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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

スキップ

2008-05-23 11:40:03 | 読書
 高村薫さんの骨太、重厚な作風の読み物(照柿、レディ・ジョーカー、マークスの山など)が大好きです。
寡作なお方です。ほとんどの作品を読んでいたと思っていましたが、ブックオフでまだ読んでいない作品を見つけました。
あれ?でも......文体も内容もどこか雰囲気が違う......

 作者を確かめたら高村薫さんではなく北村薫さんでした。
最近はこんな間違いをしてはガックリと肩を落とすこと度々ですが、気を取り直して北村薫さんの『スキップ』完読しました。

 『スキップ』は、17歳の高2のワタシが時間のねじれの中で25年間早送りされて、いきなり42歳になったワタシにたどり着くお話です。
中身はそのままで入れ物だけ変わってしまった17歳のワタシには、夫も娘も見知らぬ他人。両親も既に他界していました。
カルチュアーショックもさることながら、高校教師の職についていたワタシは、実際は高2でありながら高3の生徒たちの担任です。
不条理な時のいたずらに翻弄されるワタシ。
17歳の時間に帰りたいと切望しながらも、やがてすべてを受け入れて懸命に努力して生きていくという筋立てとなっています。(★★★☆☆)

 元の時代に戻れるのかと思いきや、戻れないところがこの作品の持つリアリズムです。
このような読み物を読むとつい想像が逞しくなってしまいます。
もしある日突然、私の人生が25年早送りされたら........
生きているのか?死んでいるのか?
ぼけているのか?いないのか?
子どもたちに大切にされているのか?いないのか?

 ああ、この想像はかなり辛い!既に涙が出そうです。


 【早送り】→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→【25年後】

 まず生きていることに感謝感激!
 自分の居場所を確認します。病院?介護施設?それとも我が家?
 見知らぬ青年を見つけました。「あんた誰?.....孫?」
 見知らぬおばさんを見つけました。「息子の嫁?初めまして」
 鏡を持ってきてもらいます。「ぎゃ~!
 そして夫を捜します。「お~い、お父さん!どこにいるの?」

 娘とおぼしきおばさんが、あきれた顔で申すには
「も~う、何度言ったら分かるのよ!お父さんは去年死にました!」
 

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (京こまめ)
2008-05-23 19:15:47
薫さん違いでまた雰囲気のちがう本が読めてちょっと得した感じですね。
25年後を想像してみたら・・多分私は二代目隊長になってるかもしれません。
そして娘婿殿を困らせている光景が目に浮かびます。
でも、死んでるかもしれないし・・それより、地球大丈夫でしょうか。
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今の母? (ゆっかりん)
2008-05-23 21:02:49
ちょうど、今の母の年齢位になるかも・・・。
今の母を25年後の自分と見ると、色々考えさせられるなぁー。
でも記憶力は、今の母より衰えていると感じる今日この頃、25年後は、そりゃーもう恐ろしいことです。
ブルブル・・・。
あ、でも生きていたらか・・・。
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こまめさんへ (nihao)
2008-05-24 09:12:47
薫さん違いで、普段読まないタイプの本を読むことができたのもボケの効用?
こまめさんはきっと2代目隊長になっていますね。
一番身近な人の影響って、知らず知らず受けてしまうものですからね。婿殿の被害甚大!
でも25年後なら、まだ初代隊長はお元気でカクシャクとしていらっしゃったりしていて.......。
2代目の道は厳しいぞ!
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ゆっかりんさんへ (nihao)
2008-05-24 09:25:59
私もちょうど婆婆の歳です。
婆婆と自分を比べたら婆婆の方がずっとしっかりしていると思います。
私の25年後も、それはそれは恐ろしい!
これからの25年の歳月って、すごく残酷に向かってくるのでしょうね。
元に戻れることを前提に、タイムスリップして覗いてみたい気がするのは怖いもの見たさ?
でも本心は......生きているとは思えない。
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Unknown (panco)
2008-05-24 16:36:35
高村薫さんの文章は女性にしては骨太ですよね。
はじめて読んだときは男性だと思いました。
私が一番すきなのは「レディー・ジョーカー」かな。

北村薫さん・・・
ほとんど読んでいます。
でも・・・確かに私もよく間違えます(笑
でも、この方の文章品が良くて大好きなんですよ。
間違えるくせに・・・

ほら、あれよ、記憶があれだものだから、とっさに名前が出てこないことが・・・(滝汗
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pancoさんへ (nihao)
2008-05-24 19:12:57
高村薫さんの、妖しく美しい中国人青年が出てくる『李歐』という作品が大好きです。
私も高村薫さんが女性だと知ったときはビックリでした。
そして今回、北村薫さんが男性だと知ってもっとビックリ!この作品しか読んでいませんが、絶対に女性だと思っていました。

作者の名前は覚えられない、同じ本を買ってしまう、
登場人物の名前を忘れる、あらすじを掴めない......読書もだんだんしんどくなってきています。

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Unknown (風の又三郎)
2008-05-25 00:00:17
高村薫の「春子情歌」を読んでみたいと思います
彼女は大阪で生まれ育ったのだそうですね



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又三郎さんへ (nihao)
2008-05-25 10:11:12
私もまだ『晴子情歌』は読んでいません。
近所のブックオフになかなか出てこない.......アマゾンに注文すればいいのにって話ですね。
高村薫女史の作品は、ミステリーといえども読後の余韻が魅力的です。
『晴子情歌』は、従来の作風とは趣が異なっているようです。早く読んでみたいですね。
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25年後・・・ (すずめ)
2008-05-25 19:12:54
25年先・・・さてどう~かなぁ~って感じです
考えるも恐ろしや~でございます^^。

最近読んだ本の中にタイムスリップするものがありました
宮部みゆきの「蒲生邸事件」 浅田次郎の「地下鉄(メトロ)に乗って」
どちらも面白かったです  
ですが、見なくてもいい過去が見えたりして、複雑な思いです
やはりこのまま、自然に、お婆婆に、が一番かもしれませんね
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すずめさんへ (nihao)
2008-05-25 19:48:02
25年前にはちょっと戻ってみたいけれど、25年後は想像するだけでも辛いですね。

『蒲生邸事件』読んでいます。確か2・26事件にタイムスリップするお話でしたね。
ただ.....細部に関しては忘れてしまいました。
ミステリーは大好きなのに、読んでも片っ端から忘れてしまいます。
でも宮部みゆきさん、私のチェックリストに入っている作家のひとりです。
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Unknown (HUZU)
2008-05-25 20:47:05
御主人さんも長生き出来てよかったですね。25年後だと84歳ですもの。
25年後・・・私はきっと空の上から子供たちや孫を見てますよ。
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HUZUさんへ (nihao)
2008-05-25 22:01:54
私よりは先でしたが主人には長生きさせてあげました。
このようになるのが理想だけれど、25年先のことは全然予想もつかない。
一年一年、いや一日一日の単位を大切にしていかなければなりませんね。
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