尹大統領の義母、残高証明偽造で懲役1年…
法廷拘束され「この場で死ぬ」
不動産投資の過程で通帳残高証明を偽造した疑い(私文書偽造)などで起訴された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の義母、チェ・ウンスン被告(76)が21日、控訴審で懲役1年を言い渡され法廷拘束された。判決直後、無実を訴える過程で倒れたチェ被告は、裁判所関係者たちに抱えられ法廷を出た。
議政府(ウィジョンブ)地方裁判所刑事3部(裁判長イ・ソンギュン)の審理で同日開かれた宣告公判で、裁判所は「被告人の控訴は受け入れる理由がない」とし、「十分防御権が保障されたうえ、罪質が悪く逃走の恐れもあるため、法廷拘束する」と述べた。
裁判所はチェ被告の偽造私文書行使疑惑に対しては「被告が偽造された残高証明書を民事訴訟に提出することを知って共犯と共に残高証明書を行使した事実が認められる」と判断した。不動産実名法違反と関連しても「転売差益のために名義信託をした容疑が認められる」として、検察側の主張を受け入れた。
刑が重すぎるというチェ被告側の主張に対しては、「被告が主導して莫大な利益を実現する間、関連する個人と会社が被告の意向によって利用された。自分の利益を追求することに傾倒したあまり、法と制度、人が手段化されたのではないかと懸念される」と述べた。
法廷拘束という判事の言葉を聞いたチェ被告は「何を言っているのか良く分かりません。私を法廷拘束するということですか」と問い返した。さらに「判事、その部分は本当に違います。決してお金儲けのために悪意を持ってそんなことをしたわけではありません」と叫ぶ場面もあった。チェ被告は「神様の前で薬を飲んでこの場で死ぬ」とも語った。
チェ被告は京畿道城南市島村洞(トチョンドン)の土地を買い入れる過程で、2013年4月1日から10月11日まで4回にわたって計349億ウォン(約38億4千万円)の預金が貯蓄銀行にあるように残高証明書を偽造した疑いなどで起訴された。同業者のA氏と共謀し、2013年8月7日、島村洞の土地関連契約金の返還請求訴訟を起こし、約100億ウォン(約11億円)の偽造残高証明書を裁判所に提出した疑いもある。合わせて2013年10月、島村洞の不動産を買い、半分はチェ被告が名義信託した会社に、半分はA氏の婿名義で所有権移転登記をして不動産実名法に違反した疑いも持たれている。1審裁判所は昨年12月、チェ被告に懲役1年を宣告した。
野党「共に民主党」のパク・ソンジュン報道担当は同日、「万事は必ず正しい道理に帰す」と述べ、「(尹大統領の夫人)キム・ゴンヒ女史の株価操作事件など大統領夫人やその家族をめぐっては国民的疑惑を持たれる事件が多い」と指摘した。一方、大統領室と与党「国民の力」は論評しなかった。
一方、チェ被告は2021年7月、医療法違反と特定経済犯罪加重処罰などに関する法律の詐欺罪で、1審で懲役3年を言い渡され法廷拘束されたが、2022年12月上告審で無罪を宣告された。