アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

かっぽう着の思い出…

2014年02月24日 | Weblog
 白いかっぽう着が、「時の人」ならぬ「時のファッション」になっています。

 まず、鮮烈にかっぽう着をデビューさせたのは、幹細胞研究で大発見した科学者の小保方晴子さん。実験室では、白衣ではなくかっぽう着。「凄い!」と、思いました。既成の概念を払拭しています。そして、かっぽう着にもっとも近い存在であろう庶民にとっても、幹細胞の研究にかっぽう着は意表を突かれた恰好。そういう人物だから、発見ができたのかも知れません。

 「ごちそうさん」(NHK連続テレビ小説)の杏さんも、かっぽう着。国民が毎朝目にするヒロインが、かっぽう着…。戦争を家庭から支えた国防婦人会の会服だったというイメージなのか、はたまた杏さんの容姿のせいなのか…あまり愉快な気持ちにはなれませんが…。

 そうこうしているうちに…ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞に輝いた黒木華(くろきはる)さんもかっぽう着姿の女中役だった。家人は、さっそく「舟を編む」のDVDを借りてきて観ていました。まったく、ミーハーの鏡です。

 と、いうわけで、かっぽう着が脚光を浴びていますが、今後流行るのか?小保方さんの研究室や、和服を着て調理する時には着られると思いますが、一般には流行らないと思います。なぜそう言いきれるかって?
 実は、私の母親も、四六時中かっぽう着姿でした。かっぽう着にも、「普段着」と「よそ行き用」がありました。どうしてかっぽう着ばかり着ていたのか?
 「かっぽう着を着ると、中に継ぎが当たったボロを着ていても隠せるから…」

 こうまで辛抱して、子どもたちを育ててくれているんだなあと、ジーンときたものでした。暮らし向きが楽になってくるにつれ、母のかっぽう着姿もめっきり減っていきました…。
 かっぽう着、大衆には流行りませんよ。継ぎが当たったボロ服を着ている人など、日本中捜してもおりませんから。