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乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

ヤマアカガエル産卵調査 4月5日(土)

2025年04月05日 | モニタリング調査
参加された井上さんがリポートを書いてくださいました。

 4月5日、4月の観察交流会です。牧丘の道の駅に行くと、角田さん、植原さん、毛利さんの3人がいました。が、角田さんと植原さんは都合があって行けないとの事、毛利さんと二人で乙女高原に行くことになりました。この日はヤマアカガエルの調査日でもあります。調査票を植原さんから預かり、角田さんからはいちごの差し入れをいただいて、出発しました。前日、前々日は冷たい雨が降ったので、乙女高原は積雪があると思って、長靴を持参しましたが、雪はほとんどないとのこと。林道も雪はほぼありませんでした。
 最初の観察ポイントは山の神入り口、ここは例年ヒナスミレがたくさん咲いているのですが、今年は寒い日が続いていたこともあり、スミレは見当たりません。ないなあと思いつつ、歩いてみると林の入り口に小さなかわいらしいヒナスミレが見つかりました。2株ありました。奥の岩のところには咲き始めの小さな小さなハナネコノメ、イワネコノメもありました。そして、伸び始めて花も数輪咲いたハシリドコロも。春は確実にやってきていました。
 次にカエル池と呼んでいる水たまりの所で停車。少し水がたまっていて、ヤマアカガエルの卵塊が5腹ありました。ここも例年スミレが見られるのですが、全くありません。葉が出たばかり。キブシのクリーム色の小さな花はいくつも枝にぶらさがって咲いています。小鳥のさえずりも聞こえました。
 次はカツラの大木があるところです。カツラは赤い芽が出始めたばかり、数日後には赤く美しい新緑が見られることでしょう。

道路からカツラの木の立っている沢に降りてみました。沢沿いの岩の上には赤い葯が美しいハナネコノメと黄色い葯のツルネコノメが咲き始めていました。

ここも例年ならスミレなど春の花が見られるのですが、芽や葉が見られただけでした。
 乙女湖が見えるところで、車を停車。乙女湖の氷はすっかり解けてエメラルドグリーンの水が美しい。日陰の斜面に雪が少し残って、ひび割れていました。こんなところでも春の訪れが感じられます。でも遠く見える金峰山は雪で真白。昨日の雨は山では雪だったのですね。
 焼山峠の湿地も見てみました。例年ここもヤマアカガエルの卵が観察できるところですが薄氷がはっていたり、奥の湿地は雪も積もっていたりで、ヤマアカガエルの卵は見られませんでした。フィッフィッと甲高い鳴き声。ゴジュウカラが姿を見せてくれました。シジュウカラもいました。

 木道湿地でヤマアカガエルの産卵調査です。湿地の外回りで観察、湿地の中に入ってもみましたが、卵は見当たりません。寒いので、まだ産卵はしていないようです。流れの中に金粉のようなものを毛利さんが見つけました。金ではないでしょうが、何でしょうか。

 乙女高原に到着。まず産卵調査をしました。谷内坊主の湿地を探しましたが、卵はなし。でもメタリックブルーの美しいヒメツチハンミョウが姿を見せてくれました。冬には段状に高く発達していた霜柱もなくなっていました。これも春のきざしです。奥の湿地には雪が積もっていました。卵はたぶんないだろうと思いながら、近づくとヤマアカガエルの鳴き声がします。これは産卵の期待が持てます。しばらく鳴き声をじっとして聞いていましたが、湿地に入っていくと、鳴き声はピタッとやんでしまいました。卵を探しましたがありません。残念。でも鳴き声が聞こえていたので、人がいなくなったら産卵するのではないでしょうか。
 ロッジ前に行くと、もう12時。ベンチの所で昼食にしました。看板の所の温度計は7℃。空気は冷たいですが、日差しは温かいです。テーブルの端に黒と茶色の毛虫がいました。暖かくなって出てきたのかな。2人でおしゃべりしながら食べていると、荒川林道方面から車がきました。4月末に林道を開けるための調査に甲府から来たという二人連れでした。林道を開けるための準備が始まっているのですね。

 昼食後、草原に入って観察。鹿柵の扉も冬は霜で持ち上がって開けにくかったのが、そんなこともなくなりました。草原は日陰に雪が少し残っているだけでの枯れ野原。キジムシロの葉が出始めているくらいです。枯れたモミの大木の下にはいろいろな樹木が伸びてきています。これから生存競争でしょう。万歳をした形のオオカメノキの冬芽もだいぶ伸びてきていました。

 展望台まで登ってみると、真白な富士山が春霞のようなぼんやりした空に浮かんでいました。ヨモギ頭まで登るとダケカンバが林立しているのがよく見えます。樹間に真白な金峰山が見えましたが、南アルプスや八ヶ岳は雲に隠れてしまいました。午後になって、空に雲が広がり始めました。
 草原のコース上部ではコガラやシシュウカラのペアがレンゲツツジの枝などに止まったりして姿をよく見せてくれました。暖かくなってきて、野鳥たちも恋の季節ですね。草原のコースからツツジのコースをまわりました。ツツジのコースの林沿いはまだ雪が10cmくらい積もっていました。出口近くまで来るとモグラ塚がたくさんあります。2月に見たときよりも数が増えているようです。枯草の中に黒い土の小山があちこちにできていました。草原での観察を終了。

 帰りの林道でマンサクの花を観察。中心部が赤く、黄色く細長い花びらが伸びています。赤いのが目立ちますが、萼でしょうか。

ダンコウバイやキブシも咲いていました。
 下界は桜や菜の花が満開、桃の花も咲いてきて春爛漫ですが、高原はまだ春浅しという感じです。春のきざしがいろいろ観察できて、楽しい観察会でした。

訪花昆虫調査・2024年10月

2024年10月06日 | モニタリング調査
 今年も5月から始まった月1回の訪花昆虫調査。今年最後の、6回目の訪花昆虫調査が10/6に行われました。じつは、予定日は10/5だったのですが、天候不順が予測されたので10/6に延期しました。そんなこともあり、参加者が高槻先生を含めて4名になってしまいました。でも、秋も深まる季節だったので、そもそも訪花昆虫は少なく、調査を無事に終えることができました。

 朝、高槻先生を塩山駅にお迎えにいきました。空を見るとだんだん明るくなってきました。大丈夫だろうと思いました。ところが、標高が高くなるにつれて、雲ってきました。乙女高原に着くと、井上さんと芳賀さんが待っていてくださいましたが、ガスっています。こんな天気では虫もあまり動かないだろうと、少し天気の回復を待ってから調査を始めました。途中、明るくなることもありましたが、小糠雨のミストにさらされることもありました。
 お昼を食べてから調査を再開したら雨になるかもしれないと思い、お昼をずらして調査を続け、午後1時ころに調査を終え、ロッジの中で、みんなでお昼を食べました。


 訪花昆虫調査のルーツは、当時麻布大学の学生だった加古菜甫子さんが実施した調査です。2013年のことです。つまり、シカ柵設置前です。
 このときの加古さんのデータと比較することで、2015年秋に設置されたシカ柵によって訪花昆虫がどれくらい増えたのかなどを比較研究できるとの高槻成紀先生のご提案で、2018年8月19日に参加者 3人で訪花昆虫「再」調査が行われました。2020年は8月に4回、2021年は8・9月に3回、調査をしました。
 その後、これも高槻先生のご提案で季節ごとに調査することになりました。2022年には5~10月に、月に1回ずつ計6回、昨年2023年には5~10月に月に1回ずつ+7・8月は2回の計7回、そして、今年2024年は2022年と同じく5~10月に、月に1回ずつ計6回、訪花昆虫調査を行いました。
 これまで調査はのべ27日(回)、参加くださった人数は、のべ151人になります。


 じつは・・・とても虫のいい話なのですが、高槻先生には調査のご指導だけでなく、得られたデータのパソコン入力から考察まで、一手に引き受けてやっていただいています。
 来年1月26日の乙女高原フォーラムでは、シカ柵設置後、毎年9月に行ってきた植生調査結果も含めて、訪花昆虫調査によって明らかになったことについて高槻先生にご講演をお願いしています。ぜひ、ご参加ください。



植生調査        9月15日(日)

2024年09月15日 | モニタリング調査
 前日の訪花昆虫調査に続けて、二日連続の調査でした。朝9:00に、高槻先生、角田さん、加藤さん、植原の4人が集まり、調査を開始しました。
 この調査は、2015年のシカ柵設置後、どのように植物群落が変化していくかを調べるために、年一回、9月に行っている定点調査です。定点は草原の中に10箇所あり、そこには目印の杭とポールがあります。同じ地点で調査しているので、毎年のデータを完璧に比べられます。

 順番にポールを見つけては、各地点で調査していきます。まず、折り尺でコドラートを作り、10cm×10cmで出て来た植物を記録し、次に10cm×25cm、25cm×25cm・・・と、だんだん範囲を広げて、それぞれ初出の植物を記録します。1m×1mが終わったら、1m×1mの範囲内での各植物の被度と高さを記録します。索敵範囲をさらに広げ、1m×2m、2m×2mで初出の植物を調べたら、終了です。どんなに小さな植物も見逃さずに記録しなければならないので大変です。時には、「この草、わかんないねえ」というのも当然出てきますから、「イネ科の仲間」とか「スミレの仲間」とか書くこともあります。このルーティンを10回、繰り返すわけです。
 なんと、この日は午前中で全部の調査が終わり、ロッジのベンチでゆっくりお昼を食べることができました。
 調査に参加された皆さん、ご苦労様でした。ありがとうございました。

訪花昆虫調査9月    9月14日(土)

2024年09月14日 | モニタリング調査
※参加された大堀さんがレポートを書いてくださいました。

 9月14日(土)の「訪花昆虫調査」に参加しました。この日の予定は「植生調査」でしたが、参加人数と天気予報の塩梅から、翌日の予定と入れ替えての実施となりました。個人的には、7月28日の養成講座参加以来の乙女高原だっだのですが、里に下りたのか、もう冬支度に入ってるのか、昆虫の数がめっきり減って、7月の喧噪が嘘のように山はすっかり静かになっていました。


 当日、9人の参集でしたので、フィールドを4班で分担しました。「訪花昆虫調査」ってどうやるのか、動き回る相手にビクビクでしたが、良く「メンバーの特性を見計らって」いただきまして、幸いにも高槻先生の助手格となり、F,G,L,Eコースで記録取り作業に従事することができました。
 巻き尺を観察路のルートに敷いてから、ルート幅2mの中に生い茂るススキと夏草の枯れ模様の中で、アキノキリンソウやマツムシソウ、ノハラアザミ、ハバヤマボクチ、ノコンギク、ユウガギクなどの花を訪れる昆虫を高槻先生が距離ごとに次々と読み上げていくのを必死にメモします。そのテンポに負けまいと、単純作業のハズですが、正直、記録する側も慣れるのにちょっと時間が掛かりました。先生の読み上げる、ウラギンヒョウモン、キアゲハ、セセリチョウ、ハチ、ハエ、アブなど、自分で確認する余裕もなかったかな。
 慣れない中でしたが、ハバヤマボクチの総苞に一生懸命に潜り込もうとするマルハナバチや、花に集まるハムシ(米粒よりも小さい!)やガガンボには注視する余裕に巡り会え、なんとか高槻先生の熟練わざのおかげで時間内(ざっくり、午前90分、午後90分)に作業を終えられました。
 空は、朝方は大きな積雲がいくつも浮かび(雲量8?)、外気温も19℃で高原の陽気(木陰は長袖モード)でしたが、お昼前後はかなり晴れ間が広がって汗ばむ場面もあり、その後には今度は腹の黒い雲が一面に広がる(帰りの西保では道路面が濡れてました)、変化のある山らしい天気でした。
 次は?と言われたら、時季ごとのあるある植物を学習しておいた上で、やっぱり助手レベルかなと思ってます。なにしろ、動体視力・瞬間視ゼロの上に近眼老眼の難行苦行が予想されますので。
 それでも、自然の風を感じながら、自然と向き合う作業をできたのは、楽しい時間でした(お昼休みの、くつろぎすぎてしまった雑談も)。昆虫調査は昆虫が日光を浴びられるタイミングで行われれば活動を把握しやすいという高槻先生のお言葉を信じて、また参加したいと思っています。

訪花昆虫調査8月

2024年08月18日 | モニタリング調査
※参加された奥平さんがレポートを書いてくださいました。

 8/17(土)に 予定されていた訪花昆虫調査でしたが、台風接近による道路封鎖の為、翌日8/18(日)に実施されました。花を訪れる昆虫を見つけ、花、昆虫の種類、訪れた回数を記録する調査です。参加者は6名(うち子供1名)。2人1組になり、3チームに別れて調査を行いました。



 開始時刻10時の気温は20度。盆地の暑さが嘘のように涼しく心地の良いスタートでした。
 ノハラアザミ、タチフウロ、マツムシソウ、オミナエシ、ヤナギラン、カラマツソウ、ヒメトラノウ、ヤマハギ、シラヤマギク、タムラソウ、ノダケ、キオン、ツガネニンジンなどの多くの植物が花を咲かせていました。トラマルハナバチ、ミヤママルハナバチ、オオマルハナバチ、その他のハチ、ハムシ、アブ、甲虫類などの虫たちが花々を訪れていました。

 強い日差しが降り注いだと思ったら、ぱらりと雨粒が落ちてきたり、雲のご機嫌を伺いながらの調査でしたが、まとまった雨に降られることなく、14時頃調査を終えることができました。

 調査の中で、虫たちの活動が午前中の方が活発のように感じました。調査箇所も違う為、明らかな比較はできませんでしたが、温度、湿度、天候、明るさ等の影響もあるのでしょうか。興味深く感じました。
 今回の調査は、台風による林道閉鎖で日程変更があり、急遽参加させて頂くことができました。逆に、日程変更により参加できなかった方もいらっしゃったのではないでしょうか。次回は、より多く方が調査に参加できることを願っています。

 ご一緒させていただきました皆様に心から感謝いたします。