あれは,あれで良いのかなPART2

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よそで携帯充電も立派な「窃盗罪」ですよ

2007年09月20日 23時08分27秒 | 裁判・犯罪
中学生が携帯電話を充電するために、コンビニのコンセントを無断で使ったとして窃盗罪で書類送検されました。被害金額は1円とのことで、この処分に賛否両論あるようです。

被害1円、盗電で中学生送検=コンビニで携帯無断充電-大阪 (時事通信) - goo ニュース

警告的書類送検でしょう

この事件、少年犯罪ということで、おそらくは検察庁としては刑事処分はしない(不起訴処分)が,保護処分(少年事件)として家裁送致となり、家裁も微罪として処分しないというオチになると思われます。
したがって、この少年は結果的にはなんら処罰されないでしょうが、ただ少なくとも警察においてお灸をすえられた、という点では意味のあることになったといえるでしょう。

ところで、この処分について、賛否寄せられています。反対派の意見としては、「金額がわずかである」ことや「誰でもやりそうなこと」などがあげられます。
確かに、金額が少ない場合、可罰的違法性がないということから、刑事罰は相当ではないという議論があります。しかし、電話の通話料金が無料となる機械を取り付けたいわゆるマジックフォン事件(ただし、窃盗罪ではなく偽計業務妨害罪)では、被害金額が通話料1回の10円ということで、可罰的違法性がないと弁護人が主張しましたが、最高裁は10円であっても可罰性ありとして有罪判決を下しました。もっとも、窃盗罪にそのままこの判例が当てはまるとは限りませんが、いずれにしても金額少ない=無罪、という単純な考え方を最高裁は持っていないということになります。
とすると、金額が少ないから大目に見てよ、という議論は本件では微妙なのかなあ、と思います。
また、「誰でもやりそう」というのは、かなり乱暴な議論です。これって、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という格言(?)と同じです。長年に渡り酒気帯び運転が放置されていた背景は、このような思想にあったといえます。やはり、犯罪行為は、みんながやるから見逃すではなく、みんながやるならみんなを処罰する、というのが筋なのです。
そして、むしろ、今回警察が書類送検したのは、この「みんなを処罰する」ための威嚇の意味があったのだと思います。すなわち、「よその家や店のコンセントを勝手に使うと処罰しますよ」ということをアピールするために、あえてこの中学生の事件について書類送検し、かつプレス発表したのではないでしょうか。
大阪という土地柄を考えても、結構多くの人が「店のコンセント拝借」をやっていたのではないでしょうか。

もっというと、「ブロークン・ウィンドウ理論」というのがありまして、これは「小さな犯罪の段階で芽を摘むことで、大きな犯罪を抑止できる」というものです。今回のケースは小さな犯罪ですが、これを見逃してしまうと、だんだん大きな犯罪に発展してしまう可能性があります。そこで、やはり「小さな芽」で摘み取るという姿勢が治安維持の観点からは非常に大切であったといえます。

結構携帯の充電を自宅以外でやっている人は多いのではないでしょうか。例えば、会社のコンセントを拝借して充電、なんていう人はむしろ普通にいると思います。しかし、会社の許可なく充電することは、会社の財産を盗んでいることと同じこと、わかりやすく言えば、「会社のボールペンを自宅に持って帰っている」ことと同じことです。極論ですが、下手すると、無断充電を理由に会社を解雇されても文句言えなくなる可能性すらあります。まして、コンビニや公共施設などのコンセントを無断で使うことはもってのほかです。
今回のニュースを通じ、心当たりのある方は、「よそで充電」は自粛しましょう。改めて言いますが、「電気を盗むと窃盗罪になる」という点は自覚してください。
「電気を盗んだら、電気椅子に座ることになった」などとならないように!(もっとも、日本では電気椅子ないし、窃盗罪に死刑はありませんが・・。)。

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