ガンプラ秘密工場(仮)

ガンプラ他、プラモデルを限られた環境下(ノンシンナー)で楽しもうというブログ
 

MG ヴィクトリーガンダムVer.Ka (その5・決戦前夜)

2010年01月14日 | F91・クロスボーン・Vガンダム
 MG Vガンダムの組み立ても後半に差し掛かってきました。

 まずは前回とは違うパターンのゲート処理について…。使用したのはつま先のパーツです。
 
 写真左:このパーツの場合、デザインナイフの柄パーツの一部とが干渉するため、ゲートを上方向からナイフで押し切るのがちょっと難しいです。
 写真右:とりあえず、ニッパーでゲート部分を短く切っておきます。

 色の濃いパーツの場合は、ゲート処理の時に気を付けないと、ゲート部分が白く目立ってしまうことが多いです。
 ゲート跡が白くなってしまう原因は…
 1.ゲート切断時にゲート周辺に負荷が掛かってしまい、パーツにひずみが生じてしまう。試しに、不要なランナーを曲げてみてください。曲がった部分が白く変色しますよねぇ? これと同様のことが小規模で起こっているんです。
 2.ニッパーやナイフでゲートを切断する時にゲート部分がきれいに切れず、もげてしまう。もげた部分には小さいヒビ割れが生じ、これが白く見えてしまう。弾力性に乏しい透明パーツの場合、このヒビ割れが発生しやすいです。

 ゲート部分の白化は「ニッパーの2度切り(ランナーからパーツを切り離す際に、まずパーツからやや離れた部分で一度切る→パーツがランナーから離れたら、今度はパーツの近くをニッパーで切る)」を行なえば、かなり防げます。

 「透明パーツをニッパーで切り取ったら、切り口がきれいにならない→パーツから離れた部分をニッパーで切る→残った部分をナイフで丁寧に切る」ということは、筆者が小・中学生の頃に通っていた書道教室の先生が教えてくださったことです。それまで筆者は、ゲート部分の仕上がりにはぜんぜん気を使っていませんでした。その先生は革ジャンを着てスポーツカーや大型バイクに乗って現れる、「ナイトライダー」のデビッド・ハッセルホフに似た、格好良い先生でした。今もお元気かなぁ…。

 さて、短く切ったゲートを、デザインナイフでそぎ落とします。ナイフで切る時の手順をちょっと工夫すると、ゲートがもげるのを防げます。
 
 写真左:ゲートの横方向から、ナイフの刃を入れます。
 写真右:一気に切ってしまわずに、ゲートの幅の1/3~1/4ぐらいのところで止めます。

 
 写真左:パーツをひっくり返して、ゲートの反対側からナイフを入れ、切断します。
 写真右:少しだけゲートが切り残しになってしまう場合があります。この部分をさらにナイフで切ります。ゲートが小さくなると、切る時に掛かる力も小さくて済むので、白化を抑えることができます。ナイフを使う時は、パーツのゲート周辺に傷を付けないように気をつけましょう。


 ゲートを切り終わった状態です。切断面を爪でしごくと、ゲート跡が周囲になじみます。普段はここまで丁寧にゲート処理しませんが、Vガンダムについては個人的に思い入れが大きいため、さらに丁寧に仕上げます。

 
 写真左:パーツの側面に目立つヒケがあるので、ペーパー掛けで処理します(耐水ペーパー800番を使用)。白っぽく見える部分はぺーパー掛けした状態ですが、赤い2本の縦線が入っているのが見えると思います。この部分が「ヒケ」と呼ばれる凹みで、工場での成形時にプラスチックが収縮するために生じるものです。凹んでいるため、その部分にペーパーが当たらず、磨けていないので生じる線です。パーツの裏側に突起がある部分に多く生じます。ちょうど足の裏のパーツをはめ込むためのダボの裏側(というか、パーツの表面)にヒケがあるのが分かるでしょうか? 
 写真右:ヒケの部分の線が消えるまで、ペーパー掛けを行ないました。しかし、この状態ではペーパー掛けした部分とそうでない部分との色の差がはっきりしています。


 そこでパーツ全体をスポンジ研磨材で磨いて、全体の色ツヤを統一します。パーツ全体を磨く理由は、ヒケや色ツヤのためだけではありませんが、もう一つの理由について書くと長くなるため、次回の記事で書きます。

 
 足の裏にも外装パーツに開いている穴から内部フレームの一部(黄緑色の線で囲った部分)が見えることによって色分けされている部分があります。つま先側の平行四辺形の部分にはゲートがありますので、丁寧に処理する必要があります。


 かかとの部分にも同様に、内部フレームの一部が色分けを兼ねている部分があります。黄緑色の線で囲った部分ですが、ここにもパーティングラインが入っています。気を抜けませんねぇ(笑)。


 組み立て途中の脚内部フレームです。足首関節のアキレス腱辺りのパーティングラインも念のため消しておきました。

 
 写真左:太ももの外装パーツにはパーティングライン(赤線で示した部分)・ゲート跡(青丸)・ヒケ(黄色の楕円)などが目立ちます。Vガンダムの脚部は航空機の機体のような滑らかなラインが特徴的ですので、いったん太ももの外装パーツを全てフレームに組み付けてから、全体をペーパー掛けして平滑にしました。写真では太もも上側のパーツは付けていませんが、この写真を撮った後に組み付けました。
 写真右:Vガンダムのひざ関節裏側には、F1マシンのインダクションポッドのようなエアダクトが突き出しています。可動範囲的には不利な形状ですが、それでも広い可動範囲が確保されているのは驚異的です。
 ダクト後部には排気口らしきスリットが設定されているので、フレームと同系のグレーで塗っておきました(ガンダムマーカー「00グレー」を使用)。

 関節の中にはやや保持力不足の部分があります。

 足首関節のボールジョイントがかなり緩く、ガタつきがあります。しかもこの部分、ボトムリム形態にはすねと足に一体感を与えるために縮めたり、MS形態では可動範囲を広げるために伸ばしたりするための引き出し式関節になっています。足フレームに設けられた穴の中でボールが移動するため、保持力向上目的でこの穴の内部に瞬間接着剤を流し込むのはあまりおすすめできません。瞬間接着剤が固まった表面は意外と凸凹になっており、ポリ製のボールジョイントを削ってしまう(=可動がまた緩くなってしまう)可能性があるためです。
 そこで、普段はポリキャップの弱点になっている習性を利用します。ポリキャップの穴に可動軸を差し込むと、弾力のある材質でできているポリキャップは外側に向かって広がります。この「広がる」ことが、ポリキャップ式可動部が緩む原因の一つです。重量が重くなる大型キットのポリキャップ式可動部は、この「広がり」を避けるため、ポリキャップの周囲をパーツが取り囲むようになっています。

 このキットのボールジョイントの保持力を高めるためには、まずすね側の足首関節からポリ製ボールを取り外し、写真のように足側のボール受け穴にボールを取り付けておきます。
 次に、すね側の足首関節の軸に瞬間接着剤をコーティングして、少しだけ太くします。瞬間接着剤が完全に固まったら、軸をポリ製ボールに差し込みます。すると、足のボール受け穴の中でポリ製ボールが広がり、ちょうど良い保持力になります。
 *軸をコーティングする瞬間接着剤はあまり多く付けないように注意が必要です。ボールの保持力が高くなりすぎると、軸が折れてしまう可能性がありますので…。


 股関節には足首のような引き出し機構は無いようですので、脚を股関節に取り付ける前に、股関節のポリ製ボールに瞬間接着剤を少量付け、脚を取り付けてからしばらく動かし(30秒ほど)、その後は瞬間接着剤が固まるまで放置します。ポリ樹脂は瞬間接着剤では接着できないため可能となる小技です。接着剤はほんの少しだけ付けます(先細ノズルを使用すると、量の調節がしやすいです)。
 この作業により、保持力は充分になりました。脚を持ってガンダム全体を軽く振っても大丈夫です。

 ホビーショーの頃から気になっていたことですが…
 
 このキットの脚は、ふくらはぎとくるぶし周辺のふくらみに対して、その間のくびれが少なめになっています。旧1/100HGキットや1/144キット(写真右)と比べると、やや単調なラインだと思います。くるぶしの部分の半円形の装甲パーツがすぼまるように付いているため、足首の可動範囲もやや狭いです(もともと足首関節の可動範囲が狭いのですが…)。

 
 写真左:脚のラインを変えるべく、くるぶしの装甲の取り付け角度を変更してみることにしました。裏側の接合用丸ピン2本を切り取って…
 写真右:足先に向かって広がるようにくるぶしの装甲を配置してみました。しかし、すねの装甲とくるぶしの装甲のラインがつながらず、不自然な感じになったため、元に戻しました(汗)。 

 とりあえず「Vガンダム ヘキサ」が完成しました。
 
 おお、格好良い! 先述の脚のラインも、意外と気になりません。いろいろと不満の声も多いキットですが、大事なことは「ほぼ完全変形のVガンダムの1/100キットが発売された! しかもヘキサ用のコアファイターまで付属! バリエーション展開も考慮されたランナー構成なので、今後はVダッシュガンダムなどへの展開も期待できる!」ということだと思います。
 破損しやすい箇所や保持力の低い可動部分、ロック機構が不完全な部分、差し替え式の手指、ビームライフルの保持力不足などが指摘されていますが、このサイズにこれだけすごい内容が詰め込まれたキットのなので仕方がない問題だと思います。取り扱いに注意し、丁寧に作業すれば、完全ではないにしてもある程度までは対応可能のはずです。このキットを見て「久しぶりにガンプラを作ろう!」という方には、かなり手ごわいキットになってしまっているとは思いますが…。
 
 「ポロリ」や「ユルユル」などの報告でキットを買うのをためらっている方もいらっしゃるかとは思いますが、意外と大丈夫ですよ~。

 
 *前回の記事&過去記事にも、たくさんのコメントありがとうございます!
 追伸・大佐さん:筆者は大阪人ですのでもちろん蒲生四丁目は知っていますが、行ったことはありません。

 -次回予告(黒田 由美の声で)- 最後のコアファイターを組み立てたオッサンの前に現れたのは、おびただしい数のマーキングデカールでした。赤いマーキングの猛攻にさらされたオッサンは、攻撃をかわすことにしたのです。
 次回、ガンプラ秘密工場「白いモビルスーツ」
 ……見てください!


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご存知とは思いますが・・・ (通りすがりの・・・)
2010-01-14 00:22:25
ローソンストア100というコンビニでは刷毛状の瞬間接着剤が売っていますよ。けっこう使いやすいですよ
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Unknown (コジロウ)
2010-01-14 00:31:48
<攻撃をかわすことにしたのです
ってかわしたんですか(笑)?
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Unknown (笠松)
2010-01-15 16:08:04
はじめまして、笠松と、申します。
いきなりで、もうしわけないのですが、私のブログと、リンクしていただけないでしょうか?
http://07838002.at.webry.info/です。
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こんばんは (大佐)
2010-01-15 23:03:33
私の様な奴にコメントを下さってありがとぅございますm(__)m
かめっち殿はEx-Sは作られないんですか?私は二個も作ってしまったのですが、未だに満足のいくのが出来てないので三個目の購入を考えてるのですが、なにぶん資金が(T_T)
ちなみに行きつけの店は蒲生四丁目近くのジョーシンです
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Unknown (名無しさん)
2010-01-17 16:48:06
赤いマーキングをかわして白いMS(笑)
うまい。
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ヘキサタイプの完成おめでとうございます (ヤブチカ)
2010-01-18 00:11:32
はじめまして。
いつも拝見させて頂いてます。
私も去年末から V ガンダム作っています。
別売の水転写デカールを買ってきてチマチマと貼ってますが、15M 級の小ささが恨めしいくらい気の遠くなる作業です。
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