
夕方、何気なくテレビのBS2をつけたら、「アクターズ・スタジオ・インタビュー」をやっていた。最近はあまり見なくなったが、以前は熱心に見ていた番組だ。映画人の養成機関であるアクターズ・スタジオで教鞭をとるジェームズ・リプトンが、第一線で活躍する名優や名監督らに迫るインタビュー番組である。オーディエンスは同校の生徒が中心で、もともと教育の一環としてやっていたのが人気番組になったものらしい。アクターズ・スタジオといえば、マーロン・ブランド、ポール・ニューマン、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、ロバート・デニーロなど、卒業生にはそうそうたるメンバーがいる。ちょうど僕が中学か高校の頃、アクターズ・スタジオで教える「メソッド演技法」で育った「メソッド・アクター」といわれる俳優たちと、ハリウッドの伝統的なスターシステムで育った俳優たちとの演技論争が盛んだったことを思い出す。
今日はたまたま、トム・クルーズが出ていた。「ラスト・サムライ」の撮影裏話なども話していたが、この番組に出演する俳優には、素をさらけ出すタイプと、あくまでもスターを演じきるタイプと両方あるようだ。司会のジェームズ・リプトンはそんなことはお見通しのようで、時々彼の眼が意地悪そうに光るのが、なんとも恐い。