アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

子どもを守る…

2014年08月14日 | Weblog
 小学校3年生向けにパワーポイントを使って話すことは…
 世界の人口が現在およそ71億9千万人。1分に137人増える。1日に20万人増える。1年に7千万人増える…。このあたりまでは、子どもたちは、「・・・・?」って感じです。
 地球規模では食糧難で、1日に4万人が餓死する。日本で1日に捨てられる食料は、およそ3千万食。…ここらへんで、子どもたちは正気を取り戻します。本来すべての子どもは優しい心を持っているのです。
 そんな子どもたちに、さらに追い討ちをかけます。
 働かなければ生活できない子が2億1千5百万人いるんですよ。学校?行けるはずないでしょう!
 とどめは、ストリートチルドレン。ブラジル、ロシア、モンゴル、北朝鮮、ルーマニア、カンボジア、インドネシアのストリートチルドレンの画像を見せて状況を話します。

 そこで、「今、君たちは何をしなければならないか?」と、問いかけて、ものの見方考えかたを説きます。「価値の押しつけはしません」と、学校の先生には言っていますが、実際はかなり押しつけています。もっとも、「いじめはダメ」のたぐいの価値観は、押しつけても苦情はないでしょう。

 この授業をするとき、いつもコルチャックさんを思い出します。会ったことがあるのかって?ナチス・ドイツ軍占領下のポーランドの話です(1942年8月)。コルチャックさんは、ユダヤ人孤児院の院長でした。自分だけが助かることを拒否し、200人の子どもたちとともにガス室が待つ強制収容所行きの汽車に乗った。1948年生まれの私が会えるはずないでしょう!
 コルチャックさんは、「子どもは大人と同じ程度に人間的な存在」という教育哲学を持っていました。
 実は、私は、孫たち(2歳~3歳)の質問にしっかり回答します。先日は、「スーパームーン」を、2歳9か月の孫と観察したのですが、なぜスーパームーンができるのか?大きさは?光りの具合は?孫は、言葉の意味を理解するはずがないのに真剣に聞いていました。いつもそうですがね。…コルチャックさんと私はよく似ているってことです…。だいぶ違うって?まあ、全然違います。

 コルチャックさんの思いは、「子どもの権利条約」の基になっています。条約には「生きる」「守られる」「育つ」「参加する」という四つの権利が明記されています。
 「子どもたちをあらゆる種類の差別や虐待、搾取から守れ」「紛争下の子ども、障害がある子ども、少数民族の子どもを守れ」…

 ガザで犠牲になる子も、子ども部屋で妖怪ウオッチに興ずる子も…守らなければなりません。