徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

日本の農業と「三番叟」

2013-03-25 19:16:28 | 音楽芸能
 TPPへの参加で、日本の農業の明日に危惧が広がっている。日本人の魂の根源ともいえる農業の将来像について、まだ政治家は誰一人示していない。
 日本の文化は古来より農業と切り離して考えることはできない。それはこの「三番叟」についても同様である。

 「〇〇三番叟(さんばそう)」と名のつくものは数あるが、もとは能楽の中でも最も古いという「式三番」という伝統芸能の三番目の演目が「三番叟」。文字通り三番目に出てくる爺様のことだ。この「三番叟」の舞は五穀豊穣を寿ぐ、いわば農業の神事のようなもので、古来、歌舞伎舞踊や各地方の郷土芸能にも取り入れられてきた。
 下の「ザ・わらべ」が踊る「羽衣三番叟」はこの「三番叟」と「天女伝説」を結びつけた創作長唄だが、くるみちゃんと文乃ちゃんの台詞は古式通りのものだし、舞の中にも種まきや土踏みの動作が入っている。

おおさえ おおさえ 悦びありや 悦びありや
我が 此の処より 他へは 遣らじとぞ 惟う

 「災いや困難を抑え抑えて得たこの実りの喜びをけっして手離したくないと思う」
というような意味ではないかと勝手に解釈している。


  立方 ザ・わらべ
  地方 今藤珠美と今藤珠美社中/中村花誠と花と誠の会