病院に行った。ここは個人のクリニックで、入り口に下駄箱があり、スリッパに履き替える。私はスリッパが苦手なので、持参した上履きに履き替える。
診察と会計を済ませて、病院を出ようとしたら、けたたましい声がした。
「私の靴がない!盗まれた!」見ると私よりやや上の世代のおば様である。きーきー喚くのを受け付けの人が落ち着かせて話を聞く。診察時間も終わりに近づいているので、患者も少なく、残っている女性はその人と私の他は、二人だった。
「ご自分の靴を手に取ってください」と言われ、それぞれ靴を手にしたら、一足あまる。
「私の靴、これに似てるけど、私のじゃないわ。」
間違えて履いて行った人が誰なのか、病院のスタッフにもわからない。このままじゃ帰れない、と怒り心頭の女性に、スタッフは淡々と靴の管理までは出来かねますと告げ、持ち主がなのりでたら、ご連絡します。と話した。
病院での靴の取り違えは、けっこうあるので、私は人が取りにくい下段に入れたり、靴の爪先が見えるように入れたりする。取り違えに遭いやすい靴は、圧倒的に黒なので、要注意である。
通販の靴や、全国チェーンの靴は大量に出回っていて、被る事も多いので、通院が多い私は、そういった靴は買わないことに決めている。
今日もどこかで靴の取り違えは起きているだろうなあ。あの女性の靴が、戻っていますように。
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