徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

へうへうとして水を味ふ ~ 山頭火 ~

2012-01-21 18:43:33 | 文芸
 一昨日、植木町味取にある民謡・三味線の本條秀美さんの稽古場を伺った。前にも書いたが本條さんのご実家は種田山頭火ゆかりの味取観音瑞泉寺。帰り際、雨に佇む行乞姿の山頭火像を暫し眺めた。そして翌朝の熊日新聞を広げると下の記事が載っていた。この句は、山頭火通に言わせると山頭火の句の中でもとても人気が高いらしい。
 蓮田善明の生家も植木町のお寺なので交流があったのかもしれないが、いわば社会からドロップアウトした存在の山頭火と、後に国文学者として、そして国士として三島由紀夫に影響を与える存在になる蓮田善明に接点があったことはとても興味深い。また妻子を捨て行乞の人生を送った山頭火直筆の書を受け継いだ蓮田善明の長男、蓮田晶一さんが、日本で唯一の「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を始めることになったのは、けっして偶然ではない因縁のようなものを感じてならない。