水道管が、破裂した。大体の場所はわかるが、正確な場所はわからない。業者に電話して、とりあえず来てもらってから、10日ほど経った。
見えない場所なので、開けて見ないと何とも言えない、という話。専門の職人を手配しますが、すぐにはできません。済まなそうな顔のお兄さんに、気にしないで下さい、この時期忙しいのは当たり前ですから、と声を掛けた。
夫は業者が来たから、すぐ直ると思っていて、ガックリしている。
数年前にも同じようなことがあったが、その時は業者への電話すらなかなか繋がらず、繋がっても見積もり取りに来てもらうことも出来なかった。2か月待ち、という業者もあったし、急ぎならよそを当たって、と断られたこともあった。
その時に縁があったのが、今の業者さん。水回りは困りますよね、と見積もりに来てくれて、修理に取り掛かるまでに時間はかかったけれど、2か月待ちに比べたら格段に早かった。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、で夫はあの時の断水生活のことはすっかり忘れたようで、水汲みを頼むと何でだ?みたいな顔だ。
朝元栓を開け、ありとあらゆる空き容器に水を溜める。日中家にいるのは私だけのことが多いので、これで凌げる。
家族が帰宅したら、元栓を開け、急いで入浴してもらう。洗濯機を回し、水を汲み、急いで洗い物をする。息子達は特に気にしていないが、夫はげんなりしている。
「昨日もおとといも、風呂に入ってない」とブツブツ言っている。そんな筈はないのだが、急かされて入るお風呂では、入った気がしないんだろうなあ。
気持ちは分かるけど、元栓開けっぱなしにしていたら、水道料金がどれほど跳ね上がるか。水道料金は、あなたの口座から落ちるんですよ、と言ったがピンと来ない様子である。
今日水道メーターの検針があり、伝票におおよその料金が書いてあった。朝夕それぞれ30分ほど開けるだけだが、料金は驚くくらいに上がっていた。
次の請求も、このくらいかしらん。増えた水道料金も痛いけど、修理料金はどのくらいになるかなあ。
夫には何年かに一度の水トラブルも、それ程間隔が開いたとは感じられないようで、「何でこう次々壊れるんだ!?(前回の)修理が適当なんじゃないのか?」とイライラしている。
まあまあ、ご主人、落ち着いて。
「この家が建ったのは、昭和何年でしょうか?」
「ん?昭和40年か?」
「残念!昭和36年でーす」
「では、この家に水道が引かれたのは昭和何年でしょうか?」
「そりゃ昭和36年だろ、家建てるなら水道引くだろ」
「残念でした。昭和46、7年頃です。」
「変じゃないか、家が建ってから水道引いたのか?」
「そうらしいよ。昔は井戸だったんでしょ、おばあちゃんに聞いて知ってるよ」
「そう言えばそうだなあ、井戸、あったなあ」
「水道引いてから50年くらい経つんだから、あちこち傷むのは仕方ないし、うちは家を建ててから水道引いたから、元々よそのお家より水回りに無理があるんだよね。」
珍しく、私の話に聞き入る夫。
「その後に増築もしてるし、水洗じゃなかったトイレも、水洗にする工事をしたから、水道も排水も、あちこちいじってる。」
「お前よく知ってるなー。」
・・・あなたが生まれた家ですよ。少しは覚えてくださいね。
時間制限なしに、ゆったりお風呂に入りたい、朝の水汲みが嫌だ、とストレスが溜まる夫のために、息子達が銭湯に誘ってくれまして、家族で出かけてきました。みんなでゆっくりお湯に浸かり、命の洗濯をして来ましたが、それについてはまた後日。