昨夜はEテレの「古典芸能への招待~人間国宝 友枝昭世の至芸」を堪能した。テレビで友枝昭世さん(シテ方喜多流能楽師)の能を観るのは、2015年1月23日放送のEテレ「にっぽんの芸能」で「枕慈童」を。2017年1月29日放送のEテレ「古典芸能への招待~厳島観月能」で「羽衣」を観ているので今回で3回目となる。ナマの舞台は昨年7月28日に福岡の大濠公園能楽堂で行なわれた「狩野琇鵬三回忌追善能」で仕舞「融」を観た1回きりだ。能は千番見るまで語る資格なしだそうなので、まだ百番にも満たない僕には語る資格はないし、語るほどの知識も持ち合わせていないが、とにかくその圧倒的な存在感はわかる。特に今回の「卒都婆小町」は能の中で最も位の高い、奥義中の奥義の曲といわれているそうだから友枝さんくらいの存在感がないと務まらないのだろう。
観ながらふと、昨年7月の「狩野琇鵬三回忌追善能」で隣り合わせた高齢のご婦人のことを思い出した。なんと能歴70年の方で、友枝昭世さんのお父上、友枝喜久夫さんの至芸をご覧になっていることがご自慢のようだった。昨年、ご覧になった友枝昭世さんの「隅田川」が少々ご不満だったようで、辛口コメントをおっしゃっていたが、友枝さんの仕舞「融」をご覧になった後は「これだけで今回観に来たかいがあった」と言いながら激しく拍手を送っておられた。おそらく昨夜の番組もご覧になっていたと思うがどんな反応をされたのだろうか。

2015年9月20日、藤崎八旛宮例大祭・段山御旅所での御能奉納において後見を務める友枝昭世さん(左端)。シテとして初舞台の狩野祐一さんの緊張はハンパなかっただろう。(能「敦盛」より)
観ながらふと、昨年7月の「狩野琇鵬三回忌追善能」で隣り合わせた高齢のご婦人のことを思い出した。なんと能歴70年の方で、友枝昭世さんのお父上、友枝喜久夫さんの至芸をご覧になっていることがご自慢のようだった。昨年、ご覧になった友枝昭世さんの「隅田川」が少々ご不満だったようで、辛口コメントをおっしゃっていたが、友枝さんの仕舞「融」をご覧になった後は「これだけで今回観に来たかいがあった」と言いながら激しく拍手を送っておられた。おそらく昨夜の番組もご覧になっていたと思うがどんな反応をされたのだろうか。

2015年9月20日、藤崎八旛宮例大祭・段山御旅所での御能奉納において後見を務める友枝昭世さん(左端)。シテとして初舞台の狩野祐一さんの緊張はハンパなかっただろう。(能「敦盛」より)
