相対的幸福感

　幸福感は、人との比較の中でしか得られないものなのだろうか。

　人様がどう思おうと、自分が良しとするから幸せなのだ、と、絶対的幸福感があるのならそれでいいのだが、なかなかそうもいかないだろう。

　このような心境になることもある。例えばスポーツの試合など、だ。身体的にギリギリまで踏ん張って、体も心も余裕のないときは、人がどうとか関係ない。ただ、目の前の勝負にのみ集中し、自分の内側から聞こえてくる声のみに耳を傾ける。あれこれ考えてる余裕のないときはこんな感じになる。

　普段の生活でもそのようであればつまらぬ思いにとらわれ判断を誤ることもないのに、と思う。が、人間は社会的動物、他者とかかわることなしには生きていけない。ならば、相対的幸福感というのもある程度必然だ。

　必然であるが、それだけでは幸せにはなれない。愚かな比較を辞めるように、意識して努力する必要があると思う。