乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

ヤマアカガエル産卵調査

2019年04月21日 | モニタリング調査

※井上敬子さんがレポートを書いてくださいました。

 

  4月21日、乙女高原へヤマアカガエルの産卵調査に行って来ました。4月6日の観察交流会では、卵塊は途中のカエル池に5腹あったものの高原の湿地には1腹しか見つからず、どうなるのかと気になっていたので、参加しました。

参加者は2人。金桜神社上の道路にアズマヒキガエルがいるのを植原さんが見つけ、車を止めて観察しました。冬眠から覚めたばかりなのか、全く動かず、体も痩せています。道の真ん中にいては危険なので、植原さんが道端に移動してやりました。

 そして金桜神社上の湿地に寄ってみました。でも卵はなく、水も少なめでしたが、ビロードツリアブが飛んでいました。ハシリドコロやアブラチャンが咲いていて、キブシの房が長く垂れています。オオルリやミソサザイの声が聞こえ、だいぶ春めいてきました。

 次に山の神の所に立ち寄ってみました。林道わきの斜面にヒナスミレがたくさん咲いていました。スミレのプリンセスの名の通り、上品なピンク色のかわいい花がたくさんありました。カタクリも数輪ですが咲き始めていました。

 そしてカエル池と呼んでいるポイントです。観察交流会のときはオタマジャクシと卵塊がありましたが、今回はみなオタマジャクシになって泳いでいました。2週間前には全くなかったスミレもありました。アカネスミレ、タチツボスミレです。タチツボスミレは花が上を向いているソラムキタチツボスミレのようなものもありました。

 しばらく行ったカツラの大木の所にも立ち寄りました。芽吹きで赤い色が遠くから見えました。コガネネコノメ、ツルネコノメ、ハネネコノメ、ヒメニラ、ヤマエンゴサク、マルバスミレ、ハシリドコロなどが咲いていました。ニリンソウはまだ地面から出たばかりのように小さいけれど花をつけていました。途中の林道で、バッコヤナギがきれいに咲いていたので、車を止めて写真を撮りました。

木道のある湿地でヤマアカガエル産卵調査をしました。やはり水が少なく、流れ以外の所には水があまりありません。植原さんがやっと1腹見つけました。

谷内坊主のある湿地で産卵調査です。林道から湿地に降りていくと、光った卵塊が見えました。2腹ありました。そして前回の調査で見つけた1腹も近くにありました。そこから上流に向かって、卵塊を探しましたが、見つかりません。奥の湿地にも卵はありませんでした。ヤマアカガエルはどこに行ってしまったのでしょうか。もう少し暖かくなったら、卵を産みに出て来てくれるのでしょうか。心配です。

湿地ではヒガラが水浴びをしていたり、ホオジロのまだあまりうまくないさえずりやアカゲラのドラミングもよく聞こえていました。

この日は暖かくて、草原でも15℃くらいありました。昼食後、森のコースを上がって草原を一周してみました。まだ日陰には雪が少し残っていました。草原にはキジムシロやヤマオダマキの小さな葉がでているだけでした。展望台では富士山が雲をかぶってぼんやり見えています。暖かい斜面にスミレがいないが探しましたが、まだ葉がでているだけです。キジムシロの黄色い花が2輪、顔を出していました。ツツジのコースのほうに回っていくと、ツノハシバミの雄花がたくさんぶら下がっていました赤い。雌花も咲き始めていました。草原をあるいていたら、植原さんがねずみの地上巣を見つけました。

 

 少し早いですが、高原を後にして、塩平へ向かいました。自然観察路入口には、フモトスミレ、ヒナスミレが咲き始めていました。公家墓の所の木の下には、前回同様、杉の皮を細かく割いた塊りがたくさん落ちていました。誰のしわざなのか謎です。

 大きなカーブの所にはシカの骨が落ちていました。まだ毛などが付いた部分もあります。開けた所なので、こんなところで、シカがどうして死んだのだろうかと思いました。

 次に塩平のゲートの所で少し観察しました。ヒナスミレが咲いていましたが、少なかったです。イワネコノメがたくさん咲いていました。ハナネコノメは終盤でした。切り株にコケがたくさんついている上に、ドングリの殻がいくつかあります。これはリスの食痕でしょう。

 塩平の集落では桜が咲いていました。色の濃いエドヒガンやオオヤマザクラかと思われるきれいな桜もありました。下っていくのにしたがって、新緑が美しくなり、いろいろな春を楽しめた一日でした。

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4月の乙女高原連絡会議・乙女高原FC世話人会 議事録

2019年04月18日 | 世話人会

日 時:2019年4月18日(木) 午後7:30~9:00

※前回連絡会議/世話人会の議事録の承認。

乙女高原連絡会議

■第20回遊歩道づくり   (検討・連絡会議)

・来年からは「遊歩道づくり」のちらしを外注する→承認

・下見・準備は5月8日(水)午前10時グリーンロッジ。

 どなたかご参加ください。お願いします!

・どなたか水道水をポリタンクに入れてきていただけませんか?

 (救急用、トイレ後の手洗い用)

・シカ柵パトロールとシカ柵下部のペグ打ちを、どなたかにしていただきたい。

・悪天候時は、横内さんと植原で現地確認6時。

・ロープの「最初」に色付きテープが貼ってある

 (青は草原コース、赤は森、緑はツツジ)

・ドクターヘリにスムーズに来てもらうために現地の緯度軽度を把握しておくとよい。

・日曜の自然観察交流会で、雪の状況を把握して、メール報告する。

・5月8日までにスタッフの係割り当てを決め、ファンクラブ事務局に報告する。

 

乙女高原ファンクラブ世話人会

■村田さんが世話人に立候補→承認された。

■観察交流会(報告・世話人会)

・3月2日 参加者3人。  ・4月6日 参加者2人。

■ヤマアカガエル産卵調査(報告と検討・世話人会)

・今のところ1腹だけ。次回調査は今度の日曜。

■スミレ観察会(検討・世話人会)

・遊歩道づくりの午後が第1回。

 

そ の 他

・「市長さんと乙女高原を歩く」4月30日10時~12時

 各自で持参した弁当を食べて解散

・冨士ブロックス端数クラブの助成金を申請

・どこかに使わなくなった百葉箱はないか?

 

第2回連絡会/世話人会2019年6月20日(木)19:30~  牧丘総合会館

第3回連絡会/世話人会2019年7月18日(木)19:30~  牧丘総合会館

第4回連絡会/世話人会2019年9月19日(木)19:30~  牧丘総合会館

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4月の乙女高原自然観察交流会

2019年04月06日 | 乙女高原観察交流会

※参加された井上敬子さんがレポートを書いてくださいました。

 4月6日、観察交流会が行われました。今回の観察会の参加者は2人、植原さんがゲートのカギを持ってきてくれ、ヤマアカガエル産卵調査の地点を教えてくれました。仕事が忙しくて行けないのを残念がっていました。

 快晴ですが風が強く吹く中を、乙女高原に向かいました。乙ヶ妻のシダレザクラが丘の上できれいに咲いているのが見えました。金桜神社上の湿地に寄ってみましたが、やはりヤマアカガエルはいませんでした。ここのところ寒い日が続いていて、春も足踏み状態か、キブシの房もまだ短く、ハシリドコロも10cmくらいしか伸びていません。

 次に山の神の所に立ち寄ってみました。昨年、林道わきの斜面にヒナスミレがたくさん咲いていましたが、今年はまだ咲き始めで、数輪あっただけでした。でもかわいい薄ピンクの花に出会えました。カタクリは葉のみで、まだ花は全く出ていませんでした。

 そしてカエル池と呼んでいるポイントです。3月の観察会で卵塊と親のヤマアカガエルも確認した所です。その卵はオタマジャクシになって泳いでいました。また、だいぶ発生の進んだ卵塊が5腹ありました。ミソサザイのさえずりやカラ類の鳴き声もしました。風が吹くと寒かったです。昨年咲いていたタチツボスミレやアカネスミレ、ヒトリシズカはまだ見られませんでした。

 しばらく行ったカツラの大木の所にも立ち寄りました。昨年は芽吹きの赤い色が遠くからもよく見えましたが、今年はまだです。昨年咲いていたヤマエンゴサク、コガネネコノメなどは小さな葉が出ているのみ。でも渓流沿いにはハナネコノメ、ツルネコノメがわずかに咲き始めたところで、ハナネコノメの赤い葯が美しかったです。日当たりのよい斜面の一角にヒナスミレが数輪咲いているのを見つけました。今年はまだ花が少ないので、嬉しかったです。林道では、バッコヤナギやアブラチャンが咲いていました。

  焼山峠にもちょっと寄った後、木道のある湿地でヤマアカガエル産卵調査をしました。でも水が少なく、流れ以外の所には水があまりありません。2人で探しましたが、カエルの卵は全く見つかりませんでした。湿地の中がイノシシに荒らされて土がむき出しになっている所がかなり広くありました。シカのフンやササを食べた跡もたくさんありました。アカゲラのドラミングと鳴き声が聞こえ、探すと姿を見ることも出来ましたが、すぐ飛んで行ってしまいました。小鳥の声もするのですが、なかなか姿を見ることはできません。

  11時頃に乙女高原に到着。いつものことながら寄り道で時間がかかります。谷内坊主のある湿地で産卵調査です。下の方から見ていきました。1腹見つけましたが、あとは見つかりません。昨年は9腹もあったのに…。やはり水が少ないためなのか、寒さのせいなのか、産む場所に水がなかったらどうするのだろう、別の場所を探すのだろうかと2人で心配しながら、奥の湿地へ。昨年、卵があった場所は雪がまだ残っていて、卵はありませんでした。もう少し暖かくなったら、卵を産みにヤマアカガエルが出て来てくれることを願いつつ、ロッジへ向かいました。

  もう12時近いので、昼食にしました。日差しは暖かいのですが、風が強く、冷たいので、ロッジ入口で食べました。草原は日陰に雪が少し残っているだけでした。

 昼食後、いつものように森のコースを登っていきました。草原内のコケはすっかり乾燥しています。コケの名前プレートを確認しながら、登っていきました。多くのコケは乾燥して可哀そうな姿ですが、途中、雪が残っている所のコケは青々と美しいです。やはり水分が必要なのですね。

 展望台からは頂上が雲に隠れた富士山が、かすんで見えていました。金峰山や八ヶ岳も雪で白く見えています。スミレの咲く斜面を探しましたが、まだ葉も見えません。昨年、エゾアオイスミレを見つけた所にも何も出ていません。ヨモギ頭の斜面にじっと動かないヒオドシチョウがいました。鮮やかなオレンジ色で、羽も傷んでいないきれいな蝶でした。寒さで動けないのかなと近づくと飛びたちました。日向ぼっこの邪魔をしてしまったようです。ダケカンバの幹の白さが青空に映えていました。草原を下っていく途中のツノハシバミは雄花の房が垂れていましたが、まだ雌花は出ていません。エナガが2羽、木の枝に留まったり、飛んだりしているのを見ました。つがいで巣づくりをしているのでしょうか。ネズミの巣を探しながら、草原を下りました。1700mの髙原は春まだ浅く、草原内の芽吹きはほとんどみられませんでした。

 ちょっと早かったですが、草原をあとにして、塩平への道々で観察することにしました。林道を下っていくと、マンサクの花がきれいに咲いていました。細長い花びらが黄色く、中心部の赤い色が鮮やかでした。そこの斜面に数本のマンサクがありました。自然観察路辺りにスミレがあるかと寄ってみましたが、小さな葉がでているだけで、花の姿はまだありません。公家墓の所では、木の根元に木の皮を細長く割いたふわふわの塊りが落ちていました。木には洞があります。ムササビの巣材のようにも見えたので、周辺を探しましたが、フンらしきものはありません。誰のものなのか、なぜそこにそんなものが落ちていたのかもなぞです。道端を見ながら下っていくと黄色い小さな木の花がありました。アブラチャンかダンコウバイかという話になりましたが、ダンコウバイのようでした。 

 塩平のゲートのところでは、ハナネコノメとネコノメソウの仲間(たぶんイワボタン)が咲き始めていました。赤い葯とオレンジの葯がかわいかったです。塩平や西保地区の辺りの桜はまだ咲いておらず、やはり今年は昨年よりも春が遅いようです。道の駅近くまで来ると桜がきれいに咲いていました。いろいろな春を感じた一日でした。

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