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どこかにあるドコカ国

2009-03-21 11:45:00 | 読書
 お彼岸だからという訳ではないが、こんな本をご紹介。





 【天国からはじまる物語】 ガブリエル・ゼヴィン
  理論社発行 05年10月  堀川志野舞訳

 ティーンズ向けの小説だと思われる。
アダルトにはちょっと物足りないが、作者の世界観が独特で面白い。

........交通事故で15歳で死んだリズ。
船に乗って辿り着いたのはドコカ国
地上とほとんど変わらない世界だが学校と病院はない(もう病気にならない)
住民は必ず副業を持って暮らしていかなければならない。
本業は死後の生命をまっとうすることなのだろう。
ドコカ国の人生は後戻りの人生。
死は折り返し地点なので、15歳で死んだリズは、1年ごとに若返りやがて赤ん坊になって再度地上に送られていくという仕組みだ。
ドコカ国の年齢の数え方は15歳15年。前者は実年齢、後者は余命。
80歳で死んだなら160年も生きていかなければならないことになる.......

 勉強はしなくてよいし生活や健康への不安もない。
当然ながら介護や育児などの難事業もなさそうだ。
これが天国の一般的なイメージだろうか?
臨死体験に関しては様々な実証的研究がされているが(臨死体験のあるウチの夫は、意識回復後、医師たちに囲まれて「お花畑を見ましたか?」と、大真面目に質問されていた)、死後の世界で何年も暮らして戻ってきた人の話は聞いたことがないので、あの世が誰も知らない世界であることは確かだ。
案外......私たちは皆、ドコカ国で自分の寿命を確認しながら後戻りの人生を送ることになるのかなと想像したら複雑な心境になった。

 と言うことで.......先日見た映画【ベンジャミン・バトン】を思い出した。
ベンジャミン・バトンも、老人で生まれ赤ん坊に戻って死んでいくという、数奇な後戻り人生を過ごすことになる男の物語だ。
おそらくこの【天国からはじまる物語】の著者は、フィッツジェラルドのファン、もしくは研究者なのだろう。
ベンジャミン・バトンは、ドコカ国の手違いで老人のまま地上に送られてしまった転生ミスのケースだった.......と言いたかったのかもしれないと、私の妄想はふくらんで愉快になった。

 ところでドコカ国では、新しい恋をして別のパートナーと結婚することも、夫婦が再会するのを待って、互いに若返りながら生きていくことも可能だ。
ドコカ国でまた一緒になりたいか夫に訊ねてみようと思ったが

 やめた!やめた!  奴の答の想像はつく.....



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8 コメント

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Unknown (京こまめ)
2009-03-21 18:39:03
死後の世界ってのはこんなのでしょうか。
死なないと分からないけど、いままでは死んだらそれっきりだ。と思っていました。
意識も消えてしまって何もかもなくなって・・でもね、案外そうじゃない気がします。
もし、ドコカ国があるなら後戻りの人生は、気楽に今までとは正反対のキャラで過ごしたいと思います。
結婚?しないしない。








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こまめさんへ (nihao)
2009-03-21 19:59:03
私も死後の世界なんて想像することはないのですが、こういう物語を読むとつい妄想がふくらみます。
ありえないことだと分かっていても、なんか説得力あるんです。
物語って、なんと魅力ある世界でしょうね。
でも、若返ってはみたいけれど二度も人生を送るなんてうんざり。

>結婚?しないしない
ああ、まったく同感!
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Unknown (士別)
2009-03-22 10:41:07
何度か、もうだめだろうと思う人が帰ってきた話は聞く事がありました。「黄金色の稲穂の中を歩いていて、綺麗な光が見えた」とか「お花畑を歩いている時に呼ばれた」とかね。
「そよ風と優しい光に包まれていい気持ちだったのに起こされた」などなど。
でも死後の世界はどうなんでしょうね。
無くてもいいと思っています。
あったら大変です。毎日反省と懺悔ですよ。
何も見えなくて、何も聞こえなくていい。
死んだら考える。ケラケラ笑って暮らせる独身生活を希望します。
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士別さんへ (nihao)
2009-03-22 12:39:28
臨死体験は、不思議と同じようなパターンが出現するようですね。
夫は手術中の処置を含め3回心停止しているのですが、1度だけ臨死体験があったそうです。
向こう側にすごく行きたかったけれど、大声で呼ばれて行けなかった.......らしい。
だから死にそうな人がいたら、先ずは大声で名前を呼ぶのが一番よ。

>ケラケラ笑って暮らせる独身生活
もしドコカ国があるのなら、残りの逆戻り人生はひとりで静かに暮らしたいね。
でも飽きないだろうか?
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Unknown (うらら)
2009-03-22 13:46:48
あなたは土から生まれたのだから土に還る、それが良いな~と思ってきました。
でも身近にもいる臨死体験者。
父も呼ばれて帰ってきた口です。
やはり綺麗なお花畑があったと言います

私はもう、二度目の人生は要らないですね。
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うららさんへ (nihao)
2009-03-22 17:19:50
うららさんのお父上も体験者でしたか。
臨死体験ってスピリチュアルなものかなと思っていたのですが、医師たちが真面目な顔で質問してきたので驚きました。
体験後、人生観が大きく変わるという話を聞いたことがありますが........全然。

>私はもう、二度目の人生は要らないですね。
同感。全く必要ないですね。
この倍の人生なんて苦行でしかありません。
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又さぼろう(^^) (風の又三郎)
2009-03-23 17:03:45
ブログは読んでおりましたが、仕事関係で先週からずっと大阪~東京間を往復し続けている
うちに書き込みするタイミングを逸してしまい、更新されたあとにやっと
新幹線の中から投稿しております。
そして、この時期になると決まって毎回同じ書き込みをして、自己嫌悪に陥ってる又三郎であります(^^)
期末になると普段サボってるツケが貯まって来てしまい、いつものように担当支店の数値計画の未達に
追いまくられながらも、あがいてるフリと、やってるフリをして(^^)お茶を濁している
不良サラリーマンは、ブログを読みながら同じくベンジャミン・バトンを思い出しました

死んだあとの事はいろんな仮説がありますが、わたくし的に思うのは、それはおそらく
現世に生きている人間の死に対する恐怖心を和らげるための詭弁だろうと思うのです
魂が肉体を離脱して輪廻し、転生する事が確実なら、肉体の死などを恐れる事はないのですが
どうのこうの言っても、だったらいいなあと思うだけで、それはありえない事なのです。
来世があって、自分の魂は絶える事なく生き続ける事にしたいと思うとただの願望になってしまうのですが
又三郎的には、きっとこんな感じなんじゃないかなと想像すると納得できるんのですよね
それは、未体験の事は恐ろしいけれど体験済みの事はそうでもないということ。
時系列で考えると生まれる前があって、生まれて、そして死んで行くのですから
生まれる前というのは忘れてしまっただけで、既に体験して来た事だと思うのです。
そして、死んだ状態というのはまさに生まれる前の状態に戻るだけだと思えば
既に経験済みの事なのだから不安に思う必要はないとも。
パソコンの電源が切れるみたいに、全てが消滅し停止する未知の世界だと思うと怖いのですが
忘れてしまったけど、お母さんのお腹の中にいる前のころに戻るだけの事だと思えば
良いのではないかと思えるのであります。そしてその後は誰に気兼ねなく又さぼろうと(^^)
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又三郎さんへ (nihao)
2009-03-23 19:42:08
この時期のお忙しさ、お察し申し上げます。
何事も首尾よく収まり、「又さぼろうさん」となれる日が早くやってきますように。

死後の世界に関していろいろな説があるのは
>現世に生きている人間の死に対する恐怖心を和らげるための詭弁
私もそのように思います。
あらゆる宗教は、人々が抱いているこの恐怖心を上手に利用している訳ですものね。
物体の死が無であることは承知していても、人の死は神秘であると考えたいのが人間なのでしょう。

正直言って、私は考えたことはない(考えても仕様がないと思っている)のですが、
>死んだ状態というのはまさに生まれる前の状態に戻るだけ
又三郎さんのようにイメージすると安心出来るような気がします。
ドコカ国のような折り返しの人生を送ることは真っ平。
お母さんのお腹のような居心地のよい場所で、いつまでも惰眠を貪っていたいです。
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