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知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

称呼が同一の商標の類否の判断事例-類似を肯定した事例

2010-08-29 11:59:45 | Weblog
事件番号 平成22(行ケ)10150
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成22年08月19日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 塚原朋一

 これらのコマーシャル等の音声情報自体は,証拠として提出されていないものの,これらのテレビ,ラジオ等によるコマーシャルにおいて店名等が告知されているものがあることが推認できる上,本願商標と引用商標の共通の指定役務である「飲食物の提供」の分野において,称呼が極めて重要であることは自明であるから,本願商標と引用商標の類否を判断する上で,外観及び観念の果たす役割を軽視するものではないが,称呼の果たす役割が非常に大きいことは否定できない

オ 以上のとおり,本願商標と引用商標の外観は大きく異なり,両商標からは特段の観念が生じないか,又は互いに異なった観念が生じ得るものであるが,他方で,両商標からはいずれも「きょうや」との称呼のみが生じるものであって,両商標から生じる称呼は完全に一致している。
 また,引用商標の指定役務は,本願の指定役務と同一又は類似する役務を含むものである。

 以上の事情を総合的に考慮すると,たとえ外観が大きく異なるとしても,称呼が完全に一致することからすれば,本願商標と引用商標は類似するというべきであり,これを「飲食物の提供」に用いた場合に誤認混同が生じるおそれは否定できず,本願商標につき商標法4条1項11号を適用した審決に誤りはないから,原告の請求は棄却を免れない。

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