乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

ヤマアカガエル産卵調査(今年第3回)

2016年04月30日 | モニタリング調査

※小林さんがレポートを書いてくださいました。


<ヤマアカガエル産卵状況>
①ポイント 産卵無し、オタマジャクシ無し (ヒキガエルのオタマジャクシはいた)




②ポイント 産卵無し、オタマジャクシ多数




③ポイント 産卵1腹/オタマジャクシ、ヒキガエル産卵1腹






④ポイント 産卵無し、オタマジャクシ

<調査中の出来事>
・②のポイントで鳥の泣き声「シシシシシ」でヤブサメの泣き声と姿を確認(とても小さな鳥です)
・林道途中でイタヤカエデの黄色い花が咲いていました。花には見えずまるで葉のようでした。
・マムシグサは雄と雌の見分け方、中に入った口中が出やすいような大きな出口があるのがオスだそうです。
・湿地入り口にカラマツの枯れた葉がモッコリとしていたので素手で触った中は蟻だらけ! 植原さんから「エゾアカヤマアリ」と教えていただきました。気をつけないと噛まれて痛い目に!
・昼食後高原内の散策を行いました。富士の見えるポイントで私の目の前にギフチョウが風に乗って現れました。その際はまさかと思いましたがその後ブナジイまでの移動の際に植原さんからこの時期に風に乗ってギフチョウが高原のスミレで吸蜜するとの話が出て「さっき見ました!」と驚きの話です。
・草原内の花たちは、ミツバツチグリ、キジムシロ、フデリンドウ、、アケボノスミレ、ヒゴスミレの葉
・富士の見えるポイント脇のカラマツの花が咲いていました。
・④のポイントでタカ等が鳥を捕食して食べた残骸を発見。その場所は視界を遮る物がなく鳥には安全な場所でした。
・高原を降りスミレ観察会の下見を兼ねて塩平から母々峠の遊歩道入り口でスミレの観察を行いました。
確認できたスミレはマルバスミレ、アケボノスミレ、タチツボスミレ、エイザンスミレでした。スミレにはビロードツリアブが来ていました。


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第5回乙女高原観察交流会~ヤマアカガエル産卵調査

2016年04月02日 | 乙女高原観察交流会
●乙女高原観察交流会● 4月2日(土)

 山本さんがレポートを書いてくださいました。

 2016年4月2日、曇り。今月の観察交流会はヤマアカガエルの産卵調査と兼ねて実施されました。参加者は、植原さん、三枝さん、依田さん夫妻、それに私、山本とその同行者2名の7人で行いました。
用事で参加できなかった人や早めに帰られるご都合の方もいて、最後までの参加者は4名ということで、車3台で乙女高原に向かいました。

 先月の観察会ですでに卵塊が見つかっていた杣口林道沿いの産卵場所ではすでに卵塊の形は消滅していて、オタマジャクシになっていました。たくさんの数がかたまってじっとしていたものや、活発に動き回っているものなどが観察できました。気温は6.0℃とうすら寒く、水温は6.3℃とほんの少しだけ気温より高めでした。



 乙女高原名物の谷地坊主がたくさん見られる湿地帯での調査は3個所、湿地を歩くので長靴に履き替えました。こちらの気温は4.8度C、水温は5.5度Cでした。こちらでは先月の観察会では見つかってなく、3個所いずれでも卵塊の形で見ることができました。



 植原さんは先月の観察会後にも来られていて、事前に卵塊を確認されていましたので、調査はスムーズに進みはかどりました。調査結果はちゃんと記録に残して、日本自然保護協会の里山モニタリング調査データとして報告されます。
 湿地帯にはクリンソウの芽生えも見られました。同行してくれた仲間の一人が、水中で丸めた葉を背負ってヤドカリのように動いている虫を見つけました。植原さんに尋ねるとトビケラの仲間の幼虫で、成体は蛾に似ていて、フタメトビケラだろうとのことでした。




ツチハンミョウの仲間のヒメツチハンミョウの成体も見ることができました。トビケラの幼虫は葉の中にもぐってしまい写真に撮れませんでしたが、ツチハンミョウはじっとしていてくれたので写真に撮れました。

 湿地は水源湿地と言われ、水が湧き出していてここから川が始まります。シカの抜け毛が落ちていました。水を飲みに来ているのでしょうか。

 周辺には鹿の通り道もあってシカの皮剝ぎで枯れた木がありました。枯れたので虫が穴をあけ、その虫を取り出して食べようとさらにキツツキの仲間がつつくといったストーリーが観察できたのがおもしろいと思いました。


 ヤマアカガエルの産卵調査を終えたところで、植原さんと依田さん夫妻は帰られ、残った4人はロッジ駐車場に車を移動して、観察交流会を続けました。
 草原には霧がかかっていましたが、防鹿柵の中を森のコースを歩いて草原の上まで行きました。遊歩道にクチベニタケはまだ残っていましたが、口紅も色あせて口元が白くなっていて、ほとんど全部が胞子は飛ばした後でした。
 あいにくの天気で富士山は見えませんでしたが、柵の外に出て私の同行者にブナじいさんを紹介するため往復してきました。三枝さんも草刈行事などのイベントではいつもスタッフとしてロッジ前での役割を務めているので、久しぶりにブナじいさんのところまで来られたとのことでした。

根元回りに敷き詰めた落ち葉が飛散して無くなってしまっていたので、敷き方を工夫しないと子供たちがやってくれるせっかくの作業だからとのコメントでした。

 柵の中に戻って、柵の内外でササの状態が顕著に異なるのを観察できる場所を見てからレンゲツツジの群落地へと下りました。枝先には種子を飛ばすため裂開した果実と膨らみ始めた冬芽が同居しています。同行者にダケカンバ、シラカンバ、ヤエガワカンバのカンバ3兄弟を説明してからロッジ駐車場へと戻りました。

 食事をとっていると、道路を二人連れが歩いて来られたので、三枝さんが応対してくれました。
神奈川県から来られたということで、焼山峠に車を置いて歩いてこられたようです。高原が好きで、最近乙女高原のことを知って興味を持ったので来てみましたとのことでした。乙女高原ファンクラブへの勧誘を試みましたが、申し込み書がなかったので、ネットから植原さんに連絡をとってもらえるようお願いしました。
 ロッジ駐車場に着いた11時頃の気温は7℃でしたが、午後1時頃には霧も晴れて青空が少し見えるようになってきていて、気温は10℃ありました。

 今回もいろいろ発見があって楽しく勉強になりました。自分だけでは見過ごしてしまうようなことも何人かで歩くことで気づくことが増え、お互いに教え合ったり意見交換できるのが観察交流会のいいところですね。参加していただいた皆さんご苦労様でした。そしてありがとうございます。
 同行参加してくれた一人が感想を書き送ってくれたので添えておきます。

※初めて触れるヤマアカガエルの卵塊は想像以上に弾力があり、掬い上げると驚くほど透き通っていて、普段よく目にするヒキガエルの卵と比べて美しいと思いました。あちこちでミソサザイの声が聞こえ、「ミソサザイの声を聞くと春が来たと思う」と言う植原先生の言葉が印象的でした。
※ヤチボウズの湿地帯で見たトビケラの幼虫も興味深かったです。木の皮のようなものから頭と脚を出して動く様子は、なんともユニークなものでした。帰ってからネットで調べて、トビケラの仲間も種類が多くいることがわかりましたが、フタメトビケラは掲載されていませんでした。幼虫も成体もどんな姿なのか知りたいです。


注)フタメ(2目)トビケラではなく、ヨツメ(4目)トビケラの間違いでした(植原)
ちなみに、「目が4つある」という訳ではなく、4枚の羽根にそれぞれワンポイントで橙色の大きな斑点があり、それが目に見えるということです。
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