「甲斐バンド45周年WOWOWスペシャル」と題された…
甲斐さんによれば「ケタ外れのトライアル」…は
甲斐バンドのライブ映像はもちろん、ドキュメンタリー番組やオムニバス映画などを
20時間に渡り、チャンネルリレー編成で、一挙大放送という
甲斐バンドフリークの皆さんには「黄金の1日」となったかと存じますが(笑)
そのラインナップにも組み込まれていた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は
WOWOWで動画配信がスタートした「映画を愛する著名人や映画評論家がおすすめ作品を紹介する」
「フィルム・ガレージ」の「映画キュレーター」を担当されている甲斐さんが
「グリーンブック」に続く第2弾に取り上げられた作品です
「甲斐よしひろが、映画愛と作品を熱く語ります!」との紹介通り
前回の19分50秒より更に長い(笑)21分51秒の動画の中で
タランティーノ監督やサントラについて、喋り倒しておられました(笑)
前回の「グリーンブック」も今回の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」も
我が家が劇場で観た作品なので、とても楽しく拝見できたんだけど
「甲斐よしひろのフィルムガレージ!」というタイトルコールのあと
「今回、僕、甲斐よしひろが紹介する1本はこちら…」と、甲斐さんのお話が始まる前に
女性ナレーターの方が…「甲斐よしひろさんおすすめの『ワンス・アポン…』は
クェンティン・タランティーノ監督作品
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演したことでも話題を集めた今作
この映画のカギとなるのが、1969年8月9日
マーゴット・ロビー扮する実在の女優シャロン・テートが
マンソン・ファミリーと呼ばれるカルト集団によって惨殺された『シャロン・テート殺人事件』
この惨劇を落ち目の役者ディック・ダルトンと
彼のスタントマン クリフ・ブースの目線で描き出す
ハリウッド黄金時代に起こった史実の殺人事件を、タランティーノらしい独自の見方で扱った今作
作品は高い評価を受け、第92回アカデミー賞の作品賞、監督賞など
数多くの賞にノミネートされ、ブラピは今作で助演男優賞を受賞した」…とザックリ紹介され
また「1969年当時を知る甲斐さんが語った本作の物語とタランティーノ監督の魅力
そして見事な楽曲の仕掛けは必見!」とか
「甲斐よしひろが映画を観ながら楽曲に興奮!?」
…といった番宣フレーズに心惹かれたトコで(笑)
「CHAPTER 1『甲斐よしひろが語るタランティーノ映画の魅力』」とのクレジットが出て…
「まっ、いわゆるタランティーノは『レザボア・ドッグス』から…最初から全部観てます
ホントに、えー、封切り時くらいから、まあ全部観てる感じなんですけど…
で、僕、やっぱりあの『パルプ・フィクション』の完成度っていうのが…
すごくやっぱり完成度高いなあと…
で、それは何か?っていうと、あれ、ジョン・トラボルタの映画じゃなくて
サミュエル・L・ジャクソンの映画なんですよね」…と話されている辺りで
画面下には…「パルプ・フィクション…製作:1994年 監督:クェンティン・タランティーノ
3つのエピソードが交錯する斬新なクライムドラマ
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞 アカデミー賞脚本賞受賞」…という注釈が出て
「サミュエル・L・ジャクソンの完成度…
どれだけ完璧だ!?っていう彼の演技を観るためでもスゴイし
それから、まあそのー、一番タランティーノのアプローチとして
あのー、エピソードごとに時間をズラして良いんだと…
で、例えば、3つくらいのストーリーが一緒に走ってて
それを時間帯も勝手に前後しながら、過去未来変えながら、最終的に行き着くトコで行き着く…
で、クライマックスを迎えるっていう…
もう、あの手法が、一番最初に…ナンてか?世界中に知らしめた映画が
まあ『パルプ・フィクション』だと思うんですけど…」
…と、甲斐さんが、かつてオマージュとして
「ミッドナイト・プラス・ワン」を捧げられた
グリフィス監督の「イントレランス」にも通ずるような…というか
ラストシーンにツッコミ炸裂でいらした(笑)「マグノリア」みたいに
1本の映画の中で、いくつかのストーリーが絡み合うようなスタイルが、お好きなのかなあ?という思いと
やはり「パイオニア」とされる作品や、その作り手に対する共感力は
相変わらずでいらっしゃるなあとの認識が同時に沸き起こりました(笑)
ともあれ…「で、やっぱり『レザボア・ドッグス』もスゴイ!音楽が素晴らしい!
で『パルプ・フィクション』も、かつてない音楽の使い方」というトコで
「レザボア・ドッグス…製作:1991年 監督:クェンティン・タランティーノ
タランティーノの長編監督デビュー作
犯罪のプロ6人が実行した完璧だったはずの宝石強盗計画が
予期せぬ事態に転じていく」…とのクレジットが出て
「実際、サントラがまあ飛ぶように売れて…
えー、あんなに古い曲が…全然ヒットしなかった曲さえ(笑)ヒットして行くという…
『パルプ・フィクション』の『ミシルルー』なんて
全く日本人は知らないのに…サーフミュージックですよね
それの、あのー、インストゥルメンタルなんですけど
ああいうのがCMでもガンガンかかったりとか…いうような状況が出来るっていうのが
やっぱり、あのー、映画体験を浴びた側が『スゴイ!』ってなって
『あの監督なに!?』っていうような…
まっ、ホントに僕らが昔、小学校の時に『黒澤明スゴイよね』とか言った…
あのー、まあ、外国の監督も『あいつ、スゴイね』って言ってる…
久方ぶりに現れた監督だったんで…」と話されてましたが
甲斐さんは、サントラ盤の収集にも熱心でいらっしゃるし(笑)
「日本の映画はね、まあ、音楽が判るか判らないか、置いとくとしても
音楽が好きで好きでたまらない監督が出て来るしかないんじゃない?」
…と、おっしゃったくらい、映画と音楽は切っても切れない関係だと考えておられる方で
かつて「森田芳光監督は『家族ゲーム』で、ジャケットだけ見せて曲は流さないとか
タイトルだけ言って、由紀さおりさんが歌ってる表情だけを映すとか、イイ監督は音がよく分かってる
黒澤明なんか映画の中で『ジャングル・ブギ』っていう曲の作詞までしてる」と絶賛なさったり
「70~80年代のサウンド満載」という「デトロイト・ロック・シティ」のコラムでは…
「日本のロック映画がウマクない理由は、変に『オンガク』をやってしまって
青春群像として映画が成立していないこと」と書かれたり
「日本の映画はね、まあ、音楽が判るか判らないか、置いとくとしても
音楽が好きで好きでたまらない監督が出て来るしかないんじゃない?」
…と、おっしゃったくらい、映画と音楽は切っても切れない関係だと考えておられる方で
かつて「森田芳光監督は『家族ゲーム』で、ジャケットだけ見せて曲は流さないとか
タイトルだけ言って、由紀さおりさんが歌ってる表情だけを映すとか、イイ監督は音がよく分かってる
黒澤明なんか映画の中で『ジャングル・ブギ』っていう曲の作詞までしてる」と絶賛なさったり
「70~80年代のサウンド満載」という「デトロイト・ロック・シティ」のコラムでは…
「日本のロック映画がウマクない理由は、変に『オンガク』をやってしまって
青春群像として映画が成立していないこと」と書かれたり
サンストで…「(当時)洋画のサントラをザッと見回すと
辛口のストーリーテールがちゃんと出来てる映画に
複数のミュージシャンが曲を作ってる傾向が目立ってる」…に始まり
辛口のストーリーテールがちゃんと出来てる映画に
複数のミュージシャンが曲を作ってる傾向が目立ってる」…に始まり
「アメリカン・グラフティ」を代表とする作品は
今まで既にレコードになってたものを寄せ集めた形であるのに対して
「フラッシュ・ダンス」辺りから、その映画のためにアーティストを集めて
1枚のサントラを作るようになった
「こういうのを作ってくれ」ではなく
「ここからここまでの時間で合うのをやって欲しい」というやり方で
「シングル・カット」も自由化され
アーティストにも権利を分配する「ハリウッド方式」が取られてるので
曲がヒットすれば映画もヒットするし、勿論その逆もある
そんな色んな要素がつまってるエネルギーがスゴイ
だから、音楽が判らなければ、システム化して、音楽は音楽監督を据えて
スペシャリストに任せるようにした方がいい
スペシャリストに任せるようにした方がいい
…といったことまで熱く語っていらしたり(笑)
今もご自身のラジオ番組で、映画について話される際には
必ず、その映画の中で流れる音楽にも触れられ
お買い求めになったばかりのサントラ盤の曲をおかけになってますよね?(笑)
それは、甲斐さんにとって、映画や音楽は「時間を超越したタイムマシン」…
「例えば、レストランで食事中にたまたま映画音楽が流れて来たりすると
印象に残る場面がパッと浮かぶと共に、一気にその映画を観た時の俺に戻れる」…であり
ご自身を見つめ直される時間を与えてくれるきっかけとなるものだからかなあと…?