お正月ダイエット

　やっと夫の仕事が本格的に始まりました。
これからがいよいよ私の長～い冬休み。
お掃除をして清潔に片付いた部屋の中で、お茶を飲みながら、たったひとりの時間を噛みしめています。

　明け方に姑の夢を見ました。
「嫁子さん、嫁子さん。早く起こしてください！
　トイレに行きたくてずっと我慢していたんですよ。
　いつまで私を待たせるつもりなんですか！」
生前は大変穏やかだった姑が、恐ろしい形相で私を睨みつけています。
慌てて布団をはがして起こそうとすると、時すでに遅し。
紙おむつからはみ出た汚物が、シーツのあちこちに点在しています。
あ～あ、また朝から大仕事かと、ため息をついたところで目が覚めました。
　
　.......夢でよかった.......

　介護から解放された後もこんな夢を見るなんて、いまだに果てなき荒れ野をさ迷っている気分です。
汚物関連の夢は金運上昇の兆しありというけれど、介護生活に突入してからこのかた、私は何度もこの種の夢を見てきました。
その度に宝くじやスピードくじを買い求めてきましたが、当たったためしがありません。
それでも懲りずに宝くじ売り場に並ぶ私。

　
　テレビでは『正月太り』解消の特集をやっていました。
ごろごろしながら美味しいものばかり食べて太った身体をそのままにしていたら慢性肥満に繋がります。
私もあわてて体重計に乗ってみました。
すると何ということでしょう。１㎏減！

　我が醜きボディの大勢には、なんら影響を与える数字ではありませんが、『正月痩せ』は初体験です。
それもその筈。姑不在、子どもたちも帰省しなかった今年のお正月は、喪に服すことを大義名分に、大好きなおせち料理も作りませんでした。
ありがたいことに、夫も文句を言いませんでした。
１㎏減は、何一つ美味しいものを戴くことなく過ごした悲しい日々の代価です。
それにしても、もう少し顕著な結果が出たっていいのに.......。

　明後日あたりには元の木阿弥となる数字ですが、世を挙げて『正月太り解消』エクササイズに取り組む人たちを見ていると、自分だけが偉業を達成したようないい気分でした。
我がストイックな食欲に乾杯！
このようなお正月は、二度と来ることはないでしょう。
しばらくは体重計から下りたくはありませんでした。