
そんな中に特に印象深い話があった。それは「源氏物語」の中にも度々出てくる「徒然(つれづれ)」という言葉の持つ意味の話だった。先生によれば「つれづれ」という言葉には、単に「退屈な」とか「寂しい…」とかいう意味だけではなく、「何かやるべきなのにやるすべがない」というようなニュアンスが含まれているのだという。これを聞いて僕はストンと腑に落ちた気がした。というのはこのブログのタイトル「徒然(とぜん)なか話」は、祖母がよく言っていた「とぜんなか~」という言葉が好きでこのタイトルをつけたのだが、他人から「どういう意味?」と聞かれても僕自身が納得できる回答ができないでいた。今日の秋山先生の言葉を聞いて、まさに祖母が言っていた「とぜんなか~」には確かにこんなニュアンスが含まれていたことをあらためて確認できたのである。