徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

世阿弥 と 「檜垣」

2013-12-20 23:42:27 | 音楽芸能
 今夜のNHK-Eテレ「にっぽんの芸能」は、生誕650年を迎えた能の大成者・世阿弥と生誕680年を迎えたその父・観阿弥にスポットを当てた。世阿弥の最大の特徴である「複式夢幻能」について解説し、その代表作である「井筒」が、観世流26世宗家・観世清和ほかの出演によって演じられた。






 世阿弥と聞くと、熊本人としては、やはり熊本ゆかりの「檜垣」を思い出さずにはいられない。しかし、「関寺小町」「姨捨」とともに三老女と呼ばれる「檜垣」は、能の世界では最も位の高い奥義中の奥義と言われ、なかなか観る機会はない。僕もこれまで能「檜垣」を観たことはなく、もっぱら解説書や謡本を読むしかないのである。いつか能舞台を観る機会が来ることを願っている。

▼能「檜垣」のあらすじ
 肥後国岩戸山の観音様に毎日閼伽の水を供えにくる老女がいた。修業僧が尋ねると、「後撰集の『年ふればわが黒髪も白川のみづはくむまで老いにけるかな』は私が詠んだ歌。若い頃は太宰府で白拍子をしていたが、老いては白川の辺に庵を結んだ。ある日、藤原興範公が通りかかり、水を所望された時詠んだのがこの歌」と告げて消える。僧が白川の庵を訪ねると老女の幽霊が現れる。美貌ゆえに多くの男性を惑わせてきた罪業を償うため、熱鉄の釣瓶を永遠に汲み続けなければならないと、その苦しみを訴え、藤原興範公に求められて舞った舞を懐かしんで舞い、成仏させてほしいと願って姿を消す。僧はねんごろに供養する。


謡(うたい)に登場する白川(蓮台寺裏)


謡に登場する岩戸観音にほど近い山下庵跡


山下庵のすぐ近くにある「檜垣の泉」(枯れそう?)


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