あれは,あれで良いのかなPART2

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IWCって「私は便所」ではありませんよ

2007年06月03日 20時45分17秒 | 外交・海外情報
IWC総会において,日本の沿岸捕鯨要求も否決されてしまいました。日本としては,IWC脱退も示唆しているとのことです。

捕鯨 譲歩案もけられ… 日本「忍耐もはや限界」 脱退示唆 IWCを牽制(産経新聞) - goo ニュース

鯨問題は根が深い

鯨の問題は,実は相当な政治的駆け引きの世界なので,外交下手な日本が今のままで太刀打ちできないのは当然の話です。
そもそも,捕鯨反対国筆頭にアメリカがいますが,実は調査捕鯨量は,アメリカは相当あります。つまり,アメリカは「実質捕鯨国」なのです。
また,乱獲による頭数減を指摘していますが,ある調査では鯨の頭数は増えてきており,むしろ逆に増えすぎて生態系バランスを見出し始めているとの話もあります(ただし,この点は,別の調査では絶滅寸前であるとしているため,どちらが正しいのか明確ではありません。)。
さらに,日本では食生活の変化から鯨消費量(需要量も含めて)は減少しており,仮に鯨が自由に捕獲できるようになったとしても,そんなに急激に需要が増える状態にはありません。とすれば,沿岸捕鯨を認めたとしても,自国需要量に限定という条件であれば,生態系を見出すようなこともありません。
その上,文化としては,例えば文楽人形には鯨のひげが使われています。これは,細かい理由は分かりませんが,ナイロン糸では代用は困難なようです。

などなどという正論を会議ではぶつけていますが,反捕鯨国はてことして動きませんでした。日本はあくまで「商業捕鯨である」と認定されているようです。
つまり,ここまで来ると,「理論や議論で解決」ではないのです。
こうなると,IWC脱退も本当に考えてもよいかもしれません。もちろん,乱獲だけは許されませんから,日本なりの「科学的根拠」と「あくまでも商業捕鯨ではない」という実績を作ればよいのではないでしょうか。
何よりも,日本がIWCを脱退することで一番困るのは「他の加盟国」です。なぜなら,日本は1割近い拠出金を払っているわけですから,日本が脱退すればとたんに資金繰りに窮するからです。

ちなみに,日本と鯨の因縁は結構古くからあります。例えば,ペリーが日本に戒告を要求し,下田と函館を開国させたのは,「捕鯨船の中継基地」の為なのです。つまり,鎖国は鯨によって破られたのです。
また,日本はもともと遠洋捕鯨はやっていませんでした。一方で,一説ではハワイに初めて行った日本人は,1600年代に捕鯨船の難破船に乗っていた人であるということだそうです。そのハワイでは,マウイ島のラハイナはまさに捕鯨の町で,今でも町には鯨に関するいろんなものがあります。そのハワイをアメリカが併合した事情の一つとして,日本の開国同様「ハワイ捕鯨基地」のためであると言われています。

今回のIWCに限りませんが,日本は今マグロやサケマス協議などにおいてもすべて劣性に回っています。もちろん乱獲を薦めるわけではありませんが,やはりまずは政府の外交力の向上を期待したいものです。そして,すべての価格が上がっている今,このままでは,魚はすべて「高級魚」になってしまうかもしれません。そうなると,回転寿司も「一皿千円から」なんていう時代が来るのかもしれませんね。
IWCの協議はあくまでも鯨だけの話ですが,日本の外交力を示す会議である以上,他の魚の話にも間接的に影響するのです。そう考えると,私たちとしても,もう少し本気でこの会議の行方を見守るべきかもしれません。

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コメント (8)
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