知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

特許請求の範囲の用語の認定

2007-02-18 22:13:56 | 特許法36条4項
事件番号 平成18(行ケ)10226
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年02月14日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 篠原勝美

『 原告は,被告が辞書を引用するなどして,本願補正発明1の「山部」,「谷部」及び「ひだ状」の記載を解釈したことに対し,本願補正発明1とは技術的意味が異なる引用文献に記載された吸収体製品の表面シートにおける,「凸部」,「凹部」及び「折目状」と解釈することは,
単に,対応するこれらの語が通常の日本語として類語に近いものであるという程度の意味しかなく,高度に専門的で口語とは異なる点において,必ずしも通常の日本語とはいえない特許請求の範囲における技術的用語の解釈としては,はなはだ妥当性を欠くものであり,特許請求の範囲における技術的用語の意味の解釈として,一義的に明確ではない旨主張する。
 特許請求の範囲で使用する用語は,原則として,その有する普通の意味で使用しなければならず,特定の意味で使用しようとする場合には,その意味を定義して使用することを要する(特許法施行規則24条の4,様式第29の2備考9参照)ところ,本願補正発明1に係る技術分野において,何らかの技術常識によって,その表面シートの「山部」,「谷部」及び「ひだ状」との用語が,普通に理解されるのとは異なった意義に理解されるものであると認めることはできず,特定の意味で使用される用語であることを定義した記載も見いだせないのであって,「山部」,「谷部」及び「ひだ状」との用語が有する普通の意味において,その内容が,技術的に一義的に明確であるといえることは,前記(2)のとおりであり,原告の主張は採用の限りではない。』

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