松竹のホームページによれば、来年、山田洋次監督が監督生活50年を迎えるのを記念して「山田洋次監督50周年プロジェクト」を行うという。中でも注目されるのは、山田監督が敬愛する小津安二郎監督の不朽の名作「東京物語」の時代背景を現代に置き換え、「東京家族」というタイトルで映画を製作するというニュースだ。かつて山田監督は、あるドキュメンタリー番組で、最初は小津作品は好きではなかった、と述懐していたのを見たことがある。黒澤映画のような作品を作りたいと念願していたらしいが、監督を永く続けていくうち、いつの間にか自分が小津監督に多大な影響を受けていることに気付いたと語っておられた。今なお、世界中で愛される「東京物語」が、山田監督の手によって、どう現代に甦るのか楽しみだ。また、この「東京物語」はわが郷土の大先輩、笠智衆さんの代表作でもある。笠さんの役を誰がやるのかも含め、キャスティングにも大いに注目だ。

東京物語(1953)

東京物語(1953)