徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

茄子とかぼちゃ

2024-07-03 19:51:57 | 音楽芸能
 花童サポーター友のNさんから今年も獲れたての茄子をたくさんいただいた。ありがたい。今夜の夕食には茄子の味噌よごしとかぼちゃの煮物が並んだ。夏野菜の代表格「茄子とかぼちゃ」が揃うと必ず思い出すのが俗曲「茄子とかぼちゃ」。
 夏の畑で、茄子とかぼちゃが喧嘩をするというコミカルな曲。幕末より唄い出され、お座敷や寄席でも踊られた。その後、天才女流音曲師の立花家橘之助(1866~1935年) がこの歌詞の最後に「奥州街道・・・」という甚句形式の文句を付け加えて寄席で賑やかに唄い人気を博し、「浮世節」と呼ばれる三味線音楽の一派をなした。
 国文学者であり作詞家でもあった高野辰之の著書「日本民謡の研究」(大正13年)によれば、日本人は古来より「好笑」という性情があり、風刺とか皮肉を込めた滑稽味を歌にすることを好んだという。この「茄子とかぼちゃ」はその一例ともいえる。