徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

伝統の火が立ち消え!?

2018-03-15 21:04:34 | 音楽芸能
 楽しみにしていた桜の季節恒例の健軍神社「花の薪能」が今年は中止だという。なんでも境内に新しい建築物が建てられることになり、薪能を行うスペースがとれないのだそうだ。ということで、この春の名物行事は廃止の可能性が高いという。
 熊本の能楽は、加藤清正の肥後入国につき従った金春流武家能役者・中村靭負に始まり、能をこよなく愛した細川家の時代になると、喜多流(本座)と金春流(新座)の二流が御流儀となり、本座は祇園社(北岡神社)に奉仕する喜多流友枝家が、新座は藤崎八旛宮に奉仕する金春流桜間家が肥後能楽の高い水準を支えた。全国でも屈指の歴史を有し、数多の名人を輩出してきた熊本の能楽は我々熊本県民の誇りでもある。意欲的な新作能が度々上演されたり、海外への普及活動も積極的に行われたことも記憶に新しい。
 然るに昨今の状況を見ていると、この伝統の火が徐々に弱まっているような気がしてならない。我々能楽ファンにとって残念であり、また強い危機感を感じているところである。


花の薪能2016 喜多流 能「春日龍神」(シテ:狩野了一さん)


花の薪能2017 喜多流 仕舞「桜川」(大島衣恵さん)

JR上熊本駅の3年

2018-03-14 16:59:52 | 熊本
 今日3月14日はJR上熊本駅の新駅舎が完成してちょうど3年。JR鹿児島線の熊本―上熊本駅間などの高架化工事が完了し、この日開通、新駅舎での営業を開始した。由緒ある上熊本駅の新しい歴史が始まったが、翌年には熊本地震が発生、新駅舎の立ち上がりは思いもよらぬ激動の3年だった。


今日のJR上熊本駅


夏目漱石像と後方は漱石が降り立った池田停車場(上熊本駅)駅舎。現在は熊本市電の上熊本駅電停

2015年3月14日、蒲島熊本県知事、大西熊本市長、青柳JR九州社長、設計者の水戸岡鋭治氏などが参加して行われた「上熊本駅舎落成式」

2016年4月13日、蒲島知事、大西熊本市長、夏目漱石文化振興推進会議の各委員らが参加して、漱石来熊120年を記念する「お帰りなさい漱石先生 歓迎式典」が行われた。その翌日、熊本地震前震発生。

"51" It means more than 50.

2018-03-13 20:22:23 | 日本文化
 今、水郷の町柳川では「柳川雛祭り」通称「さげもん」の真っ最中。春の訪れを告げる華やかな雛壇とその両脇に飾られる「さげもん」。女の子が生まれるとその子の幸せと健やかな成長を願って親戚や祖母たちが縫い上げる「さげもん」は、本来、「7X7=49」だそうだが、人生50年と言われていた江戸時代、1年でも長生きしてもらいたいという願いを込め、中央に大きな毬を2個下げて「51」にして飾るようになったという。


北原白秋生家のさげもん


 海の向こうでは、古巣シアトル・マリナーズに復帰したイチローが記者会見。現在、44歳のイチローは日頃から50歳まで現役を続けると明言している。彼がこの記者会見で強調したのは、50歳というのは最低目標であって、それから何年積み上げられるかに挑戦したいという。彼のトレードマークともなっている背番号は奇しくも「51」。オリックス時代の1992年から、ヤンキース時代を除いて、ずっと「51」をつけているが、この番号はオリックス球団から与えられたもので自分で選んだものではないという。しかし、今となっては「50歳以上」までの現役生活を目指す彼にとって、これほどピッタリな数字はない。

「山鹿をどり」の演目は

2018-03-12 21:33:01 | イベント
 4月14・15日の両日、三味線音楽の大御所・本條秀太郎さんを迎えて山鹿八千代座で行われる「山鹿をどり」の演目は次のとおり。
 出演は本條秀太郎さんのほか、中村花誠・はつ喜月花・はつ喜月若・小路永こずえ・舞踊団花童ほかの皆さん。15日には京都上七軒歌舞会の芸舞妓さんも。




「3.11」 と 田原坂

2018-03-11 18:18:48 | 
 あれから7年。あの日、僕は母と家内を連れて田原坂公園に行った。翌日の「九州新幹線全線開業」を前に役割を終える「リレーつばめ」のラストランを見るためである。高台の公園で「リレーつばめ」の通過を待っているところに東北の大地震の一報が入った。写真撮影もそこそこに、帰途の車中、巨大な大津波が東日本の太平洋沿岸を襲っているというニュースを聞いた。家についてテレビをつけると目を覆いたくなるような悲惨な大津波の映像が流れていた。そして、「九州新幹線全線開業」のイベントはすべて中止というテロップが流れた。衝撃的なあの日以来、僕にとって「3.11」と田原坂は切り離せない思い出となった。
 あの日から7年の今日、奇しくも植木文化センターで「第20回民謡『田原坂』全国大会」が行われた。幼児から90代の高齢者まで、大勢の方が民謡「田原坂」を熱唱される姿を見ながら、こんな穏やかな日を過せるありがたさをしみじみと感じた。



 

平成29年度最終公演 ~ 舞踊団花童&はつ喜 ~

2018-03-10 17:03:07 | 音楽芸能
 城彩苑・湧々座で毎月行われてきた舞踊団花童&はつ喜「くまもと四季めぐり」は本日の「ひなまつり絵巻」が平成29年度の最終公演。
 来月からは、装いも新たに平成30年度公演が始まる。
 第1回目は次のとおり。
 「熊本おどり ~くまもと四季めぐり~」
  平成30年4月22日(日)11:00~および14:00~








 


辰次さんのカフェ

2018-03-09 18:10:57 | ニュース
 昨年1月、NHK総合の「目撃!日本列島・選 喜久次と辰次 ~岐阜 幇間物語~」で紹介された、岐阜市の花柳界で、幇間(ほうかん、男芸者)を目指して修業中の辰次こと橋嶋直人さん(24歳)。この辰次さんが、国登録有形文化財である美濃加茂市の旧伊深村役場庁舎を改修して開設されるカフェの運営者に決まったというニュースが朝日新聞デジタルに掲載されていた。カフェ運営の公募には21人が応募したが、辰次さんが選ばれたのは魅力ある集客への提案や、地域の人と共に活動できる人柄がポイントだったという。カフェの名前は「茶霞o'carré(さかオキャレ)」に決まり、辰次さんの出身地・熊本の伝統酒「赤酒」など地酒も提供する予定だという。この町の歴史と文化、そして自分の幇間としての知識や経験も活かし、地域に貢献できるカフェづくりを目標に5月のオープンに備えたいという。
 辰次さんは熊本地震で大きな被害を受けた御船町の出身。岐阜でたった一人の幇間、喜久次さんに一昨年夏に弟子入りし、日本舞踊や三味線、鳴物、茶道など、幇間になるための芸や素養を学んでいた。

三斎好みの茶室 ~ 仰松軒 ~

2018-03-07 19:28:41 | 日本文化


 利休七哲の一人に数えられる茶道の達人でもあった肥後細川家二代・細川忠興(三斎)が設計した茶室「仰松軒(こうしょうけん)」が、立田自然公園(泰勝寺跡)内に建てられています。茶事が行われる時以外は雨戸が閉め切られていますので内部を見ることはできませんが、一度だけ偶然、定期的な室内清掃に遭遇し、内部をじっくりと見せてもらいました。復元されてから90余年ですが、400年前の設計の格調を感じました。

▼「熊本県大百科事典」には次のように説明されています。
 「仰松軒」は立田自然公園内にある茶室。もと京都の天龍寺塔頭真乗院に建てられていた細川三斎(忠興)好みのものを大正12年(1923)に復元したもの。茶室の平面は四畳台目(よじょうだいめ)で、茅葺き屋根の前面に土間庇を付け、東の隅に刀掛けが作られている。上り口は入り込んだ土間の奥にある。向かって右手の口を入ると客座になり、正面の口から入ると点前座になる。このように土間によって、客座と点前座が区別されているところに三斎独自の工夫がうかがわれる。
※上図は「茶道入門」さんのサイトからお借りしました。

春の小川 ~ 成道寺川 ~

2018-03-06 19:20:58 | 熊本

成道寺川

 久しぶりに成道寺川の流れを眺めに行った。熊本西環状道路のバイパス工事の影響か、一時は汚濁がひどかった。あまりの酷さに耐えかねて、熊本博物館の担当学芸員の先生におたずねしたことがあった。先生のお話では、工事の排水は成道寺川に流入させないという約束だったにもかかわらず、それが全く無視されているというお話だった。近場の工事は終わったからか、成道寺川の清流は戻りつつあるようにも見える。成道寺川はその名のとおり、古刹成道寺の境内に湧き出す環境省選定の平成の名水百選にも選ばれた清水が流れ出て来たもの。今では熊本市内に残された数少ない清流で、絶滅危惧種のスナヤツメや二枚貝等が棲息する自然環境が残された貴重な河川。なんとかこの自然環境を子々孫々まで残して行きたいものだ。

本條流の音楽世界

2018-03-05 21:03:08 | 音楽芸能
 4月14・15日に山鹿八千代座で行われる「山鹿をどり」は楽しみだ。何といっても日本の三味線音楽の大御所・本條秀太郎さんが新曲「山鹿三番叟」を携えて来演されるからだ。
 本條さんは、日本の民謡・端唄・俚奏楽など三味線音楽の演奏者であり、かつ作曲家。「本條流」の家元として全国各地の門弟指導のかたわら、テレビ・ラジオ・舞台での演奏に加え、映画音楽、舞台音楽、NHK大河ドラマの邦楽指導、邦楽監修など、その活動範囲は幅広い。
 出演は中村花誠・はつ喜月花・はつ喜月若・小路永こずえ・舞踊団花童の皆さんのほか、15日には京都上七軒歌舞会の芸舞妓さんなど。はたして、どんな音楽世界が展開されるだろうか。

▼本條秀太郎さんが提唱する俚奏楽のなかから




ある家族

2018-03-04 19:52:24 | 熊本
 ポカポカ陽気に誘われて熊本城内を散策した。春のお城まつりで賑わう二の丸広場を素通りし、護国神社の梅園で梅の花を楽しむ。その後、旧細川刑部邸の梅園へまわり、芝生に座ってしばし休憩。そこである家族と遭遇した。
 赤ちゃんを乗せたベビーカーを押しながら、一組の若夫婦がやって来た。そのすぐうしろから年配の夫婦が続く。僕のすぐそばの芝生に集まって腰をおろした。よく見ると若い妻はどうやら東南アジア系のようだ。年配の夫婦が話をしているが言葉がわからない。ベトナム語か?タイ語か?どうやら年配の夫婦は若い妻の両親と見た。日本人と結婚した娘が産んだ子供を見に来たついでに熊本城見物をしているのだろう。若い妻の母親はよくしゃべる。が何を言っているのかさっぱりわからない。若い日本人の夫と妻の両親の間に会話はほとんどない。そのうち、若い妻が自撮り棒を付けたデジカメを抱えて、母親と一緒に梅の木の方へ歩いて行った。梅の花をバックに二人で記念撮影でもするのだろう。残された男二人は気まずそうにあたりの様子をながめていた。すると妻の父親が、身振り手振りで一緒に行って来いという意思表示をした。意味を理解した日本人の夫はうなづいて、赤ちゃんを気にしながら妻のいる方へ歩き出した。すると父親が赤ちゃんを急にあやしだした。初孫なのか、かわいくてしかたがないという様子だ。しばらくすると急に赤ちゃんが大きな声で泣きだした。泣き声を聞きつけた日本人の夫が走って帰って来て赤ちゃんを抱きあげた。
 そんな家族のほのぼのとした風景を眺めながらひと時を過ごした。


二の丸広場


護国神社梅園

陸上シーズン(トラック&フィールド)近し!

2018-03-03 21:52:38 | スポーツ一般
 気付けば「春季陸協記録会」が2週間後に迫っていた。この大会はプロ野球に例えるならオープン戦。つまり実質的なシーズンインである。4月に入ると、
 7日 金栗記念選抜陸上中長距離熊本大会
14日 私学陸上競技記念大会
21日 熊本県陸上選手権兼国体一次予選
28日 熊本市内高校陸上競技大会
と立て続けに競技会のスケジュールが詰まっている。

 なぜか、2014年を最後に県内のランキングが発表されなくなったので勢力図がどうなっているのかわからないが、今年も期待は「ニュースターが飛び出すか?」という一点だ。


熊本城炎上の謎

2018-03-02 19:20:29 | 歴史
 熊本地震で甚大な被害を被った熊本城大小天守閣の復旧工事が進む中、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放送中ということもあり、西南戦争時の熊本城炎上の謎に再び注目が集まっている。
 NHK熊本放送局では、夕方の情報番組「クマロク!」のホームページで「西南戦争最大の謎 熊本城炎上に迫る」と題してこの話題を取り上げている。


明治10年に焼失する前の大小天守閣

 僕の高校の恩師、平田忠彦先生が、昭和28年に能日新聞の「サンデー短篇」という企画に応募され、秀作に選ばれて紙上に掲載された「炎上」と題する短編小説がある。その内容は先生のお父上やご祖父母の体験談をまとめたものであるという。これを読むと、当時の熊本市民が受けた衝撃や悲しみがよくわかる。
 なお、この短編の挿絵を描いたのは、まだあまり知られていなかった頃の坂本善三画伯である。



3年ぶりの「くまもとをどり」!

2018-03-01 19:12:06 | イベント
 「春のくまもとお城まつり」の恒例となっていた「くまもとをどり」は、ここ2年途絶えていましたが、今月、3年ぶりに復活します!
 そこで、これまでの「くまもとをどり」を振り返ってみました。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ くまもとをどり 2018 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
日 時:3月17日(土)・18日(日)10:00~12:00
    3月19日(月)・20日(火)15:00~17:00
    ※荒天中止
会 場:熊本城二の丸広場
観覧料:無料
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▼くまもとをどり 2012(舞踊「肥後の花娘」・・・ザ・わらべ)



▼くまもとをどり 2013(舞踊「檜垣水汲みをどり」・・・城北高校ダンス部)



▼くまもとをどり 2014(舞踊「まつり」・・・花童)



▼くまもとをどり 2015(肥後にわかミュージカル「白雪姫」・・・花童&肥後にわかの皆さん)