ロシア内部の問題であり、ベラルーシなどにワグネルの隊員たちがどれだけいるかはまだ明確ではないため、「最終的な結論を下すには早すぎる」と述べた。

2023-07-01 13:39:47 | 世界平和を実現するために

「弱くなったプーチンの方がより危険」…

EU首脳、ロシア内部の亀裂を警戒

登録:2023-07-01 02:42 修正:2023-07-01 06:54
 
 
EU首脳らが6月29日(現地時間)、ベルギーのブリュッセルで開かれたEU首脳会議に出席している。左からミシェル欧州理事会議長、ドイツのショルツ首相、ストルテンベルグNATO事務総長、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表、フォンデアライエン欧州委員長/AFP・聯合ニュース

 欧州連合(EU)の首脳らが先週末、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」が起こした「武装反乱」の余波に神経を尖らせている。

 29日(現地時間)、ベルギーのブリュッセルで開かれたEU首脳会議に出席するために集まった27の加盟国の指導者たちの最大の関心事は、ワグネルの軍事反乱で明らかになったロシア軍首脳部の分裂とウラジーミル・プーチン大統領の統制力の喪失だった。ワグネルの反乱は同日の首脳会議の公式議題ではなかったが、加盟国全員が関心を持つ最も「熱い」テーマだった。会議に出席した各国の首脳はこの問題に対する様々な論評を出した。同日の会議にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はオンラインで出席した。

 イェンス・ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長はこの日、加盟国首脳との昼食会前に取材陣に会い、「週末に我々が目撃した反乱はロシアのシステムの中に亀裂と分裂があることを示している」としながらも、ロシア内部の問題であり、ベラルーシなどにワグネルの隊員たちがどれだけいるかはまだ明確ではないため、「最終的な結論を下すには早すぎる」と述べた。また「NATOにとって重要なのは我々がウクライナを支援し続けること」だと強調した。ストルテンベルグ事務総長は、EU加盟国の相当数がNATO加盟国であることから今回の会議に出席した。

 EUのジュセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は「さらに弱くなったプーチンはより大きな危険」だとし、警戒を緩めなかった。ボレル代表はEUのすべての情報機関が現在の状況を分析しているとし、「プーチンは独占していた武力を失った」とし、「内部的に『清掃モード』に入り、より断固とした路線を取るものと予想される。内部的な不安定性から、我々はロシアを危険とみなすべきだ」と述べた。

 ドイツのオラフ・ショルツ首相は同日、「ARD」とのインタビューで、「いかなる場合であれ(今回の反乱が)ロシアに長く続く影響を及ぼすことは明らかだ。私は(プーチン大統領の力が)弱くなったとみている」と述べた。ただし、ショルツ首相は「我々の目標はロシア政権と政府の交替ではない」と付け加えた。

 ワグネルの首長であるエフゲニー・プリゴジン氏が亡命したベラルーシと国境を接しているポーランドやリトアニア、ラトビアなどバルト海諸国は、ワグネルの傭兵たちの動きを警戒しながら見守っている。ラトビアのクリシュヤーニス・カリンシュ首相は、高度に訓練されたワグネルの隊員たちがベラルーシに集結する可能性を示唆し、「この脅威はおそらく全面的な軍事脅威ではないだろうが、目的が不明なまま欧州に侵入しようとしている点で、脅威と言える」と懸念を示した。リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領は「一部の同僚たちは時々弱いプーチンよりは強いプーチンの方が危険性は低いという」とし、「私はそのような見解に同意しない。今は歴史の重要な瞬間であるため、我々は前に進み、決断力を発揮しなければならない」と述べた。エストニアのカヤ・カラス首相は、ワグネルがベラルーシに移動したことについて「ベラルーシとロシアはいずれも危険であり、また今後も危険だろう」とし、ロシア側には「亀裂」があると指摘した。さらに「我々がすべきなのは、ロシアに対し(制裁を通じて)圧力をかけ続けることだ」と強調した。

 ワグネルの反乱がEUをさらに結束させる契機になったことは明らかだ。欧州議会のロベルタ・メツォラ欧州議会議長は同日午後の記者会見で、今回の事態が「ロシア内部の力学関係とシステムの脆弱性、ウクライナ侵攻と欧州の安保全体に及ぼす影響に対して多くの疑問を抱かせた」とし、「ウクライナとの連帯は我々の最優先議題であり、続けるべきだ」と述べた。

ブリュッセル/ノ・ジウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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2015年に中断された韓日通貨スワップが100億ドル規模で8年ぶりに再開される。韓日関係の回復に伴い、両国間の金融協力を強化するためのものだ。

2023-07-01 10:35:34 | 韓国を知ろう

韓日通貨スワップ、8年ぶりに再開…100億ドル規模

登録:2023-06-30 01:38 修正:2023-06-30 07:42

 

韓日財務相、スワップ再開に合意
 
 
チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官が29日、日本の財務省で開かれた韓日財務会談の会場で、鈴木俊一財務相と握手している=企画財政部提供//ハンギョレ新聞社

 2015年に中断された韓日通貨スワップが100億ドル規模で8年ぶりに再開される。韓日関係の回復に伴い、両国間の金融協力を強化するためのものだ。韓日財務相はロシアの戦争中断を求め、中国へのサプライチェーンの偏り、北朝鮮と関連した安全保障問題などにも共同で対応することにした。

 チュ・ギョンホ副首相兼企画財政部長官と日本の鈴木俊一財務相は29日、東京の財務省で第8回韓日財務対話を開き、このように合意したと発表した。韓日財務対話は2016年以来後7年ぶり。

 チュ副首相と鈴木財務相は、2015年以後中断された韓日通貨スワップを8年ぶりに再び復元することで合意した。2015年2月に満期延長なしに終了した当時と同じ米ドル100億ドル規模で契約期間は3年。今後、韓国は100億ドル相当のウォンを日本が保有している100億ドルと交換できる。

 韓日通貨スワップは2001年に20億ドル規模で始まり、2008年の金融危機に300億ドル、2011年欧州財政危機当時には700億ドルまで拡大した。しかし2012年、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の独島訪問や安倍晋三元首相の靖国神社参拝などで両国関係が冷え込み、2015年2月、満期を延長せずに契約が終了した。

 今回の合意で、韓国の対外通貨スワップ締結規模は計10件、1482億ドルに拡大した。この中で米ドルを調達できるスワップ契約は日本、ASEANプラス3(東南アジア諸国連合10カ国および韓中日)と結んだ多国間通貨スワップ「チェンマイ・イニシアティブのマルチ化」(CMIM、384億ドル)がある。

 今回の韓日通貨スワップの再開は経済的必要性よりは政治的な意味が強い。先月末基準で韓国の外貨準備高が4210億ドル(約554兆ウォン)で世界9位(4月末基準)に達し、ウォン相場も1ドル=1300ウォン台前半で安定を取り戻したからだ。チュ副首相は「今回の韓日通貨スワップは、韓米日など普遍的価値を共有する国と外国為替、金融分野で確固たる連帯と協力の枠組みを作ったもの」だとし、「これを通じて自由市場経済における先進国間の外貨流動性のセーフティネットが韓国の金融・外国為替市場まで拡大するという意味がある」と述べた。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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