いつもお世話になっていますtakeyanさまが執筆しました「自治体連続破綻の時代」(洋泉社)ですが,今朝の読売新聞の1面広告にも掲載されていたこともあり,早速読んでみました。
うわー,自治体の6カ国協議やー!!(彦麻呂風に)
この本は,自治体の破綻シミュレーションした上で,現状の問題点を実に赤裸々に分析し,またその原因を追及すると共に,住民が市政に参加する様々な手法についても丁寧に論じています。さらに,自治体の予算決算の読み方を詳細に記載するほか,会計学的なアプローチから自治体の経営的実体まで追求しているというものです。
正直,「私が書きたかった内容」の半分以上を,より詳しく丁寧に記載していたため,もはや私の出る幕はない,っていう感じでした(もともと出る幕がないってか?)。
この類の本は,結構出回っていましたが,いずれも思想的にどちらかに偏っていたり,または分析はあるが,その対応策が書いていないなど,やや不十分な点が多かったです。
しかし,この本は,もちろん思想的に完全に中立であるとは言いませんが,比較的中立的な立場で,かつ客観的に分析して記載されていたため,思想の押し売りを受けることはなく,むしろ「読みながら考える」という本来的な読書スタイルを維持できると思います。
とまあ,あまりにべた褒めしすぎると,「お前はイエスマンか」と突っ込まれそうなので,あえて気になった点をいくつか書いておきます(もちろん,あえてというレベルの話です。)。
1 決算書の見方の部分がややマニアックすぎる。
会計学的な視点から決算書を見ると言うことは非常に大切ですし,著書に記載されていた点に注意しながら決算書を読めば,自治体の危機が分かることは事実です。そして,そのことを住民が注意しておくことが大切なのは言うまでもありません。
ただ,その内容が少々会計チック過ぎました。読者には「ずぶの素人」もいるわけですから,この点はもう少し分かりやすい事例を併記しておくと理解しやすかったかもしれません。
2 議員としてやるべきことがもう少しほしかった
著者は市議会議員として活躍されています。
そして,著書の中でも,議員の実体について赤裸々に記載しており,問題点も具体的に明記しています。
ただ,そこまで記載したのであれば,もう一歩踏み込んで,「議員として自治体の危機を回避するには何をするべきか」をもう少し具体的に提言しても良かったのではないでしょうか。
自治体破綻の危機を避けるためにまず最初の矢面になるのは議員です。そして,読者には他の自治体の議員も多いはずです。この点について提言があれば,より多くの自治体で破綻回避策が検討されうるのではないでしょうか。
以上です。でも,本当にパーフェクトな内容で,私の指摘はどちらかといえば「いちゃもん」に過ぎません。
このような本です。もし,まだお読みでない方がいましたら,是非ともお読みになることを強くお薦めします。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ

TB先一覧
http://ameblo.jp/takeyan/entry-10019221059.html
うわー,自治体の6カ国協議やー!!(彦麻呂風に)
この本は,自治体の破綻シミュレーションした上で,現状の問題点を実に赤裸々に分析し,またその原因を追及すると共に,住民が市政に参加する様々な手法についても丁寧に論じています。さらに,自治体の予算決算の読み方を詳細に記載するほか,会計学的なアプローチから自治体の経営的実体まで追求しているというものです。
正直,「私が書きたかった内容」の半分以上を,より詳しく丁寧に記載していたため,もはや私の出る幕はない,っていう感じでした(もともと出る幕がないってか?)。
この類の本は,結構出回っていましたが,いずれも思想的にどちらかに偏っていたり,または分析はあるが,その対応策が書いていないなど,やや不十分な点が多かったです。
しかし,この本は,もちろん思想的に完全に中立であるとは言いませんが,比較的中立的な立場で,かつ客観的に分析して記載されていたため,思想の押し売りを受けることはなく,むしろ「読みながら考える」という本来的な読書スタイルを維持できると思います。
とまあ,あまりにべた褒めしすぎると,「お前はイエスマンか」と突っ込まれそうなので,あえて気になった点をいくつか書いておきます(もちろん,あえてというレベルの話です。)。
1 決算書の見方の部分がややマニアックすぎる。
会計学的な視点から決算書を見ると言うことは非常に大切ですし,著書に記載されていた点に注意しながら決算書を読めば,自治体の危機が分かることは事実です。そして,そのことを住民が注意しておくことが大切なのは言うまでもありません。
ただ,その内容が少々会計チック過ぎました。読者には「ずぶの素人」もいるわけですから,この点はもう少し分かりやすい事例を併記しておくと理解しやすかったかもしれません。
2 議員としてやるべきことがもう少しほしかった
著者は市議会議員として活躍されています。
そして,著書の中でも,議員の実体について赤裸々に記載しており,問題点も具体的に明記しています。
ただ,そこまで記載したのであれば,もう一歩踏み込んで,「議員として自治体の危機を回避するには何をするべきか」をもう少し具体的に提言しても良かったのではないでしょうか。
自治体破綻の危機を避けるためにまず最初の矢面になるのは議員です。そして,読者には他の自治体の議員も多いはずです。この点について提言があれば,より多くの自治体で破綻回避策が検討されうるのではないでしょうか。
以上です。でも,本当にパーフェクトな内容で,私の指摘はどちらかといえば「いちゃもん」に過ぎません。
このような本です。もし,まだお読みでない方がいましたら,是非ともお読みになることを強くお薦めします。
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http://ameblo.jp/takeyan/entry-10019221059.html
ともあれ、取り上げていただきありがとうございます。
本当にためになる著書でした。一気に読み上げたのは久しぶりです。
今後も勉強させていただきます。
本棚に入り切らずに買ったまま紙袋から出せていない本が数十冊_| ̄|○
読みたい本は多数あれども・・・
買ったら収拾つかなくなる(滝汗
一気に読み上げたって事は、内容云々もさる事ながら、文章が上手なんでしょうねぇ。
さらっと読めてガツンと理解できる本は、大変ありがたい(笑
私も「読もうとしながら途中で挫折した本」が結構積んであります。俗に言う「積ん読(つんどく)」というやつでしょうか。
速読技術,学びたいなあと思ったことがありますが,一方で,わずか1分ちょっとで読書が終わるなんて,なんか本を読む楽しみがなくなってしまうような気もして躊躇しています。
今回の本は,文章はとても上手だと思います。だから,さらさら一気に読むことができました。そういう意味でも非常にお薦めな一冊といえるでしょう。