徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

古りし写真が語るもの

2022-06-30 17:31:52 | 歴史
 ゆうべ不思議な夢を見た。
 加藤神社へと登る子供たちの群れ。といっても現在の城内に鎮座する加藤神社ではなく、まだ新堀町にあった頃の加藤神社だ。そして彼らが登るのは錦坂。もちろん今のような舗装された階段ではなく、草木に覆われた斜面を削って取り付けられた細い急坂。ところどころ雁木が敷いてある。小さな子供たちも健気に登ってゆく。
 目が覚めてから「あゝあの写真だな」と気付いた。あの写真とは、母が熊本師範女子部附属国民学校(現在の熊大附小)に勤務していた戦時中の写真である。戦勝祈願でもしたのだろうか全校生徒と全職員が加藤神社の階段で記念撮影したものだ。幼い頃から何度も見た写真だが、いつも、このあどけない子らが、今の城東小学校のところにあった校舎から整列して行進し、加藤神社までもう一息の錦坂を登る姿が目に浮かぶ。彼らはどんな思いで登って行ったのだろうか。そしてその後どんな人生を歩んだのだろうか。


現在の錦坂(坂を登り切ったところに加藤神社の階段があった)


加藤神社鳥居前階段にて熊本師範女子部附属国民学校(現在の熊大附小)の全校生徒および職員(昭和19年頃)