というセリフは、講師ならよく使うが、実は突き放したセリフでもあると思う。
膨大な情報量を目の前にすると、思考停止状態になる。そんな時、質問なんて到底思いつくものではない。
説明する際は、いつも聞く側の思考の流れを誘導するように説明しなければならない。すると、説明し終えた時点で、大概の質問は想定済み、になるはずだ。
もちろん、ときに、突拍子もないところから質問が発生するときがあるが、大概は予想がつく。
だから先回りして、あれこれ仕掛けるのだが、いつでもそんなに親切にやればいいというものでもない。学力を本気で伸ばそうと思ったら、しばしば突き放すことが必要になる。
そんなとき、「何か質問はないですか」という。
ほとんどの場合、ありません、と答えが返ってくる。でも、もう一歩悩んでほしいのだ。
ただ、講師が、説明するのが面倒になってこの手を使って、相手の責任にしてしまうこともある。そうならないようによくよく自重せねば。