楽しみにしていた桜の季節恒例の健軍神社「花の薪能」が今年は中止だという。なんでも境内に新しい建築物が建てられることになり、薪能を行うスペースがとれないのだそうだ。ということで、この春の名物行事は廃止の可能性が高いという。
熊本の能楽は、加藤清正の肥後入国につき従った金春流武家能役者・中村靭負に始まり、能をこよなく愛した細川家の時代になると、喜多流(本座)と金春流(新座)の二流が御流儀となり、本座は祇園社(北岡神社)に奉仕する喜多流友枝家が、新座は藤崎八旛宮に奉仕する金春流桜間家が肥後能楽の高い水準を支えた。全国でも屈指の歴史を有し、数多の名人を輩出してきた熊本の能楽は我々熊本県民の誇りでもある。意欲的な新作能が度々上演されたり、海外への普及活動も積極的に行われたことも記憶に新しい。
然るに昨今の状況を見ていると、この伝統の火が徐々に弱まっているような気がしてならない。我々能楽ファンにとって残念であり、また強い危機感を感じているところである。
花の薪能2016 喜多流 能「春日龍神」(シテ:狩野了一さん)
花の薪能2017 喜多流 仕舞「桜川」(大島衣恵さん)
熊本の能楽は、加藤清正の肥後入国につき従った金春流武家能役者・中村靭負に始まり、能をこよなく愛した細川家の時代になると、喜多流(本座)と金春流(新座)の二流が御流儀となり、本座は祇園社(北岡神社)に奉仕する喜多流友枝家が、新座は藤崎八旛宮に奉仕する金春流桜間家が肥後能楽の高い水準を支えた。全国でも屈指の歴史を有し、数多の名人を輩出してきた熊本の能楽は我々熊本県民の誇りでもある。意欲的な新作能が度々上演されたり、海外への普及活動も積極的に行われたことも記憶に新しい。
然るに昨今の状況を見ていると、この伝統の火が徐々に弱まっているような気がしてならない。我々能楽ファンにとって残念であり、また強い危機感を感じているところである。
花の薪能2016 喜多流 能「春日龍神」(シテ:狩野了一さん)
花の薪能2017 喜多流 仕舞「桜川」(大島衣恵さん)