知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

クレーム解釈に出願経過を参酌した事例

2011-03-21 22:06:14 | 特許法29条2項
事件番号 平成22(行ケ)10209
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成23年03月17日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 滝澤孝臣

(5) 以上の手続経過に鑑みると,原告は,拒絶査定を避けるべく,本願発明の特定に当たりディスクに保存される対象からOSの起動プログラムを排除した(前記(3))ほか,分割出願の要件を満たして出願日を遡及させるべく,駆動モーターが定常速度になった後に制御部がディスクから読み出す対象からOSの起動プログラムを除外した(前記(4))ものと認められる。

 そして,他に本願発明の特許請求の範囲の記載中にはディスクの保存対象としてOSの起動プログラムが含まれると解するに足りる記載が見当たらないことも併せ考えると,本願発明の解釈に当たり,ディスクにOSの起動プログラムが保存されていないものと認定し,引用発明との関係で相違点を認定しなかった本件審決に誤りがあるとまではいえない

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