを頼りに、あれが甲斐駒、なら、あれは仙丈ヶ岳と皆であれこれ言う楽しさよ!でもいつも自分のテリトリーから見ている見慣れた姿と違うので少し戸惑う。

 林道はところどころアイスバーンで普通の長靴底ではツルリと危ない。落ち葉があるところではそこだけ早く雪が溶け、葉っぱの形状にボコッと沈み込んでいる。その様子をしゃがみ込んで写真に撮っている鈴木さん加藤さん毛利さんを、私がパチリと撮影。


 思いの外距離がある林道をとりとめもないお喋りをしながら進む。「チロル知ってますか?」と毛利さん。リーズナブルで美味しいからファンとのこと。横浜在住のあなたがなぜ山梨市駅前の伝説の喫茶店チロルを知っているのか逆に聞きたい。加藤さんと私にとっては青春の想い出。高校時代、入り浸っていた女子学生の聖地(男子だけの入店お断りだった)。名物イタリアン焼きそばとソフトクリームのチロルセットが大人気。あの頃20代の店主夫婦は今や70代か。毛利さん、ナイス!プラス1万点!
 林道の道端にオオウバユリの乾燥した果実がまるでエイリアンが口を開けたような姿で立っている。先に進むと今度は、おっ、綿毛がフワフワ飛んで行く。イケマのケサランパサラン(桐の箱に入れておくとお白い粉を食べると言われていた、あれ)だ。感動したのはその収納術。殻に羽根付きの種が整然と並んで上手に収まっている。

鈴木さんがアサギマダラの幼虫がイケマの葉っぱを好んで食べると教えてくれた。でもイケマには毒があると。へえ、これは興味ある。帰宅後ググる。イケマはアルカロイドを含む毒草で、アサギマダラはこれを食し自らを毒化して敵から身を守る術を身に着けた。幼虫・蛹・成虫いずれもが鮮やかな体色をしているのは毒持ちを敵に知らせる警戒色なんだそう。イケマはアイヌ語で、イはそれ(神様)ケマは大きな根の意味で、アイヌの人々はイケマの毒をコントロールして生活に取り入れていた。時に薬として、お守りとして。
 12時過ぎにロッヂに戻りお昼ご飯。デザートは毛利さんが用意してくれた、かりんとうまんじゅう。あんこたっぷりで美味しい!毛利さん株ウナギ登り!
 食後テーブルの上に毛利さんの地図を広げ山の位置と名前の復習。すると植原さんが気づいてしまった。「あれ、西関(西関東道路)がない!ユニマートがある!(今はもうない店)」見ると地図の発行年が2005年、20年前じゃん!毛利さん株下落(笑)。でも紙の地図はやっぱりわかりやすい。毛利さんのおかげでその良さを再認識したので、帰りに塩山の天真堂に寄り昭文社の山と高原地図「金峰山・甲武信」を購入した。もちろん2025年版をね!
 さあ、午後の部開始。私にとっての本日のメインイベント。1メートルの霜柱グランドキャニオンを観ること。雪の残る斜面をズルズル滑りながら湿地帯へ。先ずは植原さんが足を踏み込む、といきなり視界から下がる。ズボッ!3,40センチ踏み抜いた!なんとここ全面が霜柱地帯、まるで地雷原。私の履いている長靴はそんなに胴が長くない。途中までは植原さんのトレースを辿るが歩幅が広くて届かない。慎重に着地場所を見極め進む。ギャー、ズボッ!加藤さんと大騒ぎしながらも、なんとかグランドキャニオンに辿り着く。

 高さの計測。1メートル以上。触ってみる。全体は硬い。表面はパリッと剥がれる。毛利さんに剥がれた泥の付いた霜柱を手渡すと水で泥をすすぎ落として食べようとしている。え〜っ!泥落ちないよ、やめときましょうよ。写真も撮って満足してロッヂに戻る。するとロッヂの駐車場でもズボッと足がはまる事態に。底なし沼だぁ。地中で泥濘んでいる。いやぁビックリした。膝と腰にくる。
 高原に戻って来た。西側の空からぼんやりとした薄い雲がサァーと広がって来た。ちょっとクールなすじ雲も混ざる。お天気博士の鈴木さんが「巻層雲」と教えてくれる。割り箸を突っ込んでクルクルしたら美味しそうな綿菓子雲ができそうだ。

 高原中腹から山の観察。ロッヂのモミの木右奥が大烏山(多分)、その右が断崖絶壁のひな岩、北東奥のギザギザ岩が乾徳山、東方向茶色の地肌が続くところが大菩薩峠。冬は山観察にもってこい。毛利さんの地図がここで大活躍したことを申し添えておこう。

 植原さんがアシナガバチの巣を拾った。「この巣はどの方向を向いていた?」私は下向きと思ったが植原さんは横向きじゃないかと。そして上から巣を作っていったのだろうと。

気になり帰宅後ググった。アシナガバチといってもその種類によって巣の形と向きが違うらしい。セグロアシナガバチはキノコ傘が下向き、キアシナガバチはお椀が下向き、フタモンアシナガバチはお椀が横向き、コアシナガバチはシャワーヘッドが下向きで端が上に反り返る、キアシナガバチはシャワーヘッドが下向きで黄色い蓋付きetc.結局どれだったんだろう?
 ハバヤマボクチとオヤマボクチの見分け方も教えてもらった。花の後ろのトゲトゲで見分ける。ハバヤマボクチはタワシで、オヤマボクチはウニ。タワシは恐れるに足らず。ウニはトゲが長くて硬い。痛っ!
 遂に来た!前回の学習の成果が役に立つ瞬間。甲高い声で「チーチーチーチー」と聞こえてきた。双眼鏡で観察する。木の枝に逆さまにぶら下がり足で実を押さえてリョウブの実を食べている。さあ、その鳥は?艶のない黒のベレー帽を被り、喉はちょっと黒、お腹は白くて背中はグレー。こ、これはコガラ!植原さんに確認してニンマリ。なんか嬉しい。

 前回の宿題。シカはどうやって鹿柵の外からササを食べるのか?センサーカメラに映っていた若い雌シカが頭を入れた金網フェンスの現場へ。なるほど、金網の下側が少し凹んでいて他のところより若干広がっているようだ。シカが押し広げたのではなく(かなり硬い)元々そうだとしたら、あちこち試してここに決めたのかなぁ。

ここから妄想。「あれ、ここダメ、入らない。あ、ここもキツイ。お、ここなら頭を傾ければなんとかいけそうじゃん!入りさえすれば帰りはどうにかなる!」なんて一人いや一匹思案にくれてたりして。このプロジェクトは大成功。
 植原さんが何やら赤い実の木の前で立ち止まった。「これ、やっと食べてもらえた。ずっと食べられずに残ってたんです。人気なかったんだよね。」ミヤマガマズミの実。どれどれ、どれほど不味いのか食べてみよう。うん、酸味があるが結構滋味溢れる味で好きかも。ブドウも棚に残され天然のドライフルーツと化したものは水分が抜け糖度がギュッと増して美味しくなるから鳥もそれを待ってたんじゃないかなぁ? 鈴木さんもつまんで、「美味しいですね。私、これで果実酒作ってるんです。」ですって!

 またまた植原さんがしゃがみ込んでいる。今度は何を見つけたんですか?「フデリンドウです。この姿のままで冬を越すんですよ。」3,4センチ程の高さで紫色の肉厚スペード型の葉が薔薇の花びらのように重なった姿。本来ならまだ雪の下で見つからないだろう。それにしても枯れ草の中からよく発見できる。植原さんは神の目を持っている。

「訓練ですよ。」ぼーっと歩いていたんじゃダメね。フデリンドウは茎が細くてちょっと横倒しになっていたので少し心配になった。加藤さんと毛利さんが根本に土を寄せ固定させた。これで大丈夫かな。
 あっという間にもう午後3時。雪のお風呂からもう上がってしまった谷地坊主を見て、最後にロッヂ駐車場の排水桝に流れ込む雪解け水が作り出す水琴窟の音色を聞き、春の訪れを思う。「楽しかったですねー。」「次は総会で!」
小ネタ満載、大満足の観察会だった。

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自然観察交流会 2月1日(土)

2025年02月01日 | 乙女高原観察交流会
※まずは毛利さんのリポートです。

1 乙女湖は結氷しており、厳しい寒さを実感するとともに湖面に動物の足跡が見られました。

2 クリスタルラインの道路は所々アイスバーンになっておりました。
3 夏に入れない湿地は、冬は凍っているため、入ることができました。湿地では、シカ、イノシシ、ウサギ、キツネなどの足跡が観察でき、動物達の動きを想像するのが楽しかったです。
4 霜柱が幾重にも重なり、地面を相当な高さまで押し上げ、水が凍り膨張する際の圧力を思い知りました。冬に水道管が破損するのも納得です。

5 展望台からは富士山がうっすら望めました。笠雲がかかっており、天気の下り坂を感じました。
6 谷地坊主の群落は圧巻でした。生いたちの掲示板もあり、興味深く観察しました。天然記念物として、いつまでも残ってほしいものです。

7 午前中は青空が気持ちよかったですが、午後は急に雲が出始め、天気の下り坂を感じました。南岸低気圧はお手柔らかにしてほしいものです。
8 自然観察会終了後、角田さんのご自宅を訪ね、セツブンソウを愛でました。花が咲くまで最短4年もかかるそうで、種類もたくさんあり、角田さんの丹精込めた地道な栽培に感謝です。
9 このような貴重な観察会に参加でき、じっくり自然を観察することで気づかされることもあり、たいへん有意義でした。皆様、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

※続いて、伊佐治さんのリポートです。
お二人ともありがとうございました。おかげさまで行けなかった方々に冬の乙女高原を「おすそ分け」できます。

 道の駅花かげの郷を出発して最初に立ち寄ったのは乙女湖です。湖は結氷していました。おかげで動物たちも嬉々としてこのショートカットコースを渡ったのでしょうか、氷の上に積もった雪に足跡が残っています。何本かある足跡には途中交わったX型のものもありました。
 次に寄ったのは焼山峠です。

普段は湿地帯で入れない場所で雪に残された足跡探索です。チーチーと樹上ではコガラが遊んでいます。枯れ木からはまるでとろろ昆布のようなサルオガセがたくさん垂れ下がっていました。

 さて、動物の足跡でわかりやすいのはウサギ。前脚は2つ平行に後ろ脚は少し互い違いに残っています。シカの足跡もたくさんありました。こちらも分かりやすくまるで裁縫で使う和鋏です。ここで植原先生からクイズ。この足跡はどちらからどちらへ向かったのでしょう。単純に先割れスプーンのように分かれている方が前かなと思ったのですが、推進力で雪が溜まっている方が進行方向ではないかとのこと。渡辺さんが早速自分の指を使ってモデル実験。なるほど、奥が深い。さらにイノシシのものらしき足跡、3本指の鹿神様の足跡!(これにはトリックあり)、

一直線のキツネの足跡と、お天道様の下、日向ぼっこしながらの観察です。
 おっ、天然のアイスリンクがあります。この、アイスリンクはどうやってできたのかと皆であれやこれやと考察。グレーチングの下が雪で詰まって水が行き止まりになって溢れてできたのだろうと結論。長靴スケートはツルリンコでした。

 いよいよ乙女高原へ。左手に谷地坊主が見えてきましたが、期待していた雪をかぶった姿ではなくボサボサ頭の枯れ草色の谷地坊主です。高原全体も日当たりの良い中央部分に雪はなく想像していた冬の高原ではありませんでした。空は真っ青、風もなくお日様がぽかぽかと暖かく、のんびり自然観察するには良い気候でした。
 井上さんが双眼鏡で鳥を見ています。私もやっと使い方に慣れてきたパピリオ双眼鏡で観察。トンビが計四羽青空を気持ちよさそうに翅を広げて飛び回っています。誰かがゲイラカイトの話をしました。昭和40年代後半に流行った三角形の洋凧です。参加者皆さん同じような年代で話が通ります。植原先生がトビの英語名はブラックカイトだと続けます。それにしても上昇気流に乗って気持ちよく飛んでいます。良いなぁ。
 展望台で富士山を拝みます。あら、雪が少ない。雪のあるところとないところとでスジ状になっています。

すると渡辺さんが「私は山のスジが好きなんです。特に浅間山のスジ」と。なんとマニアックな見方でしょう。でもスジと聞いて私が想像したのは首すじです。年を取ると顔は化粧でごまかせますが、年齢が正直に出てしまうのが首すじだからです。間髪入れずに毛利さんが「私は牛スジ」ですって! そこからおでんの具の話に変わります。おでんほど地方によって中身の素材が変わるものはありません。それを聞いていた植原先生が西日本と東日本の違いについて話し始めます。いなり寿司の形状や座布団の真ん中の糸の留め方etc.では西と東はどこで分かれるのか?と話はとりとめもなく続いていきます (笑) 。
 さあ、また観察に戻りましょう。乙女高原で一番大きい冬芽を持つホオノキです。この冬芽、これで赤ければタカノツメです。植原先生が枝の段数を数えれば樹齢がわかると教えてくれました。松と一緒ですね。1年に一節ずつ伸びるのです。
 井上さんが鹿柵の効果がよく分かるポイントを示してくれました。それはササです。柵の外のササと内側のササでは全く様子が異なります。ササなんてスジが多くて不味そうなのに冬場は貴重な食べ物なんでしょう。柵の外側の笹は、葉は食べられて茎だけ残っています。内側のササは葉っぱもついています。ところが柵に近いところは葉が食べられています。

そこで再び植原先生クイズです。「柵から何センチ離れたところまで食べられているか?」これまでの最長は70センチ。確かにそのくらいまで食べられた跡があります。さあそうなると、金網フェンスの柵から一体どうやってササを食べたのかが不思議です。15センチ四方の金網からニューッと首を伸ばして食べたのでしょうか? 70センチも! 喧々諤々考察開始です。雪でササが柵側に倒れ込んでいた時に食べたとか、前脚でササを引き寄せたのだとか、脚の和鋏(ひづめ)でチョキチョキしたとか(笑)。こうなると実際の様子を見たくてたまりません。植原先生がセンサーカメラを設置しました。うまく行けばシカが四苦八苦して柵の外側から内側のササを食べる様子が見られるかもしれません。楽しみです!

 さあ、もうお昼です。エネルギーを使ったのでお腹はペコペコです。暖かいとは言え雪も残る高原なのでトイレにも行きたい。ロッジへ戻ることにしました。あれ?空を見上げると飛行機雲とは別に白い線が弧を描いています。何だろう?鈴木さんも不思議に思ったそうです。渡辺さんが虹に気が付きました。どうやら白い弧が太陽の周りをぐるりと回っていてそこに彩雲が出ているようです。どこからともなくトンビが7,8羽やって来て上空を旋回しています。カラスも鳴いています。「これはなんとか現象ではないですか?」詳しい鈴木さんが、ハロやアークの説明をしてくれました。やはりこれから天気は下り坂なのだろうと納得。この現象はあっという間に消滅し鳥たちも姿を消しました。しかし案の定お昼を食べ終えた頃から、あんなに青かった空は真っ白になりお日様も雲に覆われ寒くなってきました。
 午後は谷地坊主を見に行き、霜柱で盛り上がった地面やミルフィーユ状の氷を見て本日の高原での自然観察は終了です。

午前中とは打って変わって寒くなり鼻水を垂らしながら帰途につきました。
 林道でヒガラの行水シーンに遭遇したのはラッキーでした。早速コガラ、シジュウカラ、ヒガラの違いを勉強しました。少しずつ名前が覚えられれば良いなぁと思いました。
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乙女高原展47 乙女高原にカヤネズミはいるか?

2025年01月28日 | 街の駅・乙女高原展
乙女高原でカヤネズミの巣らしいものがススキ株の根元でたくさん見つかったのが2016年。それ以来、巣をバラして見つけた糞をDNA分析してみたり、シャーマントラップというわなを仕掛けてみたり、ペットボトルを再利用したわなを仕掛けてみたりしましたが、いずれもカヤネズミの生息に否定的な結果でした。




ところが、2020年に乙女高原で高さ70cmほどのススキの茎に、ソフトボールくらいの大きさの巣が見つかり、やっぱりカヤネズミがいるんじゃないかとの思いが再燃。
2023、2024年の草刈りボランティアでは、「みんなでカヤネズミの巣を探そう」プロジェクトに取り組みましたが、みんなが見つけた巣は、おそらく全部鳥(特にウグイスの巣はカヤネズミの巣にとてもよく似ています)。

乙女高原にカヤネズミはいるのでしょうか?

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