あれは,あれで良いのかなPART2

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モラトリアム法で1ドル150円時代に?徳政令にろくな歴史はない

2009年09月19日 18時49分04秒 | 経済全般
静香ちゃんが,貸し剥がし対策として,中小企業の返済時期を数ヶ月先まで猶予するいわゆる「モラトリアム法」をこの秋の国会で成立させる旨の発言をしました。しかし,藤井財務大臣はこれに対して慎重な対応をする旨の発言をするなど,閣内でも意見の一致が見られていません。
これを受けて,株式市場は,銀行株を中心に売りに出されるなど,多少混乱をしました。

亀井氏「モラトリアムを」 藤井氏は慎重 閣僚発言で市場混乱(産経新聞) - goo ニュース

モラトリアム法で儲かるのは闇社会のみ

金融システムを知らない人が大臣になってはいけませんね,やはり。亀井大臣は,せいぜい警察庁長官にしておくべきだったと思います。
モラトリアム法は,一見すると,中小企業の苦しい台所事情に配慮した神様のような法案にも思えるかもしれません。しかし,ちょっと考えてみてください。銀行は,数ヶ月間貸付金を回収できないとなると,まず銀行の経営がもっと逼迫します。そうすると,猶予している中小企業に更に貸付をするというのは,乱暴な言い方で銀行目線から見ると「盗人に追銭」に映ります。そうすると,銀行としては,基本的に追加融資はしません。
一方,中小企業としては,返済が一時的に猶予されたとしても,常に運転資金(しかもキャッシュフロー)が必要となります。当然,追加融資も必要となる訳です。ところが,銀行が貸さないとなるとどうなるかというと,これこそ「更なる経営難」に陥ります。すると,行き着く先は,「闇金」なのです。
そして,最後は倒産,銀行は結局回収できない一方,闇金業者は裏社会のプロですから,ある程度の回収はでき,当然損をしません。
つまり,モラトリアム法は,簡単に言うと,「闇社会を儲けるためのシステム構築制度」なのです。決して,中小企業は救われません。
のみならず,海外の投資家は,当然こうしたオチを見抜きますから,早々に円に見切りを付けます。今の円高は,決して円の価値が高くなった訳ではなく,単に投資としてのドルを引き揚げているだけに過ぎないからです。このドルと同じようなことが円で起こりますから,急激な円安に進みます。下手すると150円台にもなりかねません。そうなると,原油や鉄鉱石などの原料輸入経費が高くなり,国内経済がこれまた大混乱になります。

このことは,過去の歴史を見ても明らかです。永仁の徳政令(1297年)で鎌倉幕府は御家人救済を図りましたが,結果的に御家人にお金を貸す人がいなくなり,結果,ますます御家人の生活は貧窮かし,それが鎌倉幕府崩壊へつながったのです。

もし,それでもあえてモラトリアム法をやるとしたら,前提として「まず銀行が困窮化しない方策の構築」と,「確実な追加融資の実行」,そして「闇金に対する取締りと罰則強化」に加えて,「相当程度確実な経済成長案の提示」が必要です。
モラトリアム法は,汚い例でいうと,「飲み過ぎて吐きそうになった人の口を押さえた」だけにすぎないわけですから,「吐かないようにウコンを飲ませる」か「きれいに吐かせて汚れないようにする」か,「吐いた後に酔い覚ましの水を飲ませて早く立ち直るようにする」などまで考えなければ,結局,最後はより激しく吐くだけで終わってしまいます。こうしたフォローがあって,はじめて何とかなるのです。

返済猶予は決して良いことばかりではありません。むしろ,「金融機関の融資が受けられない場合の行政機関等による緊急融資方策」などを考えるほうが中小企業のためになりますし,経済全体にとってもまだましです。

モラトリアム法は,歴史的に見てもろくなことはありません。もっと,経済全般を見据えた政策を構築するべきです。これを強行したら,きっと,国民生活はもちろんのこと,民主党政権も一気に崩壊するでしょう。
静香ちゃんは,日本のためにも,もっと別の適材適所の場所においておくべきです。

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