先日の陸上日本選手権100mで優勝し、世界選手権の代表に選ばれた江里口匡史選手。放送の中で「熊本の鹿本高出身・・・」と言っていたので、「あゝ、そうなんだ」と何気なく見ていたが、どうも顔に見憶えがある。記憶の糸をたぐってみた。何年か前に熊本のローカル局が高校時代の彼のことをリポートしたニュースだか、ドキュメントだかを思い出した。たしか、高校でも全国トップレベルで期待されていたが、インターハイで惨敗したような内容だった。あの頃は、何かひよわなイメージだったが、今、テレビに映る彼の顔は見違えるほどたくましい。そうか、早稲田に行ってたんだ。放送では末續慎吾に続く熊本が生んだスプリンターと紹介している。これも何気なく聞き流そうとして「いやいや!そうじゃない!」と思い直した。親父が生前、「熊本は短距離王国だ!」とよく言っていたことを思い出した。末續慎吾の前があるのだ。1936年のベルリン五輪に出場した八代市出身の谷口睦生さん、1956年のメルボルン五輪に出場した熊本市出身の清藤享さん。江里口クンがこれらの先輩に続くオリンピアンになれるかどうか、これからが楽しみだ。