監督: 樋口真嗣
出演: 役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇
福井晴敏の戦争サスペンスの映画化。
特攻に反対したため臆病者とされ、干されていた海軍の絹見少佐は、中枢の朝倉大佐から広島に次ぐ日本への原爆投下を防ぐためにドイツから来た潜水艦イ507で爆撃機の基地を攻撃せよとの命令を受ける。
その艦には、「ローレライ」と呼ばれる新型兵器が搭載されていたが、それは艦長である少佐にも秘密にされていた。
この映画にも、めちゃめちゃ泣きました。
ほとんど涙の切れ間無し状態でしたが、映画で感動していたかといえば、それはまた別問題。
もちろんそこそこいい映画ではあったのです。ベテラン俳優の演技はたいしたものでした。
やっぱり原作と切り離して考えないと、不満積みあがっちゃう。だって鶴見真吾の大湊中佐なんて、何のためにでてきたかよく分からないくらいの出番しかない!全体に緊迫感甘いのだ。圧迫感より清潔感感じた潜水艦生活だったし。
映画なんだから、もうちょっとお話刈り込んでも良かったですかねえ。その分、野球のお兄ちゃんとか、もっと描き込んでおくとか。やっぱりヘアスタイルは気になりました。西宮大使の刺客になる兵隊さんはいくらなんでも長すぎでしょう。若い兵たちのルックスとパウラのコスチュームで時代感がかなり飛んじゃってました。
一番の違和感は空気。戦争末期のものには写真や手記を見るだけでもどうしようもなく迫ってくる独特の空気があるのだが、それが希薄なのだ。
戦争映画でなく、SFなのだ、と言い聞かせてもなお、それを探しちゃったのである。
それに映画としても、あんな思い入れたっぷりシーンを持続させるよりも、もっとサスペンスをきっちりと積み上げて欲しかった。
これだけ突っ込みまくりで、それでも泣けて仕方なかったのは、やはり私の中の記憶のせい。
終戦の二週間前に十代の通信兵の息子に戦死された母の嘆き。一人息子が30歳になって兵隊にとられ、南方で餓死した母の嘆き。満州からの引き揚げの話。空襲や機銃掃射を何とか生き延びた話。こういう直接聞いた話や、読んだもの、資料で見たものが思い出されて仕方なかったから。
皆自分をはぐくんだものを愛して大切に思っていた。そして死んで行き、大事なものを失ったのだ。
この映画を見たら、ついでに
「戦艦大和の最期」吉田満(必読!)
「戦中派不戦日記」をはじめとする、山田風太郎の終戦前後の日記
「昭和史」半藤一利
「海軍めしたき物語」高橋孟
「欲しがりません勝つまでは」田辺聖子
そのほかの本を是非是非読んでいただきたいと、お願いします!
う~ん、それと日本の男性、ほんとに軍服に合わなくなったのかな。「海底軍艦」の田崎潤は、腹が出ていようが寸がつまり気味に見えようが、あの白い詰襟がもう第二の皮膚とばかりにフィットしてたんですが、この映画ではどうもピタリと着こなしてる士官役少なかったと思います。その、「板についてる」って感じがないのです。
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出演: 役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇
福井晴敏の戦争サスペンスの映画化。
特攻に反対したため臆病者とされ、干されていた海軍の絹見少佐は、中枢の朝倉大佐から広島に次ぐ日本への原爆投下を防ぐためにドイツから来た潜水艦イ507で爆撃機の基地を攻撃せよとの命令を受ける。
その艦には、「ローレライ」と呼ばれる新型兵器が搭載されていたが、それは艦長である少佐にも秘密にされていた。
この映画にも、めちゃめちゃ泣きました。
ほとんど涙の切れ間無し状態でしたが、映画で感動していたかといえば、それはまた別問題。
もちろんそこそこいい映画ではあったのです。ベテラン俳優の演技はたいしたものでした。
やっぱり原作と切り離して考えないと、不満積みあがっちゃう。だって鶴見真吾の大湊中佐なんて、何のためにでてきたかよく分からないくらいの出番しかない!全体に緊迫感甘いのだ。圧迫感より清潔感感じた潜水艦生活だったし。
映画なんだから、もうちょっとお話刈り込んでも良かったですかねえ。その分、野球のお兄ちゃんとか、もっと描き込んでおくとか。やっぱりヘアスタイルは気になりました。西宮大使の刺客になる兵隊さんはいくらなんでも長すぎでしょう。若い兵たちのルックスとパウラのコスチュームで時代感がかなり飛んじゃってました。
一番の違和感は空気。戦争末期のものには写真や手記を見るだけでもどうしようもなく迫ってくる独特の空気があるのだが、それが希薄なのだ。
戦争映画でなく、SFなのだ、と言い聞かせてもなお、それを探しちゃったのである。
それに映画としても、あんな思い入れたっぷりシーンを持続させるよりも、もっとサスペンスをきっちりと積み上げて欲しかった。
これだけ突っ込みまくりで、それでも泣けて仕方なかったのは、やはり私の中の記憶のせい。
終戦の二週間前に十代の通信兵の息子に戦死された母の嘆き。一人息子が30歳になって兵隊にとられ、南方で餓死した母の嘆き。満州からの引き揚げの話。空襲や機銃掃射を何とか生き延びた話。こういう直接聞いた話や、読んだもの、資料で見たものが思い出されて仕方なかったから。
皆自分をはぐくんだものを愛して大切に思っていた。そして死んで行き、大事なものを失ったのだ。
この映画を見たら、ついでに
「戦艦大和の最期」吉田満(必読!)
「戦中派不戦日記」をはじめとする、山田風太郎の終戦前後の日記
「昭和史」半藤一利
「海軍めしたき物語」高橋孟
「欲しがりません勝つまでは」田辺聖子
そのほかの本を是非是非読んでいただきたいと、お願いします!
う~ん、それと日本の男性、ほんとに軍服に合わなくなったのかな。「海底軍艦」の田崎潤は、腹が出ていようが寸がつまり気味に見えようが、あの白い詰襟がもう第二の皮膚とばかりにフィットしてたんですが、この映画ではどうもピタリと着こなしてる士官役少なかったと思います。その、「板についてる」って感じがないのです。
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どうやら見事に裏切ってくれたようですね。
「密閉されて汚れた空気感」って潜水艦映画の大事な要素なのに、清潔感が漂ってちゃいけませんよね。
何年も前に靖国神社の「戦争博物館」みたいな所へ見学に行ったのですが、当時の軍服には驚きました。
とにかく小さいんです。
きっと今時の中学生にも着る事が出来ないですよ。
それだけ日本人の体格、体型が変わってしまったのでしょうね。
原作は未読でした。近いうちに読んでみるつもりです(笑)
すいません、本当に私にはなんとも評価不可能な映画でした。
この映画で戦争というものにアプローチしてくれる人が増えればいいと思うし
でもやっぱりこれはないだろ、が交錯してます。
むしろ、今の日本人にとって戦争=ファンタジーとなってしまった状況を思い、堤慎一の嘆きがわかったような・・・
私的にはダメ過ぎて超オモロい映画でした。
ええ「心から愛せる」映画です。
大映ドラマな感じ
隣で見てた連れは「トロい!」と怒ってるし。
半端なんですもの。
あれにベテランさんたちの気の入った演技が気の毒みたいで。
TB先を間違えてしまいました。
申し訳ありません。
どうも福井氏原作の映画が混ざってしまっております。
読んだことはないんですけどw
大変失礼しました。
どうぞお気になさらずに。
いや艦長だけでなく折傘も正確性質変わるんですが…
自分は『酷い映画』と認定しておきます。
泣きながら怒ってしまいました。
しつこくなってしまいますが「これはないだろう!」です。