乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

花と昆虫のリンク調査●7月29日

2023年07月29日 | モニタリング調査

7月のリンク調査の第2回目を7月29日に行いました。

 7月(11日)と8月(19日)の調査の間が大きく空いてしまうし、この時期は花の入れ替わりが最も激しい時期なので、できるだけ調査をきめ細かく行いたいので、高槻先生はモンゴルへの調査でお留守中なのですが、なんとか自分たちだけで調査を実行することになりました。
 いい天気。甲府や勝沼では今日も猛暑日でしょう。今日も6人が集まってくださいました。中でも篠原さん夫妻と芳賀さんは3回目となる今年の調査の皆勤賞です(植原も皆勤賞です)。ありがたいことです。

 高槻先生はいらっしゃいませんが、経験者ばかりなので、簡単に調査方法を説明し、さっそく3チームに分かれて調査を開始しました。さすがに夏の盛りだけあって、「行き」だけで調査用紙の2枚目が必要になる(それだけたくさん昆虫が来ている)区間が出てきました。こうなると、調査に時間がかかります。涼しい高原とはいえ、お日様の下に長時間いることになるので、大変です。

 午前中では終わらず、前回と違って、午後も3チームに分かれて調査を続行。3時少し前にようやく調査が終了しました。花に来ている昆虫を記録するのは大変でしたが、それだけ、乙女高原での花と昆虫の結びつきの多様さ、複雑さ、生物多様性や生態系を肌で感じることができました。

 高槻先生、すみません。データの打ち込み等大変だと思います。

 皆さん、ぜひ8/19の調査にご参加ください。特に、若い人たちにはこの調査を経験してもらい、生物多様性や生態系を肌で感じていただきたいと思います。

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遊歩道の草刈り

2023年07月22日 | ボランティア作業

 草の成長力ってすごいもんですね。毎年11月に草刈りをして、草原は「丸坊主」状態で春を迎えているはずなのに、草たちは春からのわずか3か月弱でぐんぐん伸び、遊歩道にまで「侵出」しています。短期間でこんなに生長するのが草なので、アフリカのサバンナ=草はらに、大型の野生動物がいっぱいいるのもうなずけます。彼らのお腹を満たしているのは、どんどん伸びる=どんどん食べられる草なんですね。
 感心ばかりもしていられません。遊歩道が「侵食」されると、特に小さな子どもたちがとても歩きにくくなってしまいます。そこで、学校が夏休みを迎えるタイミングで遊歩道の草刈りをしようということになりました。

 このところ、危険なほどの暑さが続いていますが、作業当日の朝の気温はなんと18℃。肌寒いくらいでした。夏の乙女高原って、ホント天国です。
 9人が涼しい乙女高原に集まり、気持ちのいい汗をかきました。メインは遊歩道の草刈りですが、それ以外に、ロープに吊るしてある植物カードの更新や外来植物(ヒメジョオンやメマツヨイグサ)の抜き取りもやりました。
 遊歩道の草刈りはおもに刈り払い機で行いましたが、鎌を使ったエリアもあります。また、林道脇の草が伸びて、林道の幅が狭くなっていて、車の走行がしにくくなっていたので、できる範囲で草刈りをしました。「あ、この草は残そう」「この草は刈ってもいいかな」と「ひいき」してしまうのは・・・仕方がないでしょうか。

 

 植物のカードは1枚で4種類の植物を紹介しています。以前は、できるだけバラバラに付けていましたが、今は10箇所に集約して付けています。今は一番花の種類が多い時期なので、カード設置箇所にはたくさんのカードが付いています。植物の名前を知りたいときなどにご活用ください。
 シカ柵を設置して、中の植物が勢力を盛り返しています。「中の植物」の多くは乙女高原の在来種で、シカ柵を設置してすぐに回復したのがワレモコウやオミナエシ、ここにきて回復が著しいのがオオバギボウシやヤナギランなどです。ところが、「中の植物」には外来種も含まれています。シカ柵があることで、外来種も守られてしまっています。仕方がないので、人力で駆除しています。そっと草原の中に入り、外来種であることを一本一本確かめながら、まわりの植物を巻き込まないように、そっと抜き取っています。抜き取った外来種は、ロッジ玄関の東に積み上げてあります。ある程度、乾いたところで、処分する予定です。

 涼しい乙女高原とはいえ、日差しは強烈なので、熱中症に注意し、ペットボトルのお茶や、塩分タブレットを配布しました。作業用の手袋やカマも準備しました。もちろん、保険にも加入しています。

 11時すぎには事故もなく無事に作業が終わったので、打ち合わせをし、お弁当にしました。ゆっくりと休憩をとった後、遊歩道をみんなで歩いて自然観察を楽しみました。
 とにかく花、花、花です。ヤナギラン、カラマツソウ、ヨツバヒヨドリ、ノアザミ、ノハラアザミ、クガイソウ、タチフウロ、キリンソウ、ウスユキソウ、コウリンカ、シシウド、ヤマオダマキ、ウツボグサ、カワラナデシコ、オオバギボウシ、ノコギリソウ、クルマバナ、シモツケソウ、シモツケ、オトギリソウ、オオダイコンソウ、イケマ、チダケサシ、ハナチダケサシ、コウゾリナ・・・。たくさんですが、コオニユリ、ツリガネニンジンなど、まだ咲いてない花もいっぱいありますからね。どんだけ乙女高原の花の種類は多いかということです。
 森の下ではイチヤクソウがいっぱい咲いていますよ。

 一つ、納得のいかないことがありました。下のアスファルトの駐車場を歩いていて、おびただしいガの死体が落ちていることに気が付きました。一部は直線状に落ちています。「ハハーン」と思いました。夜、ここで洗濯物を干すように白いシーツを張り、こうこうと電灯をともして、光に集まるガなどの昆虫を採集した「ライトトラップ」の跡だったと思います。ガの死体が直線状になっていたのは、シートを張った真下にガが一番落ちるからだと思います。


 いくら趣味は本人の自由とはいえ、こんなにいっぱいの命を奪わなくてもいいじゃん!!と強く思いました。

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花と昆虫のリンク調査●7月11日

2023年07月11日 | モニタリング調査

 

 平日実施で何人の方に参加いただけるか不安でしたが、ふたを開けてみたら、高槻先生を含め6人の参加者がありました。6人いると、2人ずつ3チーム編成できます。
 高槻先生から調査の説明をお聞きしてから、3チームに分かれ、それぞれ担当の遊歩道で訪花昆虫の調査をしました。


 担当箇所に着いたら、巻き尺を伸ばして距離を測り、スタートです。遊歩道の右側2mの範囲を見て、花に昆虫が来ていたら、時刻・距離・花の種名・昆虫のカテゴリー名(カテゴリーはチョウ・ガ・ハチ・ハエとアブ・甲虫・その他の6つだが、もし知っていればできるだけ詳しく書く)・頭数を記録していきます。「行き」では距離がだんだん短くなって、最後に0になります。「帰り」道も同じように調査します。今度は距離がだんだん長くなり、延ばした巻き尺に到達したら1セットの調査が終了です。行きと帰りで、遊歩道の両側を見ることになります。

 

 午前中の調査が終わり、お昼を食べながら、調査終了区間を確認し、午後から未調査区間の調査をしました。みんなで行って、いっぺんに遊歩道両側の調査をしました。短時間で調査が終わり、あとはゆっくり遊歩道で自然観察しながらロッジまで帰ってきました。
 今日も楽しく調査が終わりました。

 現地での調査はここまでなのですが、たいへんなのが、この後のデータのパソコン打ち込みと、データ解析です。申し訳ないのですが、この作業と解析を高槻先生に一任しています。
 高槻先生によると、7月11日の調査結果の概要は以下の通りです。

・6月は、花ではキンポウゲとレンゲツツジが多く、昆虫ではハエ・アブと甲虫が多かった。合計は花の種数が9種で、訪花記録は90であった。

・それに比べ、7月は合計が299で3倍以上となった。花ではノアザミが非常に多く、シモツケがこれに次ぎ、その他は多くはなかったが、種数は13種となった。昆虫では甲虫が最多で、マルハナバチとハエ・アブも多かった。

・訪花昆虫の内訳を6月と7月で比較すると、甲虫はほぼ同じであるが、ハエ・アブが大きく減少し、ハチ、マルハナバチが大きく増加した。

・したがって、この1ヶ月で花が増え、中でもノアザミ、シモツケが多くなって、マルハナバチが多く訪れるようになったといえる。

・調査した7月11日時点では、ヨツバヒヨドリ、クガイソウ、ヤマオダマキなど多くの花がつぼみ状態であり、今後、これらが開花すれば訪花昆虫も大きく変化するものと予測される。

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乙女高原展38乙女高原のチョウ

2023年07月07日 | 街の駅・乙女高原展

街の駅やまなし「乙女高原展」の展示替えを行いました。今回のテーマは「乙女高原のチョウ」

中央線・山梨市駅のすぐ北です。お近くに来られた折りには、ぜひお立ち寄りください。

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谷地坊主の観察会

2023年07月01日 | 観察会

※井上さんかレポートを書いてくださいました。

 天気予報は雨。でも乙女高原なら雨でも歩けるだろうし、植原さんはきっと来ているだろうと思い、出かけました。途中では小雨が降ったりもしましたが、乙女高原に近づいていくと、雨は止んできました。塩平からの林道ではコアジサイが上品な薄紫色に咲いています。ヤマアジサイも咲き始めていました。アワブキの白い花も目につきました。法面の上にクモキリソウがきれいに咲いているのも見ました。
 乙女高原に到着すると、果たして植原さんがいました。さすがに一般のお客さんはいません。雨も止んでいるので、予定通り谷地坊主の観察です。長靴をはいて、念のためレインウェアを着て、傘を持って、観察場所になっている湿地へ向かいました。

 


 谷地坊主はすっかり夏の姿になっていて、緑の葉が四方八方に伸びていました。それがたくさん並んでいて壮観です。その中で、身体測定をするものが5つ決めてあり、プレートが打ってあるので、それらの計測をしました。

2人だけなので、植原さんが計測し、私が記録をしました。高さ、左右の広がり(幅)を測り、そこにいた生き物(虫)と植物も調べます。記録はその姿のスケッチもあるので、よく見ると、穂が出ていました。5つのうち、1つは何かで削られていて、根の部分が3分の1ほどなくなっていました。またもう一つは以前は島のようになったところにあったそうですが、今は流れの中で根の部分は削られて、プレートも流されてしまったとのこと。この計測はしませんでした。ほとんど流れのないところにできる谷地坊主ですが、時に大雨が降ったり、動物が歩くなどして変化していくのかな。それぞれにドラマがあるのでしょう。4つの谷地坊主の計測、記録を終えて、ロッジにもどりました。

 玄関前でゆっくり昼食を食べました。午後、植原さんは遊歩道の草刈りをするとのこと、私は草原を観察させてもらいました。
 先週のマルハナバチ調べ隊のときは、アヤメが盛りでしたが、もう終盤。ノアザミやヤマオダマキ、キンバイソウなどが咲き始め、夏の花たちが、開花の準備をしているようです。ヤナギランやオオバギバウシ、マツムシソウなどが増えてきていて、咲くのが楽しみです。
 ノアザミにはヒョウモンチョウの仲間やトラマルハナバチもやってきていました。少し晴れ間がのぞくと虫たちが出てきます。アブの羽音、エゾハルゼミや鳥のさえずりもよく聞こえていました。森のコースのマイヅルソウは実になり始めていて、そこにイチヤクソウが蕾をつけて立ち上がっています。膝くらいの高さになったエゾノタチツボスミレの花もまだ見られました。展望台から久々にブナ爺さんのところまで行ってみました。ヨモギ頭からブナ爺さんへの斜面にはギンリョウソウがいっぱい。やや終盤ですが、あちこちが白く見えていました。

 

 ゆっくりしていたら、1時間くらいの草刈り作業をし終えた植原さんが草原の上までやってきました。植物や昆虫を観察しながら、草原を下りました。ヨツバヒヨドリももうすぐ咲きそう。いろいろな植物が葉や背丈を伸ばしています。カラマツソウ、ハンゴンソウ、ハバヤマボクチなどなど。鹿柵のおかげでみな伸び伸びと育っているようです。
ロッジに戻って解散。雨に降られることもなく、楽しく観察ができました。

 私はミヤマシグレという木の花を見るために、途中の「四季の森」に立ち寄りました。ミヤマシグレはガマズミの仲間で赤い小さい蕾がたくさんつきます。そして、その先に白い小さな花が咲くのですが、その花が開いているところがなかなか見られず、すぐクチャっと縮んでしまうようです。蕾はたくさんありました。花も咲いていましたが、しっかり開いているのかよくわかりません。でもミヤママルハナバチが何頭も来ていたので、咲いているということでしょう。赤い集合花にクリーム色のマルハナバチ。可愛くてしばらく見入ってしまいました。いろいろ楽しい乙女高原です。

 

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