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マダムnihaoのフレッシュ搾りたてブログ。お気軽にお立ち寄りください。

究極の選択

2009-11-27 11:30:00 | 読書
 
           


 しばらく図書館が休館するというので、久しぶりにブックオフに出かけて本を調達してきた。
書架の前に立つと、本を選ぶと言うよりは本に選ばれている(本が少ないから)感じがするのが何とも嬉しい。
本たちが皆、私との出会いをひっそりと待っていてくれたような気がするのは考えすぎだろうか?
ホラーの名作、小野不由美『屍鬼』は上巻しかなかった。

 『プラチナ・ビーズ』(五條瑛 集英社 1999年)は、日本、アメリカ、北朝鮮の諜報戦争を軸にしたスパイ小説。
物語としても楽しめるが、人種問題や食糧問題や外交問題などを通して、リアルな国家の問題を浮き彫りにした内容の作品。
しかし実はこの本の展開とは全く無関係の、ある一節に大いに悩んでしまった。

 それは......「不幸せな賢者」と「幸せな愚者」、どちらになりたいかという究極の選択を問うた箇所。
ちょっと哲学的な比較で難解だから、今風に「不幸せな天才」と「幸せな馬鹿」と直してみる。
どちらを選択するかで個々人の価値観や人間性が判断できそうな気がする。
もちろん正解はない。

 そこで私もいろいろな例題を考えてみた。
言葉の解釈は各人の持つイメージで違ってくるだろうが、最低と最高を連想して直感で答えてみよう。
たとえお遊びとは言え、だんだん苦しくなってくることを保証する。

「不幸せな天才」と「幸せな馬鹿」
「不幸せな金持ち」と「幸せな貧乏」
「不幸せな美女(美男)」と「幸せな醜女(醜男)」
「不幸せな二十歳」と「幸せな百歳」
「不幸せな百獣の王」と「幸せな羽虫」
 
 と......ここまでの、私とたまたま側にいた娘の選択はすべて「幸せな○○」の方を選択した。
どうやら人間(...って私と娘だけだが)は、幸せを追求する生き物らしいとわかったが、ついでに夫の答も聞いてみたら、奴は迷わず全て「不幸せな○○」の方を選択した(なんと恐れを知らない奴だ!)
たった三人分の回答だけで分析するのは早計だが、夫が幸せを捨てる覚悟があると知ったことは今後大いに参考になりそうだ。

 では以下↓はどうだろう?とても辛い選択だ。

「不幸せな生者」と「幸せな死者」
「不幸せな健康的精神」と「幸せな不健康的精神」
「不幸せな五体満足」と「幸せな五体不満足」
「不幸せな介護者」と「幸せな被介護者」

 ああ、私は不幸せでも一向に構わない! 
自分の作った例題を考えているうちに泣きそうになった。





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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (風の又三郎)
2009-11-27 12:26:03
何が幸せで 何が不幸せかという
定義はそれぞれの考え方なのでしょうが
最後の例題は身につまされてしまいましたね

どちらか一方を選ぶとすればやはり「幸せな」でしょうか
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Unknown (およよ)
2009-11-27 12:53:06
不幸せと感じるのはストレスなので
やっぱり 「幸せな」を選ぶかなぁ。
定義があいまいになりそうですが、個人の感情次第だと考えれば 例題の不幸せの方は考え方しだいでめっちゃ幸せになれそうなので…未来に賭けるなら 不幸せの方も・・・?

>「不幸せな賢者」「幸せな愚者」
まだ 青かったころ、『自分がもう少し賢いかもう少し馬鹿だったら、もっと楽に生きられるんじゃないか?こんな事に悩まずに済むんじゃないか?』と悩んだコトがあります。
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Unknown (うらら)
2009-11-27 14:59:45
「幸せな被介護者」の陰には「不幸せな介護者」がいる・・・と思ってしまいました。
介護者が不幸せなら被介護者も幸せではないのでしょうが、瞬間的に思ったのです。

幸・不幸は相対的なものなので選択は難しいですね~。
  ↑でおよよさんが書いてらっしゃる「自分がもう少し賢いかもう少し馬鹿だったら、もっと楽に生きられるんじゃないか?」というのは分かります。
私も「自分は小利口なのだ、もっと利口なら或いはもっとバカなら違うのに」と思った日もありましたもの。
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又三郎さんへ (nihao)
2009-11-27 15:46:05
人によって幸せ・不幸せの定義は異なりますが、多くの人が、幸福感を持てる人生を歩みたいと考えていると思います。
ここで引用した九つの例題は極端な例で、実際にこのような選択を迫られることはありません。
通常幸せな生活を招くはずの条件(権力・財産・知性・美貌・若さのようなもの)がそうではないとしたら.......言葉遊びのつもりで考えてみただけだったのですが、でもだんだん辛くなってしまいました。
特に後半の例題は難問で、もしこんな選択をしなければならないかと思うと悲しくなってしまいました。
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およよさんへ (nihao)
2009-11-27 16:00:25
私も自分で作っておいて迷った挙げ句、しぶしぶ選んだのは「幸せな○○」の方でした。
>不幸せと感じるのはストレスなので
このおよよさんのコメントで、自分の選択理由が明らかになった次第です。
確かに不幸せ感は致命的なストレスになると思います。
>未来に賭けるなら 不幸せの方も・・・?
いえ、これはアウトです。
未来永劫変わらぬ幸せ・不幸せの条件で選択してくださいね(笑)

>自分がもう少し賢いかもう少し馬鹿だったら
悩み多き若い頃、答が見つからなくて悩みに悩みを重ねた日々が懐かしいですね。
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うららさんへ (nihao)
2009-11-27 16:24:30
究極の選択オンパレードで、自分でも嫌気がさしてきますが「不幸せな介護者」と「幸せな被介護者」の選択をしんがりに持ってきたのは、ここが自分にとっては一番の問題だと思ったからなんです。
うららさんが瞬間的に連想した>「幸せな被介護者」の陰には「不幸せな介護者」がいる
と言う意味ではないのですが、この発想はよくわかります(泣き笑い)
さすが現役介護経験者ならではのお言葉!

自分なら、たとえ不幸せでも被介護者でい続けるよりは介護者でありたいと考えますがどうでしょうか?
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 (百子)
2009-11-27 20:16:17
幸せとは、思いわずらう事がないこと。。。
私も、やっぱり「幸せ」を選びますねー。

これは、もちろん、他人から見て「幸せそう。。。」というのではなくて、
自分自身が「幸せ」と思えるってことです。

「あの人、馬鹿でブサイクで貧乏でかわいそう」と思われてもへっちゃらです。
「うふっ、私ってナンテ幸せなのかしら♪」って思えればそれでいいかなぁ。。。なんて。
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Unknown (HUZU)
2009-11-27 20:37:57
幸せと不幸は紙一重・・・私は絶対どんな環境でも幸せを選ぶ・・と思っていましたがよーく考えると環境は不幸なほうがいい・・・どっちがいいんだろうね。よくばりは出来ないのだろうか?
自分が幸せと思うと何でも幸せなんですね。
そう言う結論にしました。
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百子さんへ (nihao)
2009-11-27 21:58:27
おお~っ!百子さんの論理の展開は、実にスッキリ気持ちがいいです。
>他人から見て「幸せそう。。。」というのではなくて、自分自身が「幸せ」と思えるってことです。
幸せはあくまでも個人的な感覚。
幸せそうに見えることと幸せは違うから、自分の気持ちが一番大切なのは確かですね。
しかも何を言われてもへっちゃらとなると、これは最強です!
私はどうも迷いが多いらしく、自分で作った遊びなのにだんだん困ってしまいました。
どうも欲を捨てきれないらしい......
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HUZUさんへ (nihao)
2009-11-27 22:15:04
これは極端な例で、普通は私たちは、調和のとれた環境の中で幸不幸と折り合って生きている訳です。
どちらを選択するかということが、そもそも無理な話なのですが、そこをあえてやってみました。

>どっちがいいんだろうね。よくばりは出来ないのだろうか?
現実ではいくらでも欲張りはできますから安心してね。
だから当然.....美人で賢くてセレブでいつまでも若いマダムを目指してください!

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