徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

白菊 その無常感

2012-12-14 18:54:27 | 文芸
白菊の老いて赤らむわりなさよ (正岡子規)

 ひと月ほど前、旧友が何十年ぶりかで訪ねて来た。白菊の鉢植えを携えて。まだ花びらを開き始めたところだったが、その後暫くして満開となり、毎日、可憐なその姿で僕の眼を和ませてくれた。しかし、数日前から薄桃色がつき始め、日に日に濃さを増している。これはいわゆる老化現象だそうだ。白菊とはまた違った味わいがあるものの、ちょっと切ない無常感のようなものを感じてしまう。子規もおそらくそんな気持ちを詠んだのだろう。