徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

番所の棚田で思ったこと

2019-09-27 22:04:48 | 熊本
 彼岸花もそろそろ見頃のピークを過ぎる頃かと番所の棚田へ出かけた。今年も美しい景観であることは変わりないのだが、11年前に初めてここを訪れた時の感動はなかった。その原因は年々休耕田が増え、かつての黄金と真紅の見事なコントラストが少なくなりつつあるからだと思う。やはり高地の棚田の生産性の問題や、農家の高齢化と後継者の問題が影を落としているのかもしれない。
 土日には観光客で賑わうこの一帯も、今日は平日とあってか僕のほかには誰一人見かけない。棚田の上の方まで登って降りてくると、一人の女性がスマホで写真を撮っていた。二人しかいないのに声をかけないのも変だなと思い、「初めてですか」とたずねてみた。遠目には年配者と見えたその女性が意外と若いことに気が付いた。東京から来たそうだが、大分の出身で母親の実家が鹿央町にあり墓参りかたがた観て回っているという。せっかくなので、この周辺の地形や歴史のことや大分の鶴崎との関係などについて知っている限りのことを話した。彼女にとっては貴重な情報だったようで、とても喜んでくれた。ついでに、目の前の坂は「いだてん」で綾瀬はるかが自転車で下るロケが行われたことを話すと、たまたま彼女は「いだてん」の大ファンのようで、一番喜んでいた。


菊鹿町上内田の棚田。番所の棚田から下ったところで、手が行き届いている感じがした。



番所の棚田の農道。「いだてん」で綾瀬はるかが自転車節を歌いながら自転車で下った坂。