虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ロード・オブ・ウォー(2005/アメリカ)

2007年09月04日 | 映画感想ら行
LORD OF WAR
監督: アンドリュー・ニコル
出演: ニコラス・ケイジ    ユーリー・オルロフ
   イーサン・ホーク    ジャック・バレンタイン
   ブリジット・モイナハン    エヴァ・フォンテーン
   ジャレッド・レトー    ヴィタリー・オルロフ
   イアン・ホルム    シメオン・ワイズ

 ソビエト連邦崩壊前のウクライナに生まれ、少年時代に家族とともにアメリカに渡ったユーリー・オルロフ。ニューヨークにレストランを開いた両親を手伝うユーリーは、ギャング同士の銃撃戦を目撃し、武器を売ることを思いつき、弟のヴィタリーと2人で武器売買の事業を始める。天性の才覚を発揮し、世界有数の武器商人へと成長していくユーリー。そんな彼をバレンタイン刑事が執拗に追う…。

 見終わると原題がとっても意味深に感じられます。LORD…ほんとうに支配するものって…なるほどねえ。
 自分が売った銃口の先のことは頭から締め出すことは、それほど誰にでも出来ることではありません。
 しかし、それが可能な主人公もフツーに恋をして、結婚して、子どもが出来て、家族に愛されたい、ちゃんと稼いで体裁の良い生活を整えたいとか、戦場とはなれた場所で思ってて、銃口の先のことを考えずにはいられずに麻薬におぼれる弟を困ったもんだと思っていてという、裏社会の活動と市民としての日常が恐ろしいようにあたりまえに連続して描かれます。
 音楽もまた軽快でそれがまたおもいきりシニカルです。

 ラストで、最大の武器商人たちがリストアップされるけれど、やはり本質は誰が悪いだけではなくて主人公ユーリーの弟の死で示されたと思う。
 あのシーンで二人の選択の違いがくっきりと描かれておりますからねえ。
 さすがにハリウッド資本では出来なかった映画らしいですが、ニコラス・ケイジがこういうのを製作主演するあたり、アメリカもすごい、と思います。


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