徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

本妙寺仁王門100年

2020-05-25 20:30:05 | 熊本
 今年は本妙寺の仁王門が落成して100年の年だという。しかし、仁王門は4年前の熊本地震で損壊したまま、いまだ修復のメドも立っていない。
 小中学校の親友の家が本妙寺の門前町にあったので仁王門は常に身近な存在だった。しかし、もっと幼かった頃、祖母から「行ってはいけないところ」と言われていた。それは戦前まで参道沿いに喜捨を求めるハンセン病患者や貧困者が大勢たむろし、アジールと化していたからである。しかし、戦後はそんな風景もなくなった。清正公の命日前夜である7月23日に行われる頓写会(とんしゃえ)には毎年10万人を超える市民が集まった。出店も立ち並んで、熊本の夏を代表する風物詩となった。
 江戸時代中期、まだ神仏習合の時代。医師の橘南谿(たちばななんけい)が書いた紀行文「西遊記」に、そこは清正公を祀る大社であると書かれている。宗教宗派を超越して尊崇を集め、熊本はもちろん全国各地から大勢の参詣者で賑わっていたようだ。
 仁王門の下をくぐって参詣する日が再びやって来るのはいったい何年後のことだろう。


本妙寺仁王門 1919(大正8)年9月着工、翌年3月落成。 総工費7万数千円。 鉄筋コンクリート造りで正面約13メートル、奥行き約6メートル、高さ約15メートルの八脚門。


仁王門落成後間もない頃の絵はがき


頓写会の賑わい(熊本地震前)


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